女性に共感される物語のポイント!/新人賞下読みが回答

小間さんの質問2016/02/01

私事ではありますが、数々のご相談に応えていただいた結果、先日某小説投稿サイトの週刊ランキング上位に食い込むことが出来ました。まだまだ未熟ではありますが、ジジ様のお力添えがなくては出来なかったことと思っております。
まずはお礼申し上げます。

さて、タイトルの通り『共感』について深く突っ込みたくて質問させていただきました。

まずは例を挙げさせていただきます。とりあえず女子向けとさせていただきます。

・干物女、あるいはオタクなど、恋愛にご無沙汰で平凡で取り柄の無い女子。

これは読み手に対し、共感を抱かせやすい設定のテンプレートだと思います。
ところが、その逆で、例え主人公が可憐で愛されるお姫様であるとしても、心理描写がしっかりしていれば、その主人公の哀しみや嫉妬などに共感することもできます。

・主人公の置かれた立場の近しさで共感を呼ぶタイプの物語。
・心理描写の細やかさで共感を呼ぶタイプの物語。

女子向け小説だと前者がとても多い様に思いますが、その理由を教えて頂けませんでしょうか?
干物、オタクなどの奥手女子設定がとても多いのは、前者のほうが簡単に共感を呼べるからでしょうか?

また「アラサー女子」が仕事と恋愛に苦悩する話も、とても受けやすいように思います。
私もこの手の設定を使いましたが、意外にも読者の年齢層が広くて驚きました。
具体的に言うと、40代後半~20代前半の女性が読んでいた様子です。(彼女らの自己申告ではありますが)
てっきり、アラサー世代に対してピンポイントの設定だと思っていましたが、この年齢層の広さは何に起因するものでしょうか?
年代が高ければ昔を振り返り、若ければ来るべきアラサーに対して興味があるということでしょうか?

●下読みジジさんの回答

おつかれさまです。そしておめでとうございます。
結果とは、それを得るために思考し、行動した方にのみ与えられる冠です。次の目標もまた達成し、さらに大きな冠を得られますようお祈りいたしております。

・主人公の置かれた立場の近しさで共感を呼ぶタイプの物語。
・心理描写の細やかさで共感を呼ぶタイプの物語。

女子向け小説だと前者がとても多い様に思いますが、その理由を教えて頂けませんでしょうか?
干物、オタクなどの奥手女子設定がとても多いのは、前者のほうが簡単に共感を呼べるからでしょうか?

「主人公」よりも「主人公の置かれた環境や状況」を見ることで、自分を主人公に置き換えて物語に参加する。と、いう読みかたをされるのが女性読者であるものと私は考えています。

ある意味で「主人公=読者」ではなく、「主人公の置かれた環境/状況=読者の置かれた環境/状況」となるというか。

これは私の経験則になりますが、「こんな状況になったら、自分も同じように考える」、「この環境に放り込まれたら自分だってこうする」と納得できなければ、女性読者はいわゆる「共感」してくれないことが多いです。

これは、

また「アラサー女子」が仕事と恋愛に苦悩する話も、とても受けやすいように思います。

このあたりにも通じるものがあって、女性読者は年代に共感や興味があるわけではなく、「社会人としての苦労」、「社会人としての恋愛観」、「社会人としての理想」等、「社会」という環境の中で発生する状況に共感を得ているのでしょうね。

ここからは単なる私見になりますが……。
アラサーという年代は、ちょうど「仕事を続けるかどうかのターニングポイント」であり、「恋愛に結婚というリアルが影を落とすターニングポイント」になります。
そして学生時代の「好き」だけの恋愛では終わらない、プラス方向にもマイナス方向にも重みと深みを出せる年代でもあります。

実際、大人の恋愛小説というジャンルで投稿作を募ると、主人公の年代はほぼこのアラサーになります。
ラノベの主人公がほぼ中高生であるのと同様、大人の恋愛物語を語る主人公には「年齢ならではのリアル」が必要ということになるのかもしれません。

まとめるなら、大人の恋愛をリアルに見せてくれる主人公……そう認識されているのがアラサー女性で、読者は年代に関係なく、その主人公が置かれた「社会」という環境や状況に自分を当てはめて楽しんでいる。そうなるのではないかと思われます。