小説を書く上で大事なのは読者(自分も含む!)への「サービス精神」ラノベ作家、蛙田あめこさんに創作に関する18の質問

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  1. Q0:自己紹介をお願いいたします。
  2. Q1: 初めて小説に出会ったのはいつですか?
  3. Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
  4. Q3: 実力を高めるために最も役立ったトレーニング方法はなんでしょうか? その方法をどのようにして知りましたか?
  5. Q4: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
  6. Q5: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?初めてネットに投稿したのはいつですか?
  7. Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
  8. Q7: アマチュア時代に参考になった本はありますか? どなたか師匠や先生に教えてもらったりしましたか?
  9. Q8: 尊敬している作家さんはいますか?
  10. Q9: 小説を完結させるのはプロでも難しいと聞きます。どのようにして、この壁を乗り越えていますか?
  11. Q10: 小説家になる、あるいは続けていくためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?
  12. Q11: その能力を得るためにはどうすれば良いでしょうか?
  13. Q12: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
  14. Q13: どのような方法でプロットを作られていますか?
  15. Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?
  16. Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?
  17. Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
  18. Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
  19. Q18: 最後に、小説家を目指して頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?

Q0:自己紹介をお願いいたします。

蛙田あめこと申します。
2019年2月25日発売『女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました 』(オーバーラップノベルス)が、第5回オーバーラップWEB小説大賞で奨励賞をいただきまして、このたびデビューさせていただく運びとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。

Q1: 初めて小説に出会ったのはいつですか?

幼稚園のときに児童文庫を読んでいたのが出会いです。当時は『おおどろぼうホッツェンプロッツ』や『がんばりプンタ』、『ズッコケ3人組』とかがお気に入りでした。

Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?

幼稚園のときにスケッチ帳に書いていたものを除けば(笑)、はじめは好きな作品の二次創作小説を書いていました。たしか中学生くらいのときです。
オリジナル創作は24歳のときから。初めて書いた作品が運良くPixivさんの企画で賞をいただき、第1章が雑誌掲載になりました。それでいい気になったんですね(笑)

ただ「長編を書き上げること」の難しさにぶち当たり、その作品は結局完成までに3年近くかかってしまいました。

Q3: 実力を高めるために最も役立ったトレーニング方法はなんでしょうか? その方法をどのようにして知りましたか?

気に入った映画や漫画、小説を何度も何度も見返すクセがあるのですが、いま考えてみればこれが一番「物語の型」を知るのに役立ったと思います。

書くトレーニング、ということだと即興小説トレーニングというサイトは大好きでよくやっていました。15分でランダムに出題されるお題に沿った小説を書くという遊びです。

はじめは800文字くらいが精一杯でしたが、次第に1200字程度の掌編を書き上げることができるようになりました。とても楽しいのでおすすめです。

Q4: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?

とにかく「書きかけ」をたくさん作るようにしています。
各シーンの書き出しをちょっとずつ書いておくと、続きが書きたくなって筆が進みます。

あとは矛盾するようですが、書き出しの5行が上手く決まりさえすればあとは自動的に筆が進むような気がします(逆に書き出しが決まらないと苦しみますっ)。

Q5: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?初めてネットに投稿したのはいつですか?

オリジナル作品ですといまから2年前の夏です。あっけなく二次選考落選でした。ネット投稿は24歳のとき、オリジナル小説を書き始めたと同時に。

Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?

実際に一度諦めていました。前述のように初めての小説を書き上げることができず、また仕事が非常に忙しくなり3年くらい全く小説を書いていませんでした。

28歳になってはじめて、「あれっ。このまま小説を書かないでいると、どうやら作家にはなれないぞ?」と気付いたので(笑)、それからはとにかく小説を書くようになりました。

Q7: アマチュア時代に参考になった本はありますか? どなたか師匠や先生に教えてもらったりしましたか?

小説の書き方ハウツー本的なものは読んだことがありませんでした。

ただ、有名な「神話の法則」についてはジョーゼフ・キャンベルの『千顔をもつ英雄』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)で知り、意識していたかもしれません。

師匠であるライトノベル作家の鷹山誠一先生はじめ、同じく門下の先輩作家の、トラ子猫先生、岸馬きらく先生、他にも霜月緋色先生にはいつも刺激を受けています。

Q8: 尊敬している作家さんはいますか?

