小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

silicaさんの返信一覧。最新の投稿順1ページ目

元記事:よく見かけるけどイメージできない言葉

お疲れ様です。千歳です。
魔法小説を読んでいるとよく出てくる表現ですが、情景がいまいちイメージできないものがあります。
「掻き消える」と「空間が歪む」です。
参考になりそうな動画や映像があったら紹介してください。

上記の回答(よく見かけるけどイメージできない言葉の返信)

投稿者 silica : 0 投稿日時:

こんにちは、silicaです。
えーと、正直、この質問だけでは答え難いのです
その理由を順番に説明します。
1 「掻き消える」
この言葉の意味そのものは、跡形もなく消える、とかそんな感じの意味なのですが……
a 遠くの方に捉えていたはずの彼の姿は一瞬で掻き消え、次の瞬間には私の目の前に現れていた
b 砲撃が終わると、そこにあったはずの建物は跡形もなく掻き消えていた
この二つは、受ける印象が違いますよね? だって、aの方の文では「彼」の速さを形容するために掻き消えるが使われていますが、bの方の文では「砲撃」の威力の形容に用いられてますから、示したい物、示していることが違います。
つまり、「掻き消える」という表現は、とにかく、本来そこにあるはずのものが跡形もなくそこから消えている、ということを示しているに過ぎません。でも、そのイメージは、何によって、どんなふうに、によって変化します。
そのため、漠然と「掻き消える」のイメージが分からないと言われても、具体例を出すことは出来ません。

2 「空間が歪む」
こちらはもっと難しいです。と、言うのも。「空間が歪む」と言うのを人間は、自身の知覚では恐らく知ることができません。目は光を認識しますが、光は空間に沿って飛びますので、目では空間の歪みを認識できません。他の感覚もまた同様に、空間が歪んでいたとしても、歪められたとしても、それに合わせて感覚もズレるので恐らく分からないでしょう。ブラックホールに落ちている最中の人間は、その空間が歪んでいることも、外から見たら落ちているように見えることも、時間が引き延ばされていることにも気付くことは出来ないように。
その上で、空間が歪む、と言うのをわざわざ描写するなら、歪められる空間に依存しない知覚手段を持っているのを前提に、どう見えるかを決めている必要があります。
空間が歪んでいる、というのなら、見え方と実態の差で普通に書けるんですけども。錯視錯覚系です
というのはSFに頭を汚染されている人の発想ですけどね……。
こちらも、どういう文脈で、どう使われているかによって印象が変わりますのでなんとも言い難いです。

結論
どちらの言葉も、文脈によってイメージが変化するので、参考になりそうな物、と言われても漠然とし過ぎています
それから、全体として質問にロクに答えていなくてすみません。今のままでは、何を持ってきたものやら、皆目見当もつかないのです

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: よく見かけるけどイメージできない言葉

この書き込みに返信する >>

元記事:モチベーションの維持

初質問です。
ファンタジー小説を書こうと志してから1年ほど経つのですが、未だに納得のいく設定、プロットが書けずネット小説サイトに投稿すらできない状態が続いています。今までは何万字と書いた設定集やプロットなどを没にしても、「もっと面白いものが書けるはず」と考えてモチベーションを保っていましたが、それも難しくなってきています。
やはりある程度は妥協して投稿してみるべきなのでしょうか? 
それとも自分の中で完璧だと思えるプロット、設定ができるようになるまで粘るべきでしょうか?
初歩的な質問で申し訳ないのですが、どなたかご教授いただけますと幸いです。

上記の回答(モチベーションの維持の返信)

投稿者 silica : 1 投稿日時:

こんにちは。
結局、質問はモチベーションの維持の仕方でしょうか?
だとすると、正直に思ったことを言わせて頂くなら、「態々モチベーションを維持しようとしないと書けないなら、書かなくて良い」です。少なくとも趣味なら、書きたいから書く、やる気が出ないから書かない。それで良いと思います。
態々モチベーションを作ってまで書くのは何のためのなのでしょうか?

