2015/10/03(土曜日) 13:31:08 しやさんの質問
過去のジジ様のまとめを追わせて貰い『着想』こそが新人賞攻略の大きな鍵になると確信しています。
さて、ジジ様が仰った内容のおかげで、『良い着想に至るまでのヒント』というものは掴めたような気がするのですが、いざ思いついた発想が新人賞で戦えるモノかという判断がイマイチできません。
なので自分(ごとき)の着想が、どこまで通用しそうなのか、是非ジジ様に評定して頂きたく思います。
内容は、ゾンビものです。
ゾンビが最初にあらわれてから数年が経った日本の、地方都市が舞台になります。
関係機関の迅速な対応と、早い段階で対応が見つかったことが功を奏し、パンデミックには至らず、表層上は現代の日本と何も変わらないと考えて下さい。
パンデミックに至らなかった一番の理由は、ゾンビになるウイルスの存在を早い段階で特定できたことと、それに対するワクチンの大量生産が可能であったことです。
ただ、ウイルスに冒されると一〇秒で脳が壊れはじめる(ゾンビ的な思考しかできなくなる)ため、ワクチンは感染してすぐ打たなければ効果は期待できません。ウイルスは空気感染しないため、ゾンビに嚙みつかれでもしない限り感染しませんし、ゾンビの運動能力はきわめて弱いため、子供でも楽々と逃げることができます。また日本国民の誰もが、噛まれたときに直ぐ処置できるようにワクチンを持ち歩いています。
そういった世界で、僕とクラスメイト(女)はゾンビに噛まれます。僕は直ぐにワクチンを摂取したのですが、クラスメイトは混乱でワクチンを割ってしまい、このままではゾンビ化は免れません。
そこで僕が思いついたのは、キスすることです。「ワクチンは一時的に粘液内にウイルスを殺す成分を作り出す」と聞いたことがあったためです。自分の粘液を彼女に与えれば彼女のウイルスの進行を抑えられると思ったのです。
その目論見は上手くいき、キスを続けることで彼女の目は徐々に虚ろなモノから正常なものへと戻ってきます。解決したと思ったのも一時のこと、彼女にゾンビ的な兆候がみられるようになります。ゾンビ的な衝動を抑えるには、僕とのキスを定期的にするしかないことが分かります。
行政機関に彼女がゾンビ的な傾向が見られるとバレたらどうなるか分かりません。下手したら処分されるかもしれません。だから僕は彼女を守るために秘密を守ることを決意します。
さて、この着想をジジさまはどのように見ますか?
忌憚なき意見をお願いします。
●下読みジジさんの回答
この作品がSF要素やシリアス要素を基本的に含まないことを前提にしてのお返事になりますが、
内容は、ゾンビものです
まず、福満しげゆき氏のコミック作品『就職難!!ゾンビ取りガール(モーニングKC)』(2013/2/22刊行)は確認しておくべきかと思います。
ワクチン
そこで僕が思いついたのは、キスすることです。
この2つの設定を生かすため、「ワクチンは“僕”の唾液から作られている」くらいの極端な設定があるとよいかと。
これによって問題を「対ゾンビ」から「ヒロインだけではない女子多数によるキスの奪い合い」という読者的にうれしいものへすり替えることができますし、「男子にも唇を狙われる」というコミカル要素をプラスすることもできます。
その上でストーリーラインにあとふたひねりほどできると、期待値が上がりますね。今のままですと、既存作のインスパイアで終わってしまうことは確実ですので。
●しやさんの返信
貴重なご意見ありがとうございます!!
とても勉強になりました。
ご紹介いただいた本も必ず目を通します。
おかげで着想で踏み込む先や、具合について明確にイメージできるようになりました。
一点確認させて頂きたいのですが、ジジ様のアイデアを色濃く反映させた原稿で新人賞に応募しても大丈夫でしょうか?
●下読みジジさんの回答
特に問題はありませんが、参考にしていただくならアイデアではなく、売りとなる要素を極端化させてみるという「着想の方法」だけにしておくほうがよいかと思います。
作者が自らひねり出したネタでないと、物語にうまくなじまないものですので