書き続けている作家さんは、プロアマ問わずどなたも素晴らしい尊敬するべき方たちだと思っています。書き続けることは本当に苦しいので。

あえておひとりだけ名前を挙げるとすれば、恩田陸先生は若い頃から非常に影響を受け続けています。

Q9: 小説を完結させるのはプロでも難しいと聞きます。どのようにして、この壁を乗り越えていますか?

はい、いつでも四苦八苦です(笑)
初めて書いた作品の完成に3年かかっているわけで、いまでも完結させることへの苦手意識は強いです。

ただ、とにかく完結させることを目指して書くことを心がけています。
最初の作品ではいきなり名作を書こう、という意気込みが完結を邪魔していたような気がします。

テクニカルなことだと、エピローグだけ先に書いてしまうのは自分に合っているようです。

Q10: 小説家になる、あるいは続けていくためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?

逆に教えていただきたいですね!?(笑)

たくさんの考え方や答えのある質問だと思いますが、ひとつは「サービス精神が旺盛」ということではないでしょうか。
プロ作家としてという視点に経てば、自分が書くものがエンタメとして読者のみなさんに、どんな「ワクワク」を提供できるのかということを意識することが大切なのだろうと思います。

Q11: その能力を得るためにはどうすれば良いでしょうか?

「考える癖」ではないかと思います。

たとえば「なろうテンプレ」と呼ばれているものをなんとなく馬鹿にするような風潮は存在しますが(笑)、「どんなサービス精神に基づいて作られたテンプレなのか」という視点で見て、考えると、色々な発見や気づきがあると思います。

自分が心がけていることだと、普段のおしゃべりでもなるべく「この人はどうしたら喜ぶんだろう」と考えながら過ごしています。

Q12: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?

会社勤めをしているので、「平日は30分でもいいので書く時間をとる」ことを心がけています。

休日はだいたい2時間くらいでしょうか。本当はもっと時間を取りたいところで、ここは現在の自分の課題でもあります。感覚としては平日2時間、休日5時間……が理想ですね。

Q13: どのような方法でプロットを作られていますか?

Evernoteというソフトに箇条書き、ベタ打ちです。
三幕構成や、起承転結+ミッドポイント(小説の真ん中で物語が大きく動くポイント)を意識したメモ書きです。
プロットを文章という形にするのは稀です。あとはアイディア出しの段階だとこういう組立図を使ったりもします。

Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?

読者(自分も含む!)への「サービス精神」です。

あとは、どんなに定番のシーンでも自分が「これは良くない定番だ」と思う言動はキャラクターにさせないように心がけています(たとえばスカートめくりとか、貧乳いじりとかはどんなに定番でも、あんまり好きじゃないです)。

Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?

「自分が書きたいこと・書けることを、売れる形にする」というのが大事なのだろうなと思います。

少なくとも自分は「売れるものを書こう」というモチベーションだけで器用にこなせるタイプではないですので、ほんとうに日々勉強です。

Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?

あえて挙げるなら、「素直だったこと」だと思います。

色々な方のアドバイスを、とにかく早くデビューしたいという気持ちで何でも取り入れました。投稿サイト「小説家になろう」様を経由してのデビューですが、2年前に一念発起したときには、いわゆるなろう系を自分が書くなんて思っていませんでした。

実は、「なろうで書いてみては」というのも師匠や仲間からのアドバイスでした。

Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?

アマチュア時代に作品を応援してくださっていた方たちが、自分以上にデビューを喜んでくれたことです。これからも長く作家でいるために努力し続けよう、と背筋が伸びました。

Q18: 最後に、小説家を目指して頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?

デビューしたての木っ端野郎なので恥ずかしいですね(笑)
ひとつだけ言えるとすれば、何かを始めるのに遅すぎるということはありません。一度諦めたことにもう一度チャレンジしてはいけないなんて決まりもありません。

素直さを保って、そして考えることを諦めずに書き続ければきっと道は開けると思います……たぶん。

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