作家にとって最も大切なのは「根拠のない自信」
プロ作家になった人は、素人だった時、プロの小説を読んで「自分のほうがおもしろい物を書けそうだ!」と思ったそうです。(実際に10人くらいに話しを聞きました)
実は歌手でも同じで、プロの歌を聞いて「自分の方が歌唱力がイケている!」と思った人がプロになるそうです。
漫画家漫画『バクマン。』によると才能がなくても成功する漫画家の条件は
- うぬぼれ
- 努力
- 運
だそうです。
人間は勘違いでも良いので、自分はできる!才能があると思い込むと、その分野に強くなります。
逆に自分は大したことがない人間だと思い込むと、努力しても無意味と考えて、本当に大したことない人間になってしまうことが心理学的にわかっています。
自己卑下するくらいなら、自分は天才だ!と思い込んだ方が100倍良いのです!
ラノベ新人賞で三次選考まで行った人

本屋さんに並んでいる作品を見ると、自分がこの中に入って行って勝負できるか不安になります
ベテラン作家さん

俺の方がおもしろいぜ!くらいに自信満々に思っている方が良いよ
私が主催した小説勉強会で、実際にあったやりとりです。
ベテラン作家さんによると、自分の小説をつまらないと思って書くと100%おもしろくない作品になるそうです。
逆に、俺の小説は超サイコー! おもしれー! 俺って天才! と思って書くと、誰かからおもしろいと言ってもらえるそうです。
作家にとって大切なのは「根拠のない自信」。自分はできる!という思いです。
「才能がない!」という言葉には何の根拠もない。
ウォルト・ディズニーは、高校と美術学校を退学した後、新聞社で漫画を描く仕事をしますが「想像力が欠けるキミには、漫画の才能はない!」とクビになります。
天下のディズニーが、想像力が欠けるなどと否定されていたとは驚きですね。
20世紀初頭、モンゴメリは小説を書き上げ、いくつかの出版社に持ち込みましたが、すべて断られました。
黒歴史として原稿を物置に封印したけれど、数年後に読み返して「やっぱり、私の小説はおもしろい!」と感じ、再度、出版社にアタック。
世界的大ベストセラー「赤毛のアン」が生まれました。
このように出版社の人間でも、作家の才能を見誤ることがあります。
「あなたには才能がない!」という言葉には何の根拠もないのです。
「たとえ100人の専門家が『あなたには才能がない』と言ったとしても、その人たち全員が間違っているかもしれないじゃないですか」
by女優マリリン・モンロー
最初うまくいかないからといって、才能がないとは限らない。

天才とは最初から傑作が作れる人だという思い込みがありますが、これは間違いです。
ノーベル文学賞を受賞した小説家でもあるイギリスの首相チャーチルは、小学校の成績は最下位。もちろん、国語の成績もダメダメだったそうです。
「せめて文章くらいは書けるようになれ!」
と国語の授業ばかり受けさせられ、そこで文章力が鍛えられたことで、後にノーベル文学賞を受賞しています。
漫画家の細川貂々さんは、高校時代は漫画研究会の友達から「漫画の才能がない」と言われ、デビュー作は人気投票で最下位。
そこで編集者から「短編漫画を描いたら?」と言われて短編を描き始め、他の漫画家から「エッセイ漫画が向いているかも」と言われ、これを描いたところ『ツレうつ』で大ヒットしました。
このように偉大な作家、ヒット漫画家も、最初は、文章が苦手だったり、人気が最下位だったりしているのです。
最初うまくいかないからといって、才能がないとは限らないのですね。
「みんな自分の才能を疑いすぎるのです。自分を疑っていは最善は尽くせません。自分が信じなかったら、誰が自分を信じるのでしょうか?」
byマイケル・ジャクソン
失敗は当たり前!1勝14敗でOK!
「我々の世界は大相撲と違って1勝14敗でもやっていける。肝心なのは1勝できるかどうかだ」
by任天堂の3代目社長、山内 溥
これはポケモン、マリオを生み出した日本を代表するゲームメーカーである任天堂の社長、山内 溥さんの言葉です。
日本最高のクリエーター集団でも1勝14敗が当たり前だそうです。
私がお会いした「小説家になろう」出身の大人気作家さんは、どんなに流行とテンプレを研究し、これはイケる!と自信を持って書いた小説でも、実際に書籍化されるは3本に1つだとおっしゃっていました。
うまくいかなと、自分は才能がないのじゃないか?と不安になりますが、実は天才でも失敗するのが当たり前なのです。
才能がある人は、14回負けても、次のチャレンジができる人なのです。
アンパンマンの作者やなせたかしさんは、漫画家の西原理恵子との対談の中で、次のように述べています。
僕は漫画がずーっと売れなくてね。「アンパンマン」も50歳過ぎてからですから。それでも、ずっと書いていました。家に閉じこもって、何の目的もなく書いていた。ダメになる人を見ていると、書いていない。書かずに理屈ばかり言っている。
売れなくても時間があれば、そのぶん書けるじゃない。だから「仕事が来たら書く」というのはダメなんだ。来なくても書いていなきゃ。byアンパンマンの作者やなせたかしさん
引用・毎日かあさん 3 背脂編 西原 理恵子/著 2006年4月刊行