それから。たった一行のネタから見切り発車で短編書いたりしてみるのも良いと思います。まずは、あっさりと短編をいくつも作ってみたりしても良いかと。話の面白さは、設定の濃さやプロットだけで測れるものでもないですし、スッキリとまとまっている小さな話を作ってみるかと良いかと思います。
(怒涛の短編推しですね。どうにも長編書こうとして事故っているように見えるので)

結論:書きたいから書く。態々モチベを上げる必要があるなら書かなくて良い。無い設定から見切り発車でやってみては如何?
以上です。

カテゴリー : やる気・動機・スランプ スレッド: モチベーションの維持

この書き込みに返信する >>

元記事:これでいいのか?

ちょっともやもやするので、相談させて下さい。

あるネットの記事を見ていたら、「防ふり(痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います)」の作者の方が、こんな事を言っているらしいのです。

以下はその抜粋です。

「はじめに
この作品がご都合主義的展開を含むこと。
また、作者が息抜き程度に書き始めたもののため読む人によっては耐え難い矛盾や違和感を感じる可能性があることが予想されます。
特に、【VRMMO】として完成されたゲーム性を楽しみたい方にはお勧めできません。

そして、それらに対しとても不快に思った際は速やかにページを閉じ、この作品を切ることをお勧めします。無理して読むことは息抜きや趣味の読書では無いと思います。
また、その後他の楽しい作品を探しに行くことを推奨します。
以上のことを踏まえた上でどうぞご覧ください!」

何だか、これを聞いて、呆れるやら腹が立つやら、色々もやもやします。

私は、ご都合主義を否定する訳では無いですが、肯定したくも無いです。
ですが、この作者のコメントは、余りにも投げやりというより、傲慢では無いでしょうか。
完全な開き直りで、

「自分は好き勝手に書いているので、ご都合主義もへったくれも無い。あらゆる常識や法則も無視する。」

と、宣言しているも同じです。ある意味で、考える事をやめているとも言えますが、
これでは、デウス・エクス・マキナどころか、「作者は唯一無二の神であり、神である作者が全て正しい。」という暴論とも取れます。

それと、私は読者に対してとてもじゃないですが、「この本の内容が気に入らないのなら、読まなくて結構です。」とは言えません。
「うちの味が気に入らないのから帰れ!」と言うラーメン屋の店主と同じで、ある意味で潔いとも言えますが、作者が読者を選んではいけない様な気がするのです。

今は、なろう系という言葉でひとくくりにする様ですが、ライトノベルというのは、読みやすさに重点を置く小説だけど、無視してよいものと、無視していけないものがあると思います。

アニメだけ見た感想ですが、「防ふり」というのは、ご都合主義の塊みたいなもので、私は途中で耐えられなくなって見るのをやめました。
要するに、「理屈も何もかもを捨てて、頭を空にしないといけない」という事が、私は出来ませんでした。

この様に、作者が開き直ってしまい、「ついて来れる奴だけついて来い」と言う様なコメントで、書いてる側が読者を選ぶ様な事や、説明がつかないご都合主義だらけの展開を押し通すのは、物語としてどうなのかと思うのです。

まあ、「面白ければ、細かい事はいいんだよ」という一定数のファンが居る事も事実なのですが、こういう作品がまかり通ってしまうのなら、一生懸命に設定やストーリーを考えている事が、何だか馬鹿らしく思えてしまいます。

新人賞の審査員コメントを見て、「なるほど、次からはそうしよう」「こうやってみたら、面白くなるだろうか」などと、必死にアイディアを練っている事が、無駄な事だと思わされそうになります。

この作者は確かに成功したには違い無いですが、私としては何だかすっきりしません。
真面目に考え過ぎかも知れませんが、皆さんはどう思われたか、何かご意見のある方がいらっしゃれば、よろしくお願いします。

上記の回答(これでいいのか?の返信)

投稿者 silica : 2 投稿日時:

こんにちは。
私はその作者のコメントは誠実な物だと思います。元々、小説なんて娯楽なので、無理して読むことはない、という至極真っ当なことを言っているだけですし、そこに、妙にせっかちで攻撃的な今の潮流を合わせると、このような予防線ないしは注釈を入れるのも普通だと思います。で、そこに判断基準を提供しているので、誠実な物だと思います。『ゆっくり茶番劇』みたいな系統で動画冒頭に注意書きを入れるのと同じですね。

