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非オタクコンテンツをバカにするオタクについての返信の返信

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非オタクコンテンツをバカにするオタクについての返信(元記事)

 皆さん、ご回答ありがとうございます。

 言葉足らずで意図が伝わらなかった方がいたようなので一応補足すると、私はそういうオタクを論破したいとも黙らせたいとも思っていません。「どうしても気になる」というのは、アニメ関連の情報に接していると否応なく視界に入ってきて鬱陶しい、程度の意味でした。
 これまでもそうしてきましたが、今後も「何か言うとるわい」で聞き流すことにします。

 あまくささんがコンテンツの状況について言及していたので、私も私見を述べておきます。

 日本の実写映画産業は衰退傾向どころか、ここ三十年くらいずっと低迷しています。ただ、件の配信者は明らかにアニメの実写化のような作品しか知らずに語っていたため、一般に広く知られなくとも、国際的に高く評価されている人物、作品が多くあることを示しました。

 名作、駄作のどちらかのみに注目して評価するのは誤りというのは同意です。
 ただ、同じような認知の歪みはアニメについても言えることで、「君の中は。」のような一般人にリーチするように作られた作品の成功をもってオタク向け作品まで世間に受け入れられたように錯覚しているオタクが結構いるな、というのが私の感覚です。
 今月、金曜ロードショーで「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が放送され、ネット上では大変盛り上がりましたが、放送してみれば、ジブリ、ディズニー、細田守作品など、ほとんどの一般向けアニメ作品が視聴率10%を超える中、特別編集版が6.7%、外伝が6.2%と低調でした。オタクやテレビ局の認識と異なり、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」ほどの作品であっても一般人は一般向けに作られていない作品は知らないし興味もなかった、つまり、あまくささんの言う「壁を突破するパワーを持ったコンテンツ」ではなかったということだと思います。「アニメが好き」と言った時に何を指しているかのオタクと一般人との乖離はまだまだ大きいかと。

 多少挑発的になってしまうかもしれませんが、日本のアニメはこのまま人気が高まっていけば、実写映画の現状に近付いていくと思っています。

 実写映画もかつてはオタクコンテンツ的性格の強いものでした。実写映画の現状は、オタクコンテンツとしての映画を愛する映画オタクが、映画を非オタクコンテンツに変質させようとする一般人に負けた結果です。オタクと一般人が戦えば、数で圧倒する一般人が必ず勝ちます。

 あえて作品名を挙げれば、アニメオタクから大変不評な実写版「かぐや様は告らせたい」は映画オタクからも大変不評です。でも、興行的には成功し続編まで作られました。では、誰が観たのかと言えば一般人つまり「大衆」です。大衆の嗜好は安易で陳腐で低級です(当然ですね。複雑でエッジが利いた高級なものを好んだら、それはもはや大衆ではない)。

 オタクコンテンツが一般に受け入れられるとは、正確には一般人がオタクからオタクコンテンツを取り上げて、自分達の嗜好に合うように変質させ、非オタクコンテンツとして大衆文化に取り込むことです。

 オタクコンテンツを世間に受け入れさせ、かつ、産業として成り立たせようとすれば、

オタクには鑑賞にたえない低質な一般向け作品を量産して収益を上げる陰で、オタクのような分かる人にだけ分かる良質な作品をひっそりと作る。

という形態に必ず向かいます。映画に限らず音楽でも出版でもこれまでそうなってきました。
 アニメオタクがどれだけ批判しようと、アニメ映画の声優に芸能人が起用されるのも同じ原理です。オタクの不興をかってでも一般人にリーチできた方が制作者にとっては得なのです。この流れを断固拒否するなら、世間からの嘲笑に甘んじる覚悟でオタクだけの狭いコミュニティーの中で楽しむしかありません。
 ちなみに、金曜ロードショーの視聴率でいえば、漫画の実写化の「今日から俺は!!劇場版」は11.2%で「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の1.7倍です。これが大衆の嗜好です。
(一応、言っておくと、私自身が多くの分野でその「大衆」の一人である自覚は当然あります)

 以上の理由から、「世間にアニメの価値を認めさせよう」「日本のアニメを世界に誇る一大コンテンツにしよう」とすれば、実写映画の現状にどんどん近付いていくと思います。
(私の身近にいるアニメオタクは最近のアニメブームを「オタクの楽園だったアニメを一般人が侵略してきた」と認識しています)