小説家にとって最も大切なのは書き続けること。書き続けるのに必要なのは、楽しむことです。
褒めてくれる人がいると才能が開花する!
「根拠のない自信」を持つのが難しい場合は、褒めてくれる人がいると強いです。
文豪・夏目漱石は芥川龍之介ら、たくさんの有名な作家を育てていますが、そのコツは弟子を褒めまくることでした。
自分には才能がある!とみんな勘違いしてがんばるので、実際にスゴイ小説家になってしまう人が続出しました。
世界的大ベストセラーである『ハリー・ポッター』は、12社から出版を断られたそうです。
作者のj・k・ローリングさんは、貧困状態になってうつ病をわずらい、生活保護を受けながら、この小説を書き続けました。
心の支えとなったのは、妹さんが、いつもおもしろと絶賛してくれたからだそうです。
直木賞作家の山本一力さんは、デビュー前、事業に失敗し、2億円以上もの借金を背負います。
借金を返すために小説を書こうと思いたち、周囲が呆れる中、小説を書き続けて、7年後に直木賞を受賞しました。
奥さんはこの無茶な挑戦に対して、「あなたならできる!」と励まし続けたそうです。
実際に作家を志してプロになった人に話を聞くと、成功の理由は「兄弟から小説を褒められたから」「作品を褒めてくれる人がそばにいたから」と答える人が何人かいました。
可能であれば、欠点を批判するだけでなく、あなたの長所を褒めてくれる人がいるコミュニテイに所属すると良いでしょう。
私が主催する小説オンラインサロン「エンタメノベルラボ」では、このことから、小説の批評をする場合は、必ず長所も指摘するようにしています。作者の心を折るだけの批評は、作者のためにならないからです。


逆に他人の欠点を批判してばかりいる人からは早めに逃げましょう。
あなたのモチベーションが落ちるだけです。
批判とは賞賛の裏返し!批判への対処法
「不当な非難は、しばしば偽装された賛辞であることを忘れてはならない」
byデール・カーネギー
小説を書いて発表していれば、アンチから叩かれたり、批判されたりすることがあります。
見知らぬ人から悪意をぶつけられれば、作品を発表するのが怖くなったり、自信を失って、創作意欲が殺されてしまうこともあるでしょう。
しかし、実は、人気があるから、目立つから、嫉妬のために批判されることも多いのです。
アンチがつくほど、人気者になったと前向きに捉えましょう!
それでも気持ちが収まらない時は、
「もっと人気になって悔しがらせてやる!」と怒りましょう。
実は飛行機が飛ぶコトができるのは、逆風という強い向かい風があるからです。
その逆風がなければ、飛行機は飛び立つこともできません。
あなたをバカにする人は、夢に向かって飛び立つための逆風であり、怒りという燃料を供給してくれる味方だと考えましょう。
メンタリストのDAIGOは、その著書で「悔しいからがんばる」といった怒りのエネルギーは、目標達成や問題解決の原動力になると述べています。
それが集中力を高め、難しいと感じていた課題や高いハードルをクリアする助けとなるのです。
怒りを感じるのは良いことなのですね。
アンチは、夢を実現するための怒り燃料を供給してくれる味方と考え、その怒りをすべて創作のエネルギーに変えましょう。
アンチは逆風、ファンは追い風。どちらもあなたが夢に向かって飛ぶために必要な原動力になってくれます!
やっぱりネットでボロカスに言われると、腹立つじゃない?
悔しくなるだろうし、ことによるとやる気もなくなりそう。腹が立ったなら、新作で殴り倒せばいい。
悔しかったら、新作で驚かせればいい。引用・「労働者のための漫画の描き方教室」