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視点移動について(元記事)

出オチというのは普通は「登場した瞬間にいきなり面白い」という意味で、「登場した瞬間だけ面白くて後が続かない」と否定的に使われることもある言葉。
そう思っていたのですが、他に意味があるのでしょうか?

それはそれとして、視点移動について。
うっぴーさんのツイートの1・3は、視点移動について昔から言われているわりと基本的な見解です。このへん強調されすぎているきらいがありますが、視点移動が絶対にNGということはもちろんなく、「安易な視点移動を多用するのは不利な場合が多い」というくらいのことです。

簡単に説明すると、

A)アニメなどと違い小説には視覚情報がないので、視点移動と場面移動は読者にわかりにくい(傾向がある)。

B)視点移動は読書の自然な流れを止めるので、読者の没入感がリセットされてしまうおそれがある。

という問題点が、まずあります。うっぴーさんのツイートでは、

◎3・上級者は主人公に視点を固定した状態で、物語を紡ぐ力がある。初心者はこれができないので、視点移動に逃げる

と述べられています。初心者は技術不足から安易に逃げている場合が多いので、それはやらない方が良いという戒めかと思います。

とは言え、視点移動には上記のようなデメリットがある一方で、メリットもないわけではありません。

うっぴ-さんツイートの2。

◎2・上級者は視点移動を、ざまぁ、主人公ヨイショに効果的な場合のみに使う

これは、「読者と主人公の認識にわざとギャップを作る」というテクニックについて述べていて重要です。

単なる情報開示も主人公の知らないことを読者に伝えようとしているので「ギャップ」には違いありませんが、それは作者都合でやむを得ずに生じてしまうギャップです。
それに対して2は意図的・積極的にギャップを作るということで、これも昔から上級者は知っていたテクニックではあります。「ざまぁ特化」的に協調している点が新しいかもしれませんが。

ギャップというのは、主人公が知らないことを読者は知っているという状態を作ることです。これは多くの場合、エンタメでは望ましくない状態です。
なぜかと言うと、主人公と認識が一致している方が読者は共感しやすく、一体感や感情移入を引き出しやすいからです。
にもかかわらずわざとギャップを作るのは、「読者に驚きを与える」「読者をやきもきさせる」という明確な演出意図がある場合です。

「ざまぁ」で言えば、ざまぁ対象キャラが主人公を軽視しているのを見せることによって読者をイライラさせ、意外なキャラが主人公を高く評価しているのを見せることによって読者に驚きを与えるとともに、主人公に託した承認欲求を満足させているのです。
また、昔からよくある典型的な手法として、ヒロインがピンチに陥っているのを主人公が知らないというパターンがあります。読者はヒロインの身を案じてハラハラし、主人公に対して「早く気付いて助けてやってくれっ」という願望をつのらせます。そこで主人公が気付いて行動を起こせば「よっしゃ~!」となるわけです。

視点移動には上記A・Bのデメリットは多かれ少なかれつきまといます。それは多くの場合わかりにくさの問題なので上手く書けばよいだけではあるのですが、これといった効果を狙っているわけでないのなら最初から視点移動そのものを避けておく方が賢明ということ。それが「安易な視点移動を多用するな」ということです。

一方、視点移動することによって読者の心理を誘導するなど、明確にプロット上、演出上の意図があるのなら、積極的にチャレンジしても良いと思います。

視点移動についての返信

スレ主 ドラコン 投稿日時: : 1

 >あまくささん

 ドラコンです。ご意見ありがとうございます。

 >出オチというのは普通は「登場した瞬間にいきなり面白い」という意味で、「登場した瞬間だけ面白くて後が続かない」と否定的に使われることもある言葉。
 >そう思っていたのですが、他に意味があるのでしょうか?

 あまくささんのこのご見解に近いです。ですがそれに加え、拙質問では、「出オチ」とは「最初に結論(オチ)を書いてしまうと、登場した瞬間もつまらないし、その後を読む意味がなくなるのでは?」です。

 >単なる情報開示も主人公の知らないことを読者に伝えようとしているので「ギャップ」には違いありませんが、それは作者都合でやむを得ずに生じてしまうギャップです。

 拙作での視点移動は、まさにこれです。No.13の投稿で例示したこの場面が、特にそれです。

「・幽霊に朝食を盗み食いされた銀鈴たち(追記・投獄されたのは銀鈴と侍女2人)は、庭掃除の労役中、イチジクを盗み食いした咎により、懲罰房送りとなる。この懲罰房で、銀鈴は幽霊に取り付かれる。このとき、牢獄を監視している術師から、皇帝宛に幽霊出現(確定若しくは、6割~7割の可能性)の報告の場面」

 銀鈴(主人公)が幽霊に取り付かれるのは、『ドラえもん』でいえば、のび太が捨て犬を拾ってくるようなものです。のび太はママに、拾ってきた犬を、見付からないようにしますよね。でも、冷蔵庫の食料の減りが速いことで、ママは怪しみ、のび太の部屋の押し入れを開けてみると、捨て犬を見付ける、との展開になります。

 これを上記拙作の場面に当てはめてみると、次のような感じになります。

 1、銀鈴が幽霊に取り付かれる(のび太が犬を拾う)。
 2、幽霊の存在を皇帝側(のび太のママ)に知られると、退治(追い出される)かもしれないので、存在を隠そうとする。
 3、牢屋に閉じ込められている銀鈴(のび太)は、冷蔵庫をあさりに行くわけにはいかない。幽霊は食事をしなくても大丈夫だとは思うが、銀鈴たちも「自分たちだけが食べるのは気づまり」。
 4、皇帝側も、幽霊が「悪霊なら退治」する。だが、そうでなければ放任して良いとの認識。銀鈴たちが幽霊と仲良くやっているなら、1人分食事・食器を余分に差し入れようとする(食事は大皿なので3人分が4人分になっても目立たない。食器は「銀鈴がそそっかしいから割ったときの予備」)。

 >一方、視点移動することによって読者の心理を誘導するなど、明確にプロット上、演出上の意図があるのなら、積極的にチャレンジしても良いと思います。

 上記の例は、「演出上の意図」になるのでしょうか。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 出オチは是か? 非か?

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