で、ご都合主義ですが、私もあまり積極的に好む、という訳ではありません。特に、主人公とその周りばかりが極端に上手くいくタイプも、やたら滅多に人を殺しまくるタイプも好きではありません。なので、防ふりも鬼滅も進撃も好まないのですが、それこそ、嫌いなら読まなければ良いだけです。そもそも、ネット小説なんぞ書きたい人が書きたいものを書く場なので、そこに、そのように文句をつけられてもどうしようも無いですし。商業作品としてはどうなのさ、と思わない訳でもないですけど、そもそもライトノベルってどんどんそういう方向に走ってますのでなにを……という話です。

私が設定やらストーリーやらまじめに考えるのも、自分が見たい物があるからです。見たい世界を映し出す手段として小説を選んでいるだけです。
あなたの場合はどうですか?
他人がどうしてるかなんて根本的にはあなたに関係ないことですし

結論
1 作者コメントは至極普通で真っ当
2 合わないものは読まなきゃいい。結局娯楽だから
3 他人がどうしたかは関係ない。あなたがどうしたい、どう書きたいのか。それに尽きる
以上です

カテゴリー : その他 スレッド: これでいいのか?

この書き込みに返信する >>

元記事:資料集めについて

ただいま、音楽小説を書きたいと思っております。
そのために資料を集めようと思っているのですが、集め方が分かりません。少なくとも、楽器の基礎知識と楽曲については知っておくべきかと考えておりますが、正しいのでしょうか?どうか、アドバイスをよろしくお願いいたします。

上記の回答(資料集めについての返信)

投稿者 silica : 0 投稿日時:

こんにちは。
まず、何をネタにした、どんな話が書きたいのか、というのが重要だと思います。
音楽を題材にした小説、というだけなら、別に必要という訳でもないですね。
既にサタン様も言っているので、この方向性は一旦締めます。

とにかく情報を集めてネタストックを作る、という場合は、まずは高校の教科書、その次に大学の教科書を覗いてみるかと良いかと思います。教科書という本は、その分野に関してはかなり系統立った分かりやすい解説をしています。それで不足するなら、その教科書の著者リストに載っている人の書いた本を探してみると良いかと思います。
本を数冊見つけると、その末尾の引用参考リストを手掛かりに、さらに資料を引っ張ってこれるので、活用すると良いと思います。
同じことは論文にも言えますので、よく見ておくと良いと思います。
ただし、かなりの力技です。気づいたら積み本二桁生成なんてことまで起こるやり方ですのであまりお勧めはしません。先にある程度ジャンルを絞ったらマシですが……。

また、架空の音楽ジャンルネタなどの、現実にはない物を題材にして、それっぽい嘘理論を作るのも充分アリな択だと思います。

結論:教科書を基に芋づるに資料を釣り上げましょう

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 資料集めについて

この書き込みに返信する >>

元記事:ヒロインはどういうタイプが好まれるか?

小説を書く前に一つ質問をさせていただきます。
ヒロインの設定で姉貴キャラ、妹キャラ、幼なじみキャラが流行っている理由はどう言った理由からかなのでしょうか?

特に妹キャラが多い気がしますが、その理由などはあるでしょうか?

上記の回答(ヒロインはどういうタイプが好まれるか?の返信)

投稿者 silica : 1 投稿日時:

こんにちは、silica です。
私の作品の主人公大体女の子なんですよね……。

本題。
そもそも、大体の、可愛らしさを表に出したキャラクターはその三つのどれかに分類できてしまう、と言うことか、その三つのどれか以外だと可愛らしく書けない人が多い、のどちらかが真相なんじゃないかな、と思います。
そう言う予想を外して言うとするなら。
自分から関わるよりも、相手に積極的に構って貰いたい欲求が強いんじゃないかな、と思います。姉貴キャラなら、なんもしなくても相手が引っ張ってくれるし、幼馴染キャラなら世話を焼いて貰えるし、妹キャラなら甘えてもらえるので、そう言う消極性の表れかな、と思います。そうじゃない姉貴妹幼馴染キャラも居ますが、この感覚を元に弄ったキャラが多いと思います。
とは言え、ここまでの私の意見、ラノベ、ネット小説、一部漫画、一部アニメにしか掛かっては居ませんが……、『キャラ』という表現を使うのもその辺りなので、これで多分大丈夫だと思います。

カテゴリー : キャラクター スレッド: ヒロインはどういうタイプが好まれるか?

