ラノベと文芸の9つの違いまとめ。最大の違いは「主人公=読者」であるか?

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ラノベと文芸作品の最大の違いは、「主人公=読者」であるか否か

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ラノベの9つの特徴

  1. オリジナリティは必要ない。テンプレがほぼすべて(なろう系においては特に)
  2. ファンは作品につく
  3. 主人公は勝利し続け、成長し続け、プラスを積み重ねる
  4. 人間の善の部分を描く。正義は勝つ、人間ってすばらしい!が基本
  5. ゲームやアニメの世界を描写した物
  6. 登場人物はキャラ。リアルな人間ではない
  7. SFやミステリー、スポーツ物、時代小説はウケないなど制約が大きい(中華物、時代小説は女性にはウケます)
  8. 小学生にもわかる文章力の高さが求められる。わかりやすさが命。
  9. 主人公になりきって楽しむ

文芸・文学作品の9つの特徴

  1. オリジナリティが重要
  2. ファンは作者につく
  3. 主人公は不幸になる。マイナスを積み重ねて死ぬ場合も多い。
  4. 人間の悪の部分を描く。人って醜いよね、が基本
  5. 現実の世界を描写した物
  6. 登場人物はリアルな人間
  7. 超常現象が起きてもOK。おもしろければ何でも有り
  8. 多少、難しい漢字や言葉を使ってもOK
  9. 主人公を客観視して楽しむ

エンタメは健全で、文芸は不健全なのが特徴

文芸は不健全!?
例えば、18世紀にゲーテが書いた小説「若きウェルテルの悩み」を読んで、主人公が失恋自殺するさまに影響を受けて、自殺者が何人も出たそうです。
自殺報道に影響を受けて、自殺者が増える現象を「ウェルテル効果」と言います。
 
逆に漫画「ONE PIECE」を読んで、海賊を目指す人はいないのでエンタメは健全です。

これはエンタメが人間の善を描いた物で、文芸が人間の悪を描いた物だからです。

ラノベと文芸作品は楽しみ方が異なる!

ラノベと文芸作品の最大の違いは2点です。

1・ラノベは主人公になりきって楽しむ。文芸は主人公を客観視して楽しむ。
2・ラノベは主人公が勝利と成長を積み重ねていくプラス指向の物語。
文芸は逆に、主人公が不幸に落ちていくマイナス指向の物語です。

文芸作品は、主人公が人に裏切られて死ぬような悲劇が多く、主人公を自分の分身だと思って読むのに向いていません。

例えば、カフカの「変身」は芋虫に変身した主人公が家族や妹に裏切られて、死にます。
ドストエフスキーの「罪と罰」は、中二病をこじらせて老婆を殺してしまった主人公が自業自得でひどい目に合う話です。

これらの作品は、主人公になりきって楽しむのではなく、物語を客観視して、俺はこの主人公より幸せでよかった! というような楽しみ方をします。
また、この主人公のようになってはいけない! という教訓を得るのにも役立ちます。

逆に、ラノベは大ヒット作「転生したらスライムだった件」のように、主人公がまわりからスゴイ、スゴイと褒められて出世したり、美少女から無条件に好かれたりします。
主人公になりきって物語を楽しむのに向いています。

ラノベと文芸を混同させてはいけない!

ラノベでは、ヒロインが死ぬと、次の巻の売り上げが落ちることがわかっています。

ラノベとは、主人公が勝利と成長を積み重ねていくプラス指向の物語であり、読者はポジティブな気持ちになりたくて、読んでいるからです。

ヒロインの死などは、明らかにマイナス。不幸へと続く道なので、読者に嫌がられるのですね。

また、ヒロインが主人公以外の男性を好きになることもありません。主人公は、コミュニティの中心となり、コミュニティメンバーから愛され、好かれるのが基本です。

逆に文芸作品では、主人公がヒロインや家族から裏切られてもOKです。
主人公が不幸になるさま、マイナスに落ちるさまを楽しむのが文芸だからです。

創作初心者にたまにある失敗は、ラノベと文芸をごっちゃにしてしまうことです。

リアリティやオリジナリティを持たせようとして、ラノベなのに異世界に転生して貧しい家に生まれて苦労する話や、ヒロインが途中で他の男を好きになるような話を書いてしまうことがあります。

しかし、これはポジティブな気持ちになりたくて読んでいる読者に嫌がられるので、やめましょう。

ラノベは、主人公がどんどん勝利と成長を重ね、仲間ができて、彼を中心としたコミュニティが発展していく。プラスが積み重なっていくさまがおもしろいのです。

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