正しいあらすじの書き方とは?/新人賞下読みが回答

2015/07/12(日曜日) 14:07:15 あまくささんの質問

叙述トリック作品のあらすじの書き方とは?を質問させていただいたあまくさです。

私自身は叙述トリックを根幹にした作品はめったに書かないのですが、過去にラ研に投稿した作品の中に一つだけあったのを思い出しました。

そこで、その作品をあらすじにする場合どうなるのか、考えてみました。
その作品では「赤毛」という属性を利用して、わざとキャラの名前を省いて「赤毛の若者は○○をした」という感じに書くことで人物を誤認させる狙いでした。

これをあらすじにする場合、そのパートでは素直に本編の記述と同様に「赤毛の若者は」と書き、開示ポイントで「実はその若者は××だった」と書けば、わりあいスッキリ伝えられそうだなと思ったんですね。

ただ、そう書くと、あらすじの中にもミスリードの要素を含んでいしまっていることになります。別にあらすじを読む人をミスリードで驚かせるという演出意図はなく、単にミスリードを含む作品の構造を説明するための最適と思われる書き方という範疇の話ではあるのですが、こういう書き方は大丈夫でしょうか?

●下読みジジさんの回答

これは問題ないかと思います。

展開が時系列で審査側に伝わり、謎が読者に開示されるところでそれを端的に説明できているのが正しいあらすじですので。

●あまくささんの返信

回答、ありがとうございます。
この書き方はOKということで、個人的には納得しました。

まあ、あらすじにPRの要素を含んでも意味はないということですね。

ちょっと思ったのは、叙述トリックはストーリー展開(あらすじ)ではなく記述の仕方にトリックを含むというメタな手法なので、あらすじに纏めるのが難しいケースがあるかもしれないな、ということでした。作者の思惑が、物語の軸そのものになってしまっている作品ということです。

ただ叙述トリックを巧みに使った作品として私が一番に思い出すのは、ウィリアム・ゴールドマンの『マラソンマン』なんですね。

あの作品、叙述トリックの部分がなかなか衝撃的で印象に残っているのですが、全体としては良くできたエンタメ・サスペンス小説の中盤のドンデン返しにそれが使われていて、作品の見どころの一つという感じでした。

それ一つでも十分ウリになりそうな仕掛けを、いくつもある見どころの一つに使っているというなんとも贅沢な傑作。ああいうのが好きなので、叙述トリックを前面に出して勝負しようという凝った作風に手を出すつもりはそれほどありません。
そういうタイプの書き手ではなかった幸せを満喫することにします(笑