この書き込みに返信する >>

現在までに合計20件の投稿があります。 5件づつ表示中。現在全4ページ中の1ページ目。

ランダムにスレッドを表示

一人称について

投稿者 ユシ 回答数 : 5

投稿日時:

一人称メインで書いてる者ですが、味方が敵と戦闘してるシーンはどうしても、主人公が一人称での実況スタイル?になってしまって、味方が戦闘... 続きを読む >>

批評に出すべきか

投稿者 明日田錬武 回答数 : 12

投稿日時:

初めまして錬武と申します。創作活動に関することで助けてほしいことがあります。 カテゴリーはどれにすればいいのか分からなかったのでそ... 続きを読む >>

地の文が下手くそ

投稿者 カレーうどん 回答数 : 6

投稿日時:

どうも、小説を投稿し始めてばかりの初心者です 今回聞きたい質問なんですが文章力の低さについてです ギャグファンタジーの小説を書き... 続きを読む >>

ランダムに回答を表示

元記事:冒頭に関する話

以前読んだ本か、あるいは映画のコメンタリーだったかもしれませんが、「アクション映画は開始10分以内にアクションを描かないと観客は退屈して帰る」のような話を聞いたことがあります。
質問したいのは、この「開始10分」は小説に置き換えて考えるとどこまでの部分なのか?という疑問です。ついでにアクションを描く際に並んで重要そうな「主人公の活躍」についてもお聞きしたいです。

自分が好きで読んだ小説をおぼろげな記憶で思い出すと、確か「フルメタル・パニック!」は少女が逃げ回るシーンからだったと思います。この作品の場合はミリタリーアクションですので「開始0分でアクション」でかつ「開始10分以内に主人公が派手に活躍」していて、どういった作品で何を期待して読めばいいのか?が明確かつテンポよく描写されていました。
「魔術士オーフェン」は化け物が部屋から飛び立つシーンからだったでしょうか?アクションでこそありませんが緊迫した場面でした。直後にギャグ風味に暴れてるので「主人公の活躍」は恐らく満たしています。
「とある魔術の禁書目録」はちょっと思い出が混濁しているのですが、最強クラスの能力者との一騎打ちからだったはず。「アクション」も「主人公の活躍」もバッチリです。
ここまで書いて思ったのですが、自分が好きな作品というのは「物語開始時点で主人公が戦闘能力を有している」ものばかりに思えます。他にも漫画になりますがジョジョでは4部が一番好きです(これは前に3作品分の積み重ねがあっての序盤なのでちょっと違うかもしれません)。

この法則をどう適用すればいいのかを若干悩んでいるのが異世界転生系です。
最初に描くのは「アクション」でも「主人公の活躍」でもなく「取得する能力の解説」だったり、なんらかの説明になりますよね?
今では転生が浸透してきて転生過程を省いていきなり本番というパターンもあると聞きます。先人の説明努力の上で成り立っていると考えると、なかなか歴史を感じます。ただ、自分はこのパターンは書けませんでした。いざ書いてみようとすると、いちいち物語の舞台のいろんなアイテムやモンスターに対する疑問を案内役に聞いてしまう展開が多くて、以前アドバイスでいただいた「設定はイベントで見せる」を実践できませんでした。解説ばかりで肝心の活躍まで行数がかかってしまったのです。
古典的手法では「最初に能力を使っての戦闘を書き、『そもそもこうなった発端は~』と回想で説明する」というものがあります。こちらもうまくものにできませんでした。回想シーンである以上、その場面に至るまでを書くことになるわけですが、どうしても長い話になってしまい、2回目の活躍までにかなりのページを食うことになってしまいました。こうなってはやはり設定資料の域を出られそうにないと感じたのと、そこまでを(作者にとって)既知の情報を延々連ねるのは思った以上に退屈で飽きてしまったのです。「暴れて欲しいところまでお行儀よく主人公を歩かせる」のは想像以上に地味で、先人の皆さまはこれを越えたのかと思うとただただ頭が下がります。

結局今は、最初から妙なことはせず時系列通りに書こうとしていて、それなりに進めることができました。ところが今度は冒頭から一向にアクションしてくれないのです。書いてる側としては一歩一歩話が進んでいるという感覚があって安心できるのですが、読者にはそんな書き手の心情など関係ないでしょう。あと一歩で派手に活躍するんだ!と思っても、そこまでに脱落されては本末転倒なわけです。できる限りの早回しで進んではいるのですが……。

