2015/04/11ケスウ・ユジン・ヘイテさんの質問
個人的な雑感ですが、下読みの方は速読が出来ないと、務まらないという印象があります。ジジさんは速読した場合、プロのライトノベル一冊を読了するのに、どれ位の時間がかかるのですか?
恥ずかしい事に私は遅読でして、文庫本で300ページ位のライトノベルなら、まず3・4時間はかけてしまうと思います。
下読みの方やプロ作家なら、仕事に支障が出てしまいそうですが、幸か不幸か私は素人なので、マイペースに楽しめています。
くだらない質問かもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
●下読みジジさんの回答
これについてはよく訊かれるのですが、概ね1時間が基準ですね。
そしてもちろん、この速度は作品の質によって変わります。
『のうりん』(2013/9/12刊行)のようにさらりと読ませる作品なら40分ほどで読みますし、支倉凍砂氏の『WORLD END ECONOMICA』(2014/12/10刊行)は高密度なので、脳内で噛み砕く時間を含めて3時間ほどかかりました。
ただ、書くこともそうなのですが、基本的に「速さ」は考えなくてよいかと思います。
脳のどの回路を通して理解/楽しみ/アウトプットするのかは、その人によります。読むことや書くことに時間がかかるというのは、それだけ多くの行程を経ているからなのではないかと思うのです。
なにが言いたいかと言えば、ていねいに行程を経ることでしか生まれないものもあるはず。ということですね。
速さとは、ある意味で他のなにかを犠牲にしていることが多いですので。
なんにせよ、仕事になれば慣れと思考回路のマニュアル化により、作業(読むのも書くのも)は速くなります。
パソコンやスマホの操作が速くなるのと同じようにです。
ただ、マニュアル化は経験則をベースにするので、そのパターン化された作業工程に組み込まれない、柔軟な思考を阻害する危険性もあります。
だからこそ、アイデアの練りは時間をかけて慎重に。いざ作業となったら迷わず一気に……というやり方を心がけるのがよいかと思っています。