 実写映画界は、良質な作品を作るより「かぐや様は告らせたい」を作った方が儲かる、という誘惑に勝てませんでした。アニメ界が今後どうなるかは分かりませんが、個人的には「君の名は。」や「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のような、カップルが一緒に観られるような一般向けのおしゃれな感動路線にリソースが割かれていくのではないかと思っています。

非オタクコンテンツをバカにするオタクについての返信の返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 3

スレ主さんのご意見(No: 10)を拝読してみますと、最初のご質問は解決したも同然のようです。もしご自覚があれば、ですが。念のため申し上げれば、「大衆とかをバカにする行為が面白かったでしょ。それですよ、気になさっている行為の理由は」ということです。以下、少し説明してみます。

1.他人の評価を求めるスノッブ

極めて短い言葉で言えば「スノッブ」です。意味する範囲は割と広いですが、今の場合は「他者の高評価が欲しい」という面が大事でしょう。そのために「大衆」を蔑んだりしている。スレ主さんはご自身を多くの面で大衆と仰るものの、論を述べている領域では大衆を批判できると自認している。でなければ批判はできないですからね。自分も批判されるべき対象と思えば、反省の弁になる。

自分が欲しいものは、他人も欲しがると思うのは人情です。自分が他人から高評価されたいと思えばこそ、他人も周囲から認められたいと思うはずと考えてしまう。しかし人情は必ずしも的を射るわけではありません。高かろうが低かろうが、評価なんぞ余計なお世話という場合もあるのです。

2.オタクは他人の評価を求めていない

オタクって何だったでしょうか。辞書にも記載されるようになりましたね。最初は広辞苑でしたか。一つのことに深くのめり込んで、社会性はない、みたいな感じでした。オタクの項がある辞書は増えましたが、定義・意味解説今もそれほど変わってないようです。

社会性はないって何か。評価されようと思ってないんですよ、オタクは。自分が楽しめればそれでいい。サブカルではそれで問題は出にくいですが、メインカルチャーではそうもいかない模様です。メインカルチャーでのファンは「自分は好む分野についてかく理解しており、このように楽しんでいると説明できる」みたいなことが必要みたいです。

3.メインカルチャーの隠れた常識はサブカルの非常識

ですので、サブカルファンとしばしば話が合わない。自分などもよく「お前が楽しんでいるという、その作品の面白さを語ってみろ」と言われます。こちらとしては非常にバカバカしい。自分が楽しむにあたって、なぜ他人に説明なんか必要なのか。

そこは自分としては常識なんですけど、その常識が通じない。なんでも「説明できないなら楽しんでない」のだそうで。おまけに「お前がその作品が好きだとは認めてやらない」のだそうで。別に構いませんがね。読んでいる/見ている最中に邪魔さえしないんなら。大勢に「あいつはあれが好きと言っているが、嘘だ」と触れ回ってもらっても構いません。

彼らがそうした行動をとり、疑問も抱かないのは、どうやら「他者に評価されないと、自分が本物と思えない。楽しんでいると思っていても、浅いのだろう」というのが常識になってるみたいです。あまりにも常識過ぎて、その常識がいかなるものか考えられないし、そもそもその常識の存在を意識すらしてないようでもある。

4.サブカルのオタクは一人で楽しみたいだけ

でも、サブカルを好むファン/オタクには無関係なことです。自分一人が作品を面白がれれば、それでいい。好みが共通な人となら話もします。より面白くなるから。貶す外野は気にしません。それは歴史が証明してるでしょ。宮〇勤の同類とか言われても、少しもやめないとかが続いてるわけですんで。オタクという呼び方からして、外部から与えられた蔑称ですね。それも気にしてない。

かつ、外から見たら得手勝手。自分一人が楽しめればいいんだから、そう見えるのも無理はない。人の楽しみを奪うわけではないから迷惑はかけてないけど、薄気味は悪いんでしょうね。ともかく、得手勝手、自分一人さえ、という点が大事です。

5.オタクコンテンツなるものは無い

オタクという抽象化された、同質の集団ではないんですよ。ですので、オタクコンテンツというものも存在しない。少なくとも「オタクコンテンツとはこういうものである」という説明は不可能です。各々が何を好きかなんて定義できないし、十人十色ですから一定の方向性も見いだせない。

