「ふつつかな悪女ではございますが」人気の秘密分析

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ストーリーを紹介しよう

黄家(こうけ)の雛女(ひめ)玲琳(れいりん)は、悪女・慧月(けいげつ)の手にかかり、互いの身体を入れ替えられてしまった。牢に入れられ、獣に食われる刑に処せられる玲琳だったが。病弱ゆえ常に“死”と隣り合わせで過ごしてきた彼女は、健康な身体を手に入れたことを喜んでしまい、持ち前の鋼メンタルで逆境を乗り越えていく。

キャラはこうこうこうだから良いのかなポイント

嫌われ者の悪女と身体を入れ替えられてしまい、獣と同じ檻に入れられるといった凄まじい逆境に主人公は落ちます。が、なんと、それまでずっと病弱で死と隣合わせだったために、健康な身体を手に入れたことを喜び、自分をそんな目に合わせた悪女、慧月に感謝してしまいます。

まず、この時点で、主人公のキャラが圧倒的に立ちます。

こんな調子で、他人からの嫌がらせが主人公にはまったく通じません。

キノコの生えた粗末な部屋を充てがわれても、これで思う存分に趣味に打ち込めると喜んでしまう始末。嫌がらせが通じずに、逆に主人公を利することになってしまうというのがすごいです。

「星間国家の悪徳領主」などとも共通しますが、敵からの嫌がらせが主人公を利することになってしまい、主人公が敵に感謝してしまうというのは強力なテンプレだと思います。

なぜかというと、無自覚無双と、主人公の善人性が出るためだと思います。
(敵の攻撃が通用しないというのが無双。敵の攻撃が主人公のプラスになる)

逆に、慧月は、誰からも愛される姫になれたと思って喜んだのもつかの間、病弱すぎる身体のために苦しむ羽目になります。

おそらくこれこそが進化型ざまぁ。ざまぁ対象の攻撃がすべて主人公のためになってしまう、ざまぁ対象は自分の敗北を思い知る。主人公は何もしなくても、ざまぁ対象が苦しむので、間接ざまぁになっています。

ストーリーの根幹にざまぁがうまく入っています。

かと思えば、主人公は自分の召使いに対する嫌がらせに対しては徹底的に怒って、やり返します。自分に対する嫌がらせには怒らないが、親しい人に対する嫌がらせには怒ることで、強烈な善人性が出ます。

他の妃などが、醜い足の引っ張り合いをしています。これはリアリティがあるのと同時に、相対的に主人公の善人性を強調することになっていると思います。

展開はこうこうこうだから良いのかなポイント

悪人を徹底的には苦しめず、和解ざまぁする展開です。

皇后の命を狙っていた妃と、皇后が和解する。玲琳は、悪女・慧月が和解する。といったように対立していた者たちが、最終的には和解します。
また、黒幕は島流しになりますが、ちゃんと和解する展開を入れているので、非常に後味が良いです。

和解ざまぁこそ最適解か?

玲琳と悪女・慧月は、今後もお互いのために、ときどき入れ替わるなど、お互いに良い関係を築いています。これは、慧月が十分に苦しみ、事件解決のために協力してくれたので、説得力が出ていると思います。

また、皇太子との恋愛もちゃんとしています。玲琳は、皇太子に対してあまり執着しているように見えないですが、皇太子が彼女にひどい仕打ちをしてしまったことを悔やみ、好き好きアピールしてくれるのが、快感ポイントになっていると思います。

皇太子は、ヒロインのことを好きだからこそ、ヒロインにひどいことをしてしまったという非常にうまい構成です。このため、最初の獣と同じ檻に入れられる展開のストレスが軽減されています。

ピンチが主人公ヨイショになっています。

また、主人公がピンチになっても、苦しまないというのが、ストレス緩和になっていると思います。主人公がどう感じるか?というのが意外と大事な気がします。

ピンチをピンチとして感じないのは、そもそも死と隣合わせの環境にいたからという説得力がすごい。おそらく、これがいないと、ただのサイコパスになってしまう恐れがあります。

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