例えばカリオストロの城
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新人賞応募の際の序盤の展開についての返信の返信(元記事)
仕事から帰ってきたら、賑やかになっていましたね。
一応、補足として、
>>二つ目、このプロローグの完成度はどの程度か?(情報量が少ないですので、面白いか否か、ニュアンスで結構です)
>この設定であれば、物語の前半で主人公とヒロインが深刻に対立するのは必須ですね。それは、良い点だと思います。ドラマを作りやすそうです。
こう考えた理由だけ説明しておきます。レスはお気遣いなく。
私見ですが、物語はプロットと演出で作るものだと考えているんですね。
で、斬新なアイデアや閃き、作品の諸々の魅力は「演出」の領分なんじゃないかと。
それに対して「プロット」は斬新である必要はありません。プロットはあくまでも骨組み。手堅くしっかりしていることを目指すべきです。
御作の主人公とヒロインの関係性が良いと思ったのは、ほっておいても衝突しそうな形が作れていたからです。別に目新しい設定ではないことは他の方の仰っているとおりですが、キャラを動かしやすそうな土台にはなっていると感じました。
そうした基礎部分を作った上で、実際にキャラをどう動かすか頭をひねる段階で、斬新なアイデアなりウリを考えればいいのですよ。この部分の創意工夫はもうプロットではなく、演出の領域です。
例えばカリオストロの城
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 1
具体例で説明するなら、例えば『カリオストロの城』。
あれを名作にしているのは、随所に散りばめられた粋な演出だと思うんですね。
ルパンが囚われたクラリスを慰め、必ず助け出すと約束し、そのあと小さな万国旗の手品で笑わせて「今は、これで精一杯」という例のシーンとか。
ラストシーンの銭形警部の有名なセリフ。「いいや、あの男は大変なものを盗んでいきました。あなたの心です」
根底にあるのはクラリスとルパンの分かりやすい関係性です。犯罪者だから、無垢で純真なクラリスを連れていくわけにはいかず、身を引くという。それがあの作品の基本的なコンセプトなのだと思うけれど、こう書くと、いかにも陳腐でありきたりに聞こえるでしょう?
それを数々の洒落た演出で巧みに仕上げているからあの作品は名作になったのだと思いますが、土台は「憎めない犯罪者が、無垢な少女を守って身を引く」というシンプルで誰でも思いつきそうな……そして普遍性のある骨組み。いわば、テンプレのきわみです。ここがしっかりしていないと、演出が活きないんです。
カテゴリー : ストーリー スレッド: 新人賞応募の際の序盤の展開について