今回の質問は「Webで文字を読む場合、『開始10分』は何文字程度、あるいは何章程度までに当たるのか?」というものです。世間一般の文字数内に今書いているものが収まっていれば安心して執筆できますし、はみ出していれば修正の必要があります。よろしくお願いします。

上記の回答(冒頭に関する話の返信)

投稿者 手塚満 : 1

1.冒頭の分かりやすさと興味の掻き立て

「魔術士オーフェン」はちょっと分からないんですが、他の二つは確かにうまい冒頭、いいツカミになっていますね。

「フルメタル・パニック!」では、ヒロイン千鳥かなめが難しそうな用語の寝言で始まり、すぐに場面変わって、雪原を逃げる車両→追う軍用ヘリ→攻撃を受けて大破する車両→放り出される少女→宗介搭乗のアームスレイブがヘリを撃破、ですね。巨大人型ロボットは(フルメタ初出時でも)SF的兵器として既に広くなじみのあるものですし、軍用ヘリはもっと当たり前に現実にあるものです。絵的に想像しにくいものは登場していない。

目を引き、かつ分かりやすい戦闘アクションであるわけですが、それだけではないようです。救助された少女がアームスレイブを見て「アームスレイブ」と言ってるわけで、何か知ってる雰囲気を出してます。これがかなめの寝言からつながりそう。

そこに気が付くと、「なんだろう?」って思いますよね。大筋は分かる。悪そうな連中から哀れな少女を救った。だけど、ちょっとだけ分からない部分も加えてある。八割分かって二割不明な感じです。目を引く要素とともに、知りたくなる要素も盛り込んであるわけです。

もちろん「なぜ少女は誰かと逃亡しているのか?」といった謎要素はあります。ですが、アクションものの冒頭ではよくあるシーンですし、大掛かりっぽいですから「まあ、後で分かるんだろう」くらいの気がしてしまう。謎だけど安心感があり、性急に知りたい気はしない。

そこよりも、雪原で寒そうなのにやけに薄着な少女(医療用検査服っぽい)が、(読者にとっても未知な)アームスレイブを知っていることのほうが気にかかる。そういう細部で気にさせるテクニックが使われているように思います。すぐ手が届きそうな謎要素ですね。かつ、相良宗介が少女を救う物語らしいことも示されています。誰が何をする作品か、ということですね。

「とある魔術の禁書目録」ですと、まず(後に御坂美琴と明かされる)ファミレスにいる少女が不良に絡まれてて、主人公 上条当麻が救おうとしてる、と思ったら、実は危なかったのは不良のほうだった。そして、御坂美琴の恐ろしく強い(超)能力が明かされ、かつなぜか上条当麻に通用しない。そこが気になる謎ですが、さっさと次のシーンに移ってしまう。

インデックスの登場ですね。奇抜な登場の仕方でして、上条当麻のアパートのベランダに布団を干すみたい引っ掛かっている。これも「どういうこと?」になります。が、当麻はスルーして、インデックスの「お腹すいた」に応えようとする(当麻の性格「困ってる人が望むことをしてしまう」の一端が示されている)。

続いて、インデックスが自己紹介がてら、何の気なしに「逃げていた(途中で落っこちてベランダに引っかかった)」と漏らす。「逃げていた? なにから? なぜ?」と思わせるものですが、そこは詳しく説明はされない。その先を読みたくなる要素です。
(上条当麻の異能も、インデックスの服がちぎれ飛ぶという、目を引く形で説明もされる。)

こうなると、「上条当麻がインデックスを助ける話なんだな」「(超)能力と魔術がある世界」なんだな、ということが飲み込めて来ます。誰が何をする話なのか、という大事なことが冒頭で示されているわけですね。絵的にも、超能力はフィクションで昔から頻出ですし、その他は現実の日常にあるものが使われています。シーンをイメージするのが易しいように作られています。