結果論としてはオタクコンテンツはあります。オタクと見える人々が群がっていたら、それがオタクコンテンツ。しかし、オタクコンテンツとなる作品の出現は予測できない。ジャンルなら、まああるといえます。ラノベ系でいえば、異世界転移・転生ものには、比較的オタクと呼ばれる人々が群がりやすい。

しかし、ちょっと前の流行は現代学園異能バトルものだったりする。魔王と勇者フォーマットが人気だったこともある。コロコロ変わるんです。共通点はたった1つ、「面白がられる作品が出る」ということ。すると類似作が続いてジャンルを成します。そのジャンルが廃れないうちは、ジャンル内にオタクと思しき人がうようよいたりする。

ですが、そのオタクが一斉に同じ方向を向いたりはしない。ジャンルが廃れたり、別のジャンルが栄え出したら、各オタクは思い思いの方向へ流れていきます。繰り返しですが、なぜなら他者の評価を求めてないから。誰かが「これはいい」と言ったものに群がるんじゃなく、自分が「これはいい」と思ったものに群がるからです。

ですので、「これがオタクコンテンツである」として、「こういうものがオタクに受ける」とかやらかすと、まず間違いなく失敗します。クリエイターが「自分はこれが面白いと思う」というものを作れば、オタクが群がる可能性はあります。過去からずっとそうです。

6.過去事例:アニメブーム発端の宇宙戦艦ヤマト

例えば今のアニメブームの走りって、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」が起こしました。初回放映では見向きもされず、しかし再放送でなぜか火が付いた。人気の広まりと高まりも急速で、設定資料のコピーなどの関連グッズが飛ぶように売れたのも前例がありません。アニメ雑誌創刊にもつながりました。他の既存アニメ作品の掘り起こしも行われるようになりました。

自らアニメ制作するアマチュアも現れました。たいてい、自分の好きなキャラばかり描いて動かすばかりだったので、グループ化しては潰れるのが通例だったそう。当時はオタクという言葉がなかったんですが、オタクでしょうね。楽しみには自分勝手ですから。

7.芸術という方向性に走って破綻

そのうち、変な動きが現れます。アニメやコミックも芸術だと言い出す一群の人々現れ、かなりの力を持っちゃった。ある少年向けコミック誌が創刊され、大御所の有名作続編とか、新人の奇妙な作品とか掲載されてました。それらを「芸術だ、素晴らしい」と褒めて読むことが半ば強制されるようになります。

一時はそんな無理が通せても、長続きするはずはありません。ターゲット層が自分一人さえ楽しめればいいオタクなんですから。そもそもターゲット層すら成してない。各々、好むものが違うんですから。「素晴らしいアート」で括って、同じ方向向かせられるわけがない。楽しみに自分勝手なのがオタクですから、芸術と褒めないんならファンと認めてやらない、と脅したって通じるわけがない。

8.オタクはある個人の部分的にして一時的な現象

上記の状況って、今とあまり変わりません。依然として得手勝手で多種多様です。なぜか。オタクという性質を持つ一群の人々がいるわけじゃないからです。オタクって、スレ主さんが言う「一般人」とか「大衆」の個々人における一側面でしかないから。人格、性格といったことはもとより、時間的にもです。ある人は、あるときあるものについてオタクであり、別のときにはオタク性皆無になります。

だから、スレ主さんの分析めいたものはおかしなものになっています。一般人と対置されるオタクなんていませんし、大衆と比較されるオタクもいませんから。個々人の一側面にして一時の現象ですから。ありもしないものを、あるかのように考えたら、どう論じたっておかしな結論しか出てきません。例えるなら、「風が何かを知ろうして、風を袋に詰めてから中身を調べる」みたいな行為です。

9.気になったのはオタクではなくスノッブ

もうオタクがどうこうに拘るのをやめたほうがいいでしょう。スレ主さんが気になったのはオタクではありません。スノッブと呼ばれる人です。スレ主さんが自らトレースしてしまってますので、どうしてこの質問をし、大衆批判等をやったのか、内省してみれば自ずと答えは出るでしょう。

カテゴリー : その他 スレッド: 非オタクコンテンツをバカにするオタクについて

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