小説の書き方講座。キャラクターはギャップで魅せる。○○なのに□□なキャラ

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劣等生なのに最強って、どういうことよ!?

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キャラクターの作り方。あり得ないギャップがキャラの魅力となる

例えば、500万部万部以上を売り上げた人気作『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(2008/8/ 刊行)のヒロイン、高坂桐乃は、美少女なのに妹物のエロゲーが大好きです。

この物語は、同じ家に住んでいるのにまともに会話をしない、といった現実的な兄妹関係を描いており、魔法などのファンタジー要素が一切ない、現実志向のラノベです。
ただ、一点、妹が「重度の妹萌えオタク」であることを除いては……

桐乃は、学校の人気者で、モデルもこなす美少女なのに、その圧倒的なオタク知識で、兄である主人公をドン引きさせます。

このあり得ないギャップが、彼女の魅力になっています。

同じ作者、伏見つかささんの大ヒット作『エロマンガ先生』(2013/12 刊行)のヒロイン紗霧は、12歳の美少女なのにエロい美少女イラストを描くのが得意な凄腕絵師で、エロマンガ先生と呼ばれています。

こちらも美少女なのに、エロい美少女イラストを描くのが好きな凄腕絵師というギャップがキャラの魅力になっています。

ラノベ編集者の伊藤さんによると、ヒットするキャラクター作りのコツとして、「○○なのに、□□なキャラ」というのがあるそうです。

簡単に言うと、相反する2つの属性を併せ持っている、ということです。

通常では有り得ないギャップが生まれるので、キャラの個性と印象が強くなります。また相反する属性が、トラブルを呼びこむ原因になるので、ストーリーを転がしやすくもなります。

例えば、累計発行部数920万部以上のヒット作『魔法科高校の劣等生』(2011年7月刊行)の主人公、司波達也は、劣等生クラスに所属しているのに実は異端の天才児です。

このようなキャラは、優等生や既存の権威者からは疎ましがられるし、否が応でも周りの注目を集めるので、トラブルを起こしやすくなります。

ストーリーとは要するに問題解決の過程なので、こういった騒動の中心にいつもいる人物こそ、主人公やヒロインに相応しいのです。

悪の属性にある人間が善を行う。あるいはその逆

時代小説には「江戸の街を騒がす大盗賊が寺の住職で、親を失った子供たちを養うために盗みを働いている」といったキャラクターが出てきます。

盗賊という悪い属性の人間が、良いことを行っています。

逆のパターンとして、漫画などでは「警察の幹部がその立場を利用し、犯罪組織やマフィアと手を組んで、悪いことをしてお金を儲けている」といったキャラクターが出てきます。

警察という善の属性の人間が、悪いことを行っています。

このように、

悪の属性にある人間が、善を行う。
善の属性にある人間が、悪を行う。

と、ギャップにより、そのキャラクターの人間性が際立ちます。

前者は、時代小説では義賊として主人公の仲間になって活躍したりします。
属性は悪なのに中身は善だと、善の部分が際立つわけです。

後者は、ラスボス級の悪として、主人公の前にたちはだかります。
属性は善なのに中身は悪だと、悪の部分が際立つわけです。

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