2.冒頭に必要な要素と所要時間

いずれの作品も、

A. 目を引く冒頭イベント
B. 絵的にイメージしやすい
C. 誰が何をする物語なのかが示される

ということが同時に満たされています。確かに開始10分以内にこれらが示されなければなりません。もう少し付け加えるなら、3分以内で示される『はず』であることが分からないといけません(3分というのは、何が目的か知らされずに待てる限界だそうです)。さらに申せば、30秒以内に「3分読めば期待できそうか分かりそうだ」と期待させる必要があります。
(なお、以上の時間は体感時間です。文章のテンポ・ドラマ展開が良ければ読む実時間が長くても短く感じますし、ゆったりした文体・情景ならば文字数的に急ぐ必要がある。)
なお、実時間でどの程度かについて考えますと、毎分500字~1,000字程度だと思います。堅く漢字の多い文体なら読書スピードは遅く、柔らかくひらがな比率が高い文体なら速い。短い1文ごとに改行してあるなら速く、長い段落になると遅い。こうしたことは文章のテンポ調整の一助になったりもします。ストップウォッチ(やキッチンタイマー)で測りながら、黙読、音読をしてみるといいと思います(音読は台詞について、特に有効。例えば、話し手キャラ10秒以上も喋ってて、聞き手キャラが黙って聞いてるかとか分かる)。

3.読者は冒頭では作品知識皆無

とまあ、利いた風なことを述べてみましたが、たぶん「そんなことは分かっとる」とお怒りかもしれません。そうできないからこそのお悩みですよね(ご質問文から成功事例の分析、考察、試行錯誤が窺える)。

もしかしたら、冒頭用のシーンの選択が間違っているのかもしれません。派手なシーンは作れたけれど、由来がややこしくなってしまい説明が長くなる。後回しにしてすら長いと、書いた御当人のスレ主さんですら思う(実は自作でそう思えるなら、かなり客観視できている可能性が高い)。

冒頭では読者がどういう状態なのか考えてみますと、(シリーズものでない限り)作品知識は皆無です。楽しみたいのが読者ですから、まだ興が乗ってもないのに一生懸命読み取ろうとも思わない。ですので、何の前提知識もなしに、一読して分かる必要があります。分からないものをそぎ落とすことが必要です。

4.冒頭では読者が知っているか類推可能なもので

オリジナル性が必要だからといって、作者が例えば「見たこともないものを、まざまざと見せつけよう」と力んではいけない。単語から容易に想像できて、シンプルである必要があります。例えば以下のような感じでしょうか。

a. 能力、アイテム、ガジェット等が単純
b. 登場キャラ数が少ない
c. シーンの進行がありきたり、テンプレ

同時に全部やる必要はないですが、これぐらい気を付けてやると、読者に分かりにくくなることは少なくなるかと思います。読者に分かりにくさがないなら、当面は詳しい説明の必要も生じません。これに加えて、

d. 必要なら使い捨てキャラで見せ場を作る

ということも考えられます。重要キャラのみで冒頭を構成すると、「それは誰なんだ?」が生じがちです。例えば異能を見せることが大事なら、キャラは誰なのかのほうの重要度を下げてやる。

5.興味が先、知識欲は後

「とある」ですと、冒頭では仰るように「御坂美琴 vs 上条当麻」です。御坂美琴は重要キャラですが、そうなるのは後々のこと。最初のヒロインはインデックスです。御坂美琴は「この世界には異能がある」ことを示す役割しか負っていない。かつ、御坂美琴の異能の説明は「電気」→「レールガン」だけです。電撃とて、フィクションでは頻出ですし、雷等で読者にある程度は知識があるのが普通です。

派手なシーンで期待させておいて、インデックスの登場から作品世界の説明に移っていくわけですね。多少のギャグを交えつつ、異能(科学側の能力、魔術)について当面必要な情報開示をする。読者は既に多少は興味を持っていますから知りたくもなっていて、動きが少ない説明主題でもとりあえず読んでくれます。

「フルメタ」ですと、冒頭でピンチになる少女は、軍用ヘリの敵を引っ張って来て、相良宗介とアームスレイブを登場させ、本来のヒロイン千鳥かなめに若干の興味を喚起して、役割を終えて退場です。救われた後はどこか安全なところに運ばれたらしい、と匂わせて、それ以上の興味を起こさないようにしてある。軍用ヘリも戦闘ロボットも目新しくはない。悪党に追われる弱者を主人公が救うのも、テンプレで疑問は生じにくい。

そうしておいて、相良宗介軍曹が何に所属していて(軍事組織ミスリル)、これから何をするか(千鳥かなめの護衛)が示される。これも多少のギャグを交えつつ、説明を連ねている感じです。やはりもう興味は多少掻き立てられているので、説明を読んでも苦にならない。

