うーん。根本的には世界観によってかわるだろ、とは思いますが。
そういう事でもないと思うので、自分の世界観を交えた個人的な意見をば。
『エルフは哺乳類ではあるが、それ以前の定義の問題として半生物(半神)である』と思います。
別の言葉で言うならば、カモノハシのような『とりあえず哺乳類』分類の生物ではないかと。
この場合の半神半生物の定義ですが、一つには単純に霊的生命体(神や幽霊が相当)に近似の生物的メカニズムを持つ存在と言うこと。
もう一つは『基本的には有機的生命体だが、神秘・魔術的な作用がないと生息が困難』という意味です。
例えばドラゴンなんかがそうですが、生物学的に考えると『強いパワーと飛行能力の両立』は極めて困難であると言えます。実際、そういう説を採用した作品では『ドラゴンは半ば魔法
で飛んでいるから余り羽ばたかない』みたいな描写があったりします。
同様に、エルフ族においても恐らく『代謝の軽減』や『魔力の栄養変換』等の理外の減少が働くのと同時に、『精霊に準ずるもの』としての何らかの霊格的存在補助が働くことで、長い寿命や高い魔法適性などを獲得しているのではないでしょうか。
また、いわゆる『魔力』を『世界に普遍に存在する特殊なエネルギー』と捉えるなら、霊的性質を強く持つ彼らは、恐らくはSFでいうところの『半ば培養液に浸かって健康を保ちやすくなっている状態』に相当するのだと思います。
そう考えると、種族的に極めて外的・内的疾患に強く、それに伴って細胞の代謝速度が極めて遅いのではないかと思います。
細胞の代謝というのは一面では『劣化したり以上を発した部位を新品に交換する』と言うことなので、『生物的にそもそも劣化しづらい』なら恐らくは代謝頻度が低下し、それに伴って同一個体内での細胞分裂による遺伝子劣化が起こりづらいので、結果的に寿命が延びるものと思われます。
また、この代謝速度の低下は恐らく体細胞分裂のみではなく生殖細胞分裂にも影響すると思われ、『エルフは子供ができにくい』という性質はこれが原因ではないかと。
同様に、エルフが大規模な街や都市ではなく森に住むとされる理由についてですが、恐らく先述の『魔力を生体機能の維持に利用する』性質上、一定以上の人口密度になると魔力が足りなくなって身体機能に異常をきたすため、本能的に『人口を増やさない』ようになり、『他に魔力を使う種族(=人間等)と同じ場所に住むことを避ける』ようになったたのではないかと思います。
エルフが弓を使うとされる理由もこれに端を発していて、恐らくは魔法に対する適正そのものは高いのですが、集団で狩りをする際に魔力を使い過ぎると結果的にエルフ自身の生命維持に利用している魔力が確保できなくなるため、『魔法以外の遠距離攻撃手段』として弓を使うことになったのではないでしょうか。
身体的特徴とされる尖った耳についてですが、恐らく『二足歩行の狩猟生物』としての進化の結果と思われます。
一般的にネコ科等の動物の耳が頭頂部から真上に尖った形状をとるのは『茂みに隠れた状態で音を聞くため』とされます。
ただ一方で、根本的に二足歩行生物であるエルフは茂みに隠れることが難しいですが、直立二足歩行は四足歩行と比べて『旋回性』と『道具を用いた遠距離攻撃能力』においてきわめて大きなアドバンテージを持ちます。
恐らく、エルフの横に尖った耳は、その優れた旋回性能と遠距離攻撃性能を前提に『横方向に広域に索敵することで、見つけた獲物への遠距離攻撃を前提とした狩猟を行う』ためのものではないでしょうか。
エルフのもう一つの特徴として『美形である』という点が挙げられます。これには大きく二つの理由があると考えられます。
一つは、先に上げた『神秘的身体機能の大体と細胞劣化の抑制』によって、シミやニキビ、毛穴の増大や発疹等ができづらい事です。
もう一つは、繁殖を頻繁に行わない結果として遺伝的交雑が起こりづらい事です。有名な雑学ですが、『多くの人間の顔をデータとして平均化した顔の画像を作ると美形に見える』という話があります。これは生物の本能として『自分と異なる遺伝子を持つ相手と交配し、遺伝的分散が行われた子孫を残そうとするため』だとも言われています。
先に論じたように、エルフは人間と比べて寿命が長く、子供を残す頻度も少ないので、確率論に則って考えると統計上の『外れ値』に相当する人物が発生しにくくなります。
つまり統計学上の理論に則れば、種族全体の特徴として『エルフは、人間における平均顔に近い顔になりやすい』と言うことが出来ます。
種族的に目立つ特徴を持つ顔が発生しづらい上に、ニキビや皺等の『瑕疵』とされやすいものが出来づらいので、結果として『美形が多い』とされるのだと考えられます。
総合すると、エルフというのはまず『生物学上は哺乳類、かつ霊長類である』と思います。
その上で、エルフはおそらく『生命維持のレベルで魔力・神秘に身体機能を一部代替させている』ため、『それに適合した結果として過度な魔力利用と人口密度を避けて生活している』ものと思います。
また、『一部生命活動を魔力で代替した結果として細胞の劣化が起こりづらい』ことにより、『長寿命化』を果たしましたが、一方で『細胞分裂の頻度が低下した結果子供ができ辛い』形質を獲得するに至ったと思われます。
生態学の理論的には、世代交代の早い種族ほど病気や環境への適応能力が高いとされますが、一方で種族全体が共通して持つ免疫機能や適応性が一定以上に達すると長寿命化が起こって世代交代が遅くなるとも言われています。
そう考えると恐らく、『魔力に適合した結果として、極めて一世代の生存能力が向上したが、繁殖能力が低下した』と言うことなので生態的には極めて妥当ではないかと思います。
追記。
なお、同様の理論に則ると、ドワーフやダークエルフは『エルフの近似種』として分類できると思います。
まずドワーフですが、低身長・ふとましい等の外見的性質は、恐らく森林ではなく洞窟や地下空間に適応した結果、筋肉が必要になったためと思われます。
エルフと比べると寿命が短いとされるのも、筋肉を鍛えるためにエルフより細胞分裂の頻度が高くなったためと考えられます。
もう一つの特徴であるアルコール耐性ですが、これは恐らく地下生活による日光の不足でビタミンDが不足し、結果的に生物的免疫機能が低下した結果、エルフ以上に『免疫・解毒機能を神秘に依存』するようになり、高い解毒機能を獲得するに至ったものと思われます。
ダークエルフについてですが、恐らく根本的に『身体機能を一定割合魔力に依存している』ために、魔力の性質が異なる地域では外見的特徴に魔力の影響が出るものと思われます。
寿命が短い、好戦的であるなどのキャラ設定がダークエルフによくみられるのもこの点に端を発していて、『魔力資源を奪い合う他種族がいる状況で生育する』ために寿命を短くしてでも生存競争能力=戦闘能力を上げる方向に進化したのでしょう。
そう考えると、ハーフリングという種族がいますが、あれは『エルフに対するダークエルフ』のような『ホワイトドワーフ』とでも呼ぶべき種族なのかもしれませんね。
以上、デタラメでした。