日本人には謙虚は美徳という考えがあり、小説投稿サイトのあらすじなどに「おもしろくないかもしれませんが、読んでください」と書いてしまう人がいます。
これは完全に逆効果です。
作者が自信のない作品は、おもしろくない可能性が高いと思われて、無視されやすくなってしまうのです。
商売の基本は「大本営発表」です。
実際には売れていなくても「大好評発売中!」と宣伝した方が良いわけです。
なぜなら、人はなんとなくおもしろそう、という動機で、そのサービスや商品に興味を持つからです。
二人しか感想を書いてくれなかったとしても「絶賛の声が集まっています!」と言った方が良いのですね。
その方が、なんとなくおもしろそうと思われて、人が集まってきます。
謙虚が美徳とは、サービスを提供する場合は当てはまらない!
友人や親戚に贈り物をする場合「つまらない物ですが」。受け手は、贈り物をもらう心理的負担が減るので喜ばれる。
サービスを提供する場合「つまらない物ですが」。受け手は「じゃあ、いらない」となってしまう。
謙虚は美徳という価値観は、すべての場合において有効という訳ではないのです。
小説投稿サイトにアップされた小説も、読者の時間を対価としてもらうサービスの一種。
なので、なんとなくおもしろそうと思われた方が良いです。
自信がないことをそのまま正直に書いてしまうのは、不利になります。
俺の小説はおもしろいぜ!と思っている方が、成功しやすくなります
ラノベ新人賞で三次選考まで行った人
— うっぴー/ライトノベル作法研究所 (@ranokenn) 2019年1月30日
「本屋さんに並んでいる作品を見ると、自分がこの中に入って行って勝負できるか不安になります」
ベテラン作家さん
「俺の方がおもしろいぜ!くらいに自信満々に思っている方が良いよ」
自信がある方が良いというのには、科学的な根拠がありました。
エジンバラ大学のジョンソン博士は、自己の能力を誤って高く評価する人は、競合においてしばしば有利に働き、結果として集団の中で優位になっていくことを電算シュミレーションによって証明しました。
「僕の事業は絶対に失敗します!」とか言っている、自信のない社長が成功する可能性は低いのです。
人が何か挑戦する場合は、自分はできる!という根拠のない自信が必要です。
小説家の場合も、大勢の人に自分の物語を読んでもらうのは、かなり勇気がいるものです。
特にラノベの場合は、自分の性癖を暴露するようなものなので、自分はおもしろい!と自惚れているくらいでないと、挑戦できません。
執筆のモチベーションを上げるためにも、読者を引きつけるためにも、自分はおもしろい!と思っていた方が有利なのですね。