5.無用の用

繰り返しですが、ご質問文からは勉強、考察、試行錯誤を重ねて来られたことが窺えます。例えば、無駄を省くことについてもいろいろ工夫されてこられたのではないでしょうか。これは要らない、あれは後回しにできないか、この二つはまとめてしまえば等々です。

ですが、減らすだけが無駄を省くとは限りません。「フルメタ」では冒頭でメインヒロインを救うシーンにせず、モブキャラで行ってます。冒頭で千鳥かなめを相良宗介が救うと、おそらく膨大な説明事項が生じます。

そこで冒頭ではモブのヒロインを立ててある。それにより、説明の必要性を下げてあるように思います。

「とある」でも、冒頭でインデックスの危機に上条当麻が遭遇したら、えらいことになりそうです。当麻が御坂美琴と勝負を続けてもまずい。どちらも説明すべきことが多くなります。ですので、御坂美琴で目を引いてさらっと流し、メインヒロインのインデックスにつないで、作品世界の説明に移ってます。

余計なキャラを冒頭に加えたようでいて、実際は描写、説明の量を下げることに成功しているわけですね。結果、無駄がなくなっている。正確に申せば、無駄に読まされる感じを減らしています。

そういう観点も持って、プロット段階から工夫してみてはいかがでしょうか。

カテゴリー : 流行分析(なろう研究) スレッド: 冒頭に関する話

この書き込みに返信する >>

投稿日時:

元記事:やはり最終的には文才でしょうか?

タイトルの通りなのですが、人気小説を書くには最終的には文才なのでしょうか?
どんな魅力的な世界観、ストーリー、キャラクターがあっても文才がなければやはり無理なのでしょうか。
ご回答お願いします

上記の回答(やはり最終的には文才でしょうか?の返信)

投稿者 t : 1

文才というのが一人称や三人称などのことなら、これだと思うプロ作家の文章を食べて飲み込んで、自分が文章になったつもりで書いていけばかなり改善されます。具体的には文章を書き写したり本に自分なりの注釈をいれたりしながら、丸暗記するつもりで、毎日文章に触れて慣れていくといいです。

ですが、
文章というのは例えばそれが下手な文章でも読んでいるうちに慣れてくるものです。
単純な文章の上手さだけなら、プロよりも上手な文章を書けるアマの方はたくさんいます。
上手い文章も読み始めるとすぐに慣れてその先に目がいくようになります。
文章が書けるのと、作品の面白さは似ているようで違います。
そういう意味でいえば文才における文章の重要度は16%以下でしょうか。
もしかすると文章は一番重要ではないかもしれません。

最初に書いたやり方を練習していけばオリジナルのクオリティを再現するのは難しいにしても、文章における作家の息づかいやリズムはわりと丸パクリできるものですし。文章はまだ、人から教えてもらってどうこうできる類のものなので、センスがなくても救いがあります。
文章がよくて話も綺麗にまとまっていても、
面白くない作品は世の中にたくさんありますよね。
魅力的な世界観、ストーリー、キャラクターは教えられてできるものではありません。
一人称や三人称が書けて。ただ文章が上手くてそれを文才があるというのと、
魅力的な世界観、ストーリー、キャラクターを背景として出来上がってくる文章は、まったくの別物で、こっちが文才です。

センスという言葉は常についてまわります。どうやったら書けると聞かれても、センスやその作家の才覚によるとしか……結局のところそれ以上の言い方がないからです。
学校の勉強と違うことは、
『みんなができることは小説では価値がありません』
周りに教えられてみんなと同じことができるようになってそれでプロになれたとしても、下手だった頃と比べて周りにいる人間のレベルが上がっただけで、プロならできること、プロ基準でみんなができることには価値がありません。
プロでも真似できないこと。
自分にしかない武器がある人は人気作家になれると思いますよ。
そして武器はもっとずっと小説が下手なうちから、プロになりたいと言ったら周りに鼻で笑われるくらいの実力のときから真剣に考えていかないと、とても成長が間に合いません。
何を頼りにするかといえばそれには直感が必要で、
人から教わるとこの直感が鈍くなって最後には働かなくなります。

相談や教えてもらうことはどんどんやっていけばいいと思います。
自分にできないことはお前にもできないと言いたくなるのが人間です。
でも、
みんなができることには価値がありません。
プロにもできないことをやろうとするなら、これはもう、ほとんどの人間ができません。
自分で自分をプロデュースして育てるという感覚を忘れないようにしたいですね。

カテゴリー : その他 スレッド: やはり最終的には文才でしょうか?

