作家デビューした人が一発屋で終わる原因の一つは、次に書く小説も必ず書籍化されなくてはならない、というプレッシャーがあるからです
アメリカで行われた実験によると「人は成果を求める欲求が強まると、失敗を恐れて創造性が減る傾向にある」ことがわかっています。
結果にこだわりすぎると、楽しくなくなり、楽しくないから、結果がでなくなるという悪循環になります。
完璧主義は作家の敵です。
小説を書くのがツラくなったら、楽しく書くという初心に戻ってください。
ラノベ作家・黒九いなさんは、プロになれた理由を『小説を書くことを続けた』のが最大の要因だと語っています。
続けるコツは小説を書くことを楽しむことです。
小説家にとって最も大切なのは書き続けること。書き続けるのに必要なのは、楽しむことです。
今日は小説を書きたくないを防ぐ5つのコツ
なんとなく今日は小説を書きたくないという状態が続くと、挫折することになります。それを防ぐための5つのコツです。
- 一日一行書くことを目標にする
- セリフの途中など執筆をキリの悪いところで中断する(ツァイガルニク効果)
- 小説を書く際に特定の音楽をかける(脳の条件付け)
- たまにはファミレスで執筆する
- 書きたいシーンから書いてつなぎ合わせる
一日一行書くことを目標にする
東大教授である池谷裕二さんは、その著書の中で「何事も始めたら半分は終了」と述べています。
例えば、人が寝るのは眠くなるからではなく、「寝室に入って灯りを消して布団を被るから」睡魔がやってくるのです。
「やる気」も同様で、作業を開始するから気分が乗ってきて、物事を成し遂げられます。
小説の場合も、PCの電源を入れ、机に座り、最初の一行を書くことで、脳が執筆モードに入って、どんどん文章を書くことができます。
この最初の一行を書くまでが、とにかく大変なので、毎日の目標は「一行だけ書くこと」に設定しておくと良いのですね。
気づいたら3000文字以上書けていたりします。
セリフの途中など執筆をキリの悪いところで中断する
あるテレビ番組で、受験に成功した大学生に彼らの勉強法を聞いてみたところ、多くの人が、勉強をやめるときは、問題集の途中などキリの悪い中途半端なところでやめていたことがわかりました。
こうすることで、続きが気になってしまうので、ごく自然にまた勉強を再開することができるのです。
小説の場合も、執筆をセリフの途中など、あえてキリの悪いところで中断することで、続きが書きたくて、たまらなくなります!
これはツァイガルニク効果と呼ばれ、実際にプロの作家さんの中にも、このやり方をしている人がいます。
実は、キリのいいところで作業を中断すると、そこで集中力がプッツリ切れてしまいがちなことが、脳科学の研究でわかっています。
ラノベ作家・小鈴危一さんへの質問。
「 執筆のモチベーションを保つために、どのような工夫をされていますか?」
小手先の技術としては、常に中途半端なところで筆を置くというのがあります。
そうすると次の日などに作業を再開する際スムーズに始められます。ただ、私はわかっていてもキリの良いところまで書いてしまうことが多いです(笑)
小説を書く際に特定の音楽をかける(脳の条件付け)
作家さんの中には、小説を書く前に、特定の音楽をかける人がいます。
特定の音楽を聞くことで、今から小説を書かねば!と脳にスイッチが入るように条件付けするためです。
他にも、○時から毎日執筆するようにすると、○時になると自然と執筆しなくてはいけない気持ちになるので、オススメです。
書きたいシーンから書いてつなぎ合わせる
書きたいシーンから書いちゃえ!
小説は冒頭から順番に書く必要はなく、書きたいシーンから書いてしまってOKです。
世界で5億部売れた超ヒット作『ハリー・ポッター』の作者J・K・ローリングは、全7巻として構成したこの小説の第7巻の最終章から書き始めたそうです。
このように、もっともテンションが上がるクライマックスから書き始める作家さんはとても多いです。
なんとなく次のシーンが書きたくないなと感じたら、そこは飛ばして書きたいシーンから書いてしまい、その後、シーン同士をつなぎ合わせるというパズル的なやり方で、完成させても良いのです。
あなたが楽しく書けるやり方をすればよいのですね。
ファミレスで小説を書く5つの利点
ファミレスで小説を書いているプロ作家さんは多いです。以下のような利点があります。
- 誰かに邪魔されない環境である
- 人間は適度な雑音があった方が集中力が上がる
- 一人で入った場合、小説を書くこと以外、特にやることがない!
- お金を払ったのだから、その分、がんばらねば!という気持ちになる
- 場所を変えることで気分転換になる。
仕事から帰ってくると、疲れてしまって、とても小説の執筆ができません。どうしたら良いですか?
仕事帰りにファミレスやカフェによって一時間だけ書くようにすると良いです。家に帰ると意識がお休みモードになります。
以上の二人のやり取りは、実際に会社員をしながらプロ作家を兼業でしている方に聞いた話です。
仕事が終わって家に帰ると休みたくなるので、仕事帰りにファミレスに寄って1、2時間、小説を書くということを続けているそうです。
あなたが、おもしろくないと思った小説は本当にダメなのか?
小説を書いていると、この作品はおもしろくないのじゃないか? 書いても無駄じゃないかと不安になる時があります。
でも、できれば最後まで書いて、どこかに投稿してみることをオススメします!
ベストセラー作家スティーヴン・キングは、売れなかった時代、超能力を使う少女の物語を書きますが、つまらないと思って3ページでゴミ箱に捨ててしまいました。
が、妻から「これおもしろいわよ!」と言われて思い直し、大ヒット作キャリーを書きました。
このように、自分ではダメだと思った作品が、他人から見たらおもしろくて、大ヒットになることがあるのです!
また、例え誰かから酷評されても、めげずに小説を発表してください。
世界的大ベストセラーである『ハリー・ポッター』は、12社から出版を断られたそうです。
目が肥えているはずの出版社の人間でも、小説の評価を見誤ることがあるのです。
小説の評価とは、読む人によって異なるので、1人からおもしろくないと酷評されても、他の誰かから絶賛されることがあります。
なにより、小説の執筆とはゲームの攻略に似ています。
ゲームはモンスターを倒して初めて経験値が手に入ります。モンスターにダメージを与えたことはなぜか経験に加算されません。
小説の場合も完結させて初めて経験値が手に入ると、多くのプロが口を揃えて言います。これは真理の一つです。
途中で投げ出さなければ、必ずレベルアップするのです!
この小説の書き方講座の最後に、あなたに元気になる言葉を贈ります。
小説を書くのは孤独な作業、不安との戦いです。
でも、最後まで書ききれば、必ずレベルアップします!
そして、必ずあなたのファンになってくれる人が現れます!
物語には人の心を救う力があります。
あなたが小説を書き続けることで、救われる人がきっといます。