ラノベで泣かせる物語を書く際の注意点とは?/新人賞下読みが回答

風月さんの質問2015/04/12

電撃大賞に数本応募して次作の案を練っている最中です。
で、わたしは考えました。
今までは読後感がスカッとする物語りを中心に書いてきたから、次は涙を誘う号泣ものを書こうかな、と。

わたしが小説を書きはじめる動機となった要因のひとつに、『クラナド』のシナリオに触発された事実がありますので、そう考えた次第です。

さて、前置きが長くなりましたが質問です。
この「お涙ちょうだいもの」は、方向性として、ライトノベルでの受賞は難しいでしょうか?

どこかで、「泣かせたら勝ち」といった一文を目にした記憶があります。
それがライトノベルでも通用し、受賞するハードルが高くならないのであれば挑戦したいと思っていますが、どうでしょうか?

まあ正直いって、物語りの中身次第かな、という考えがわたしの中にはあるのですが、下読みを長年務めているジジ氏の率直な意見を頂ければと思います。

●下読みジジさんの答え

> 「お涙ちょうだいもの」は、方向性として、ライトノベルでの受賞は難しいでしょうか

十二分にありな題材です。
ただ、

> どこかで、「泣かせたら勝ち」といった一文を目にした記憶があります。
> それがライトノベルでも通用し、受賞するハードルが高くならないのであれば挑戦したいと思っていますが、どうでしょうか?

問題になるのはまさにここですね。
泣きのカタルシスやドラマシーというものは、そこへ至る過程が異能力バトルなどに比べて複雑化せざるをえません。

泣かせるためには「読者にキャラのために泣かせるだけの感情を抱かせるため、エピソードを多数積み重ねる必要がある」からです。

そして普通に考えれば、このエピソードは他キャラ(多くは主人公かヒロイン)とその泣きの原因となるキャラ(これは絶対に主人公かヒロインになります)との関係性や心情の移り変わりを描くものになります。

これがなかなか難しいところで、読者を泣かせるための過程というものは、先人によって猛烈に開拓されてしまっています。
ようは誰が書いてもワンパターンになりがち、ということですね。

異能力バトルなどは能力設定にひとネタあれば一応はオリジナリティとして成立する(と、評価される)場合が多いので、その点だけで言えば安心感の高いネタではあります。

ちなみに私が本業で「泣き」を書くときは、とにかく「泣かせるために殺さない」ことを念頭に置いて作ります。

以上のことから、ハードルは高いと言わざるをえませんが、「キャラ同士の振りとオチ」がハマれば名作と評される可能性の高いジャンルでもあります。
個人的にはぜひ挑戦していただきたいです。