●Web小説
- 毎話ごとに起承転結を作って、引きを意識することが重要
- テンプレが最重要。
- 読者は新着とランキングしか読まない
●新人賞
- 一編の物語で起承転結があればOK
- オリジナリティが重要。新しいものを見出すのが新人賞の使命
- 下読みガチャがある。ちゃんと読んでもらえないリスク
Web小説とは週刊連載漫画と同じ

毎話ごとに起承転結を作って、1話1話をおもしろくする必要があります。
なにより、次の話への引きを意識し、次回の更新も読んでもらえるように工夫しなければなりません。
もっとも良い終わり方は、主人公が勝つ、褒められる、新しいスキルを覚える、などプラスの状況になって終わることです。
逆に主人公が負ける、不利な状態になるなどで区切ると、ブックマークを外されてしまいます。
新人賞は逆で、一巻分の話を通して起承転結ができていればOKです。
Web小説はテンプレが最重要。
なろう読者「ただの小説には興味がありません。この中に、追放系、転生、領地経営、聖女がいたら、私のところに来なさい以上」
他にもテンプレはいろいろありますが、大手小説投稿サイト「小説家になろう」はテンプレの縛りが特に強い場所です。

なろう読者は小説を読みに来ているのではありません。
なろう小説を読みに来ているのです。
その証拠に、新人賞で最終選考まで行った作品が、なろうではまったくポイントが取れていません。
理由は、タイトルを見た時点で「なろう小説ではないな」と、なろう読者に切られてしまって、中身を見てもらえないからです。
例えば「常夏のノスタルジア」第10回GA文庫大賞、最終選考落選作。
こちらは、私が確認した時点では66ポイントでした。
https://ncode.syosetu.com/n4650fy/
転生や追放、ざまぁ、など、なろうテンプレを使っておらず、タイトル、あらすじからして、なろう読者の好みにあっていません。
従来型ラノベを書きたい人、オリジナリティで勝負したい人は新人賞を狙った方が良いです。
新しいものを見出すのが新人賞の使命です。
Web小説の読者は、新着とランキングしか見ません。

新着にある間にランキングに入ることができないと、そのまま埋没して、二度と浮上できません。
このため、もっともアクセスが多くなる、夜の19時~23時。昼休み、などを狙って、新作を5話ほど連続で投稿し、日間ランキング入りを目指さなければなりません。
初速がほぼすべてと言って良い世界です。

一方で、新人賞の下読みの中には、最初の20ページほど読んでツマラナイと判断したら、あとはあらすじだけ確認して、それ以上、読まない人もいます
下読みの多くはバイトです。「大学生」「編集プロダクションの人」「グルメライター」「元出版社勤務で定年を迎えた人」「将来性のある作家」「友達が出版社勤めで育児休暇中に頼まれた」などなど様々で、運や相性の要素が強いです。
小説の評価とは読み手の好みや価値観で大きく変わります。

このため、他の新人賞では一次選考落選だった小説が、別の賞では佳作になることがあります。
「100作品から出来のいい作品を10作選んでください。期間は三ヶ月以内です」
と下読みは無茶なスケジュールを要請されることもあります。

バイト料はそれほど高くなく、短い期間内でこなしていかなければいけないので、「ストレスがたまって乱暴な下読みになる」時もあります。
このため、冒頭とあらすじに力を入れて、第一印象でおもしろいと思ってもらうことが重要になってきます。

一次落ちしても一度は別の新人賞に応募することをオススメします。
Web小説にしても新人賞にしても、ちゃんと読んでもらえるということは、実はなかなか難しいのです。
両者とも共通して、この可能性を高めるために、おもしろいと思ってもらえるあらすじを用意することが重要です。