書きたいものを売れるように書く方法。ラノベ作家・黄波戸井ショウリさんに創作に関する18の質問

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黄波戸井ショウリ(キワドイショウリ)と申します。

小説家になろうからの書籍化で、2020年4月25日に『月50万もらっても生き甲斐のない隣のお姉さんに30万で雇われて「おかえり」って言うお仕事が楽しい 1 』(オーバーラップ文庫)でデビューしました。

最近はYouTube向けの動画脚本も手掛けており、非公開案件ですが登録者数20万人超のチャンネル向けに脚本を書き下ろしたりもしています。

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  1. Q1: 初めて小説に出会ったのはいつですか? 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
  2. Q2: 小説のアイディアが浮かぶのはどんな時ですか?
  3. Q3: キャラクターをどのように考案、作成されていますか?
  4. Q4: 実力を高めるために最も役立ったトレーニング方法はなんでしょうか? その方法をどのようにして知りましたか?
  5. Q5: 執筆のモチベーションを保つために、どのような工夫をされていますか?うまくいかない時はどうやって乗り越えていますか?
  6. Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
  7. Q7: どのような方法でプロットを作られていますか?
  8. Q8: 小説の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
  9. Q9: ストーリーを考える際に重視していること、気をつけていることがありましたら、教えてください。
  10. Q10: 人気作を書くためには人気作の分析が欠かせないと聞きます。一ヶ月にどれくらいの小説を読まれていますか?
  11. Q11: 小説家になるためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?
  12. Q12: 小説では文章の読みやさが重視されます。リーダビリティを高めるために、どのような工夫、訓練をされていますか?
  13. Q13: 執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
  14. Q14: アマチュア時代に参考になった本はありますか? どなたか師匠や先生に教えてもらったりしましたか?
  15. Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?
  16. Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
  17. Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
  18. Q18: 最後に、小説家を目指して頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?

Q1: 初めて小説に出会ったのはいつですか? 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?

家が貧乏で娯楽らしい娯楽が図書館しかなく、自然と小説になじんだので初めてがいつかは覚えていません。最初に熱中した作品なら『十五少年漂流記』でしたね。

そこからジュール・ベルヌに傾倒しました。
けど初めて自分で小説を書いたのは20歳を過ぎてからですね。

Q2: 小説のアイディアが浮かぶのはどんな時ですか?

漫画を読んでいる時が多いですね。

漫画と小説の作り方には共通する部分としない部分があり、それをすり合わせているうちに新しいアイディアが出たりします。

Q3: キャラクターをどのように考案、作成されていますか?

メインキャラクターは過去の自分をベースにします。考え方や感性がリアルになりますので。

サブキャラくらいになると世間で人気のキャラ・自分の好きなキャラをモデルにすることもありますね。

Q4: 実力を高めるために最も役立ったトレーニング方法はなんでしょうか? その方法をどのようにして知りましたか?

物語の最初から最後までを3行くらいにまとめたプロットを100個書くことですね。

創作塾の師匠が、そのまた師匠から教わったそうです。

人間、一発で出したアイディアってやっぱり薄いんですよ。

それを100回やることでアイディア出しに慣れつつ、あとで複数を組み合わせることで厚みのあるアイディアにできます。

私のデビュー作もプロットNo.3とNo. 26に、その時に流行っていたネットミームを組み合わせたものでした。

Q5: 執筆のモチベーションを保つために、どのような工夫をされていますか?うまくいかない時はどうやって乗り越えていますか?

そこが今まさに課題なんですが、最近だとPS4のゲームをすることが多いですね。ずっとパソコンの前にいると集中力も切れるので。

Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?

成長の頭打ちを感じたことはあります。

私の場合、文章を作る力、キャラクターに喋らせる力は着実に上がっており、それは新人賞の評価シートなどでも実感できました。

一方で読者に合わせる力、流行を取り入れる力は人に教わるまで何年かかっても伸びず、自分はプロには向かない人間なのかなと思っていました。

Q7: どのような方法でプロットを作られていますか?

上記の100個プロットから発展させるか、「ここだけはやりたいシーン」を1つか2つだけ決めてそこが最も映えるように全体を組み立てます。

Q8: 小説の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?

セリフを先に書くことが多いです。それも冒頭から順番にではなく、すぐ書ける所から書きます。

Q9: ストーリーを考える際に重視していること、気をつけていることがありましたら、教えてください。

キャラクターを好きになってもらえることです。ストーリーはキャラクターのためにあると思っています。

Q10: 人気作を書くためには人気作の分析が欠かせないと聞きます。一ヶ月にどれくらいの小説を読まれていますか?

私は小説よりも漫画や映画が多いですが、全部合わせたら平均10作品/月くらいでしょうか

Q11: 小説家になるためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?

自分に対してかっこつけない能力です。自分の痛い部分や見苦しい部分こそ、キャラクターに反映した時に魅力的になります。

Q12: 小説では文章の読みやさが重視されます。リーダビリティを高めるために、どのような工夫、訓練をされていますか?

セリフを増やしつつテンポ感を重視しています。

読みやすい読みにくいよりも、読み流されても大丈夫にする、が大事なんじゃないかと。

「読みにくいと読んでもらえない」は真実でしょうが、「読みやすければ読んでくれる」かといえばそうでもありませんので。

Q13: 執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?

深夜帯が多いです。かける時間はバラバラですね。

Q14: アマチュア時代に参考になった本はありますか? どなたか師匠や先生に教えてもらったりしましたか?

2018年12月から鷹山誠一(代表作:『百錬の覇王と聖約の戦乙女』)に師事しています。

本だとブレイク・スナイダー著『SAVE THE CATの法則』でしょうか。ハリウッド式脚本術の本ですが、非常に参考になりました。

Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?

書きたいものを売れるように書く、が師匠に教わったことです。

自分の「書きたいもの」をきちんと解析・分解していくと、本当に大事な部分って意外と小さいものなんです。

そこだけ外さないようにすれば売れるものに合わせることも決して不可能ではありません。

私も昔は『獣人の少女と、文明の崩壊した世界を旅する』のように『人外ヒロイン✕ハードな世界観』な話を書きたいと思っていました。

しかしよく分析してみると、その本質は『普通の人と同じように生きられず苦しむ女の子✕そんな彼女に厳しい世界』であり、そこから『仕事でしか他人を信じられない女性✕孤独な現代社会』という図式へ変化したのがデビュー作です。

Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?

上記の「書きたいものを最小化する」ができるようになったからだと思います。

Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?

自作がコミカライズされたことですね。2番めはライターとしての仕事がもらえるようになって自分の書いたものに声がついたことでしょうか。

Q18: 最後に、小説家を目指して頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?

覚えておいてほしいのは『憧れは理解からもっとも遠い感情』ということです。

小説家を目指すからには憧れの作品・作者のひとつくらいあると思いますが、憧れから「ああいうのを書きたい」と考えると自分の本当に書きたいもの、向いているものを覆い隠してしまいます。

いったん頭を柔らかくして、自分に本当に向いているものを探してみるのも手ではないでしょうか。

「戦闘シーンだけは毎回すぐ書き終わる」みたいな、なにげない部分に自分の才能は埋もれているものですよ。

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