この書き込みに返信する >>

投稿日時:

元記事:ハーレムものの楽しみ方、楽しませ方とは?

所謂「なろう系」を書こうとするにあたって少し困っている事があります。

流行に挑戦するにあたって、なろうでは異世界やチートと並んで重要な要素であるハーレム。

異世界と主人公が強い事に関してまではまだわかるのですが、私はこのハーレム要素の良さが何一つわかりません。

自分なりにも何がそんなにも読者を惹きつけるのか探ろうと考え、なろう内外のハーレムものを読んでみました。

しかしどの作品も新ヒロインの初登場から少しの間までは良かったものの、ある程度主人公と交流した後は、極端な話名前と口調以外はショッカー戦闘員並みの個性しかない状態になってしまい「あれ?これってキャラ萌えするものじゃなかったのか?」と思いますます混乱しております。

この要素を取り入れた書き手は一体何がしたいのか、これを支持している読み手は何をハーレムに求めているのかまるで読み取れず、採用しようにもどう取り扱っていいのかわからない状況です。

ハーレム要素とは、何を楽しみ、どのような魅力のあるものなのでしょうか?

上記の回答(ハーレムものの楽しみ方、楽しませ方とは?の返信)

投稿者 サタン : 2

要するに、ヒロインの多様化です。
「様々なヒロイン像が同時に出てくる・出せる」というのが一番のメリットで、ハーレムそのものの源流はアラビアですがラノベの形式においてはアダルトゲームがこれに当たると思います。
エロゲはゲームですからシナリオによってヒロインを選択できるわけで、マルチエンディングという言葉が生まれた頃からヒロインの多様化は始まっていました。
一般ゲームにおいては「サクラ大戦」で広く認知されることになったかなと思う。
これをマルチエンディングのない小説に応用すると、キャラごとの話題を盛り込んだハーレムテイストな物語になります。

ハーレムものが流行る切っ掛けとなったアニメが「天地無用」というOVAで、それ以前から主人公が女性キャラに好かれる展開はよくありましたが、ダブルヒロインとかヒロインのライバルとか、状況としてはハーレムなんだけどハーレムものとしては少し違う形だったと思う。
この天地無用は主人公を取り合う恋の鞘当てにスポットを当てていて、キャラによっては女性の腹黒い本音などもあり、流行の切っ掛けでありながら珍しく「主人公を取り合う姿」が物語に組み込まれています。
ちなみに本筋の話はラブコメとはあんま関係ないSFです。

そこからハーレムものには割と推移がありましたが、まあ割愛するとして、現在は「承認欲求が満たされるツール」としてハーレムを利用する形が流行っているかなと思います。
主人公に好意を抱く以上は「主人公を認める」「主人公の味方になる」という形になるのが当然なので、流行に合わせやすいわけです。
なので、自身が書いてる小説にそうした主旨のテーマがない場合は、古いハーレムもののノリになりやすいかと思うので、あまり魅力はないと思う。

近年の流行におけるハーレムは「承認欲求が満たされる」というだけなので、わかりますかね、これ女性である必要がないんですよ。
男キャラに「認められる・良い関係を築けそう・信頼を得ている」という形であれば、別に性別は関係ないんです。
その典型が「転生したらスライムだった件」や「オーバーロード」といった君主ものですね。

ハーレムは「キャラ萌えするもの」というのは、ひょっとしたらちょっと古くなった考えかもしれません。
もちろんその考えが通用しないわけではないのですが、はっきりと言って、「キャラ萌え」=「キャラがちゃんと書ける腕のある作家の作品」なので、素人作品に求めるのは難しいと思う。
これも、まあ言っちゃなんだけど「承認欲求」の場合はそれを満たせれば良いので、素人作品でも上手く書けてるものは多いですね。
キャラ萌えの場合、プロ作品であっても、読者側で好みが分かれてくるのでヒロインの多様化は必ずしも良いものではない……つまりはヒロイン級のキャラが増えると単純に1キャラに割けるページ数が減るので記号的な魅力に頼ってしまい、個性が薄くなる。このため印象にも残りにくく楽しみにくい。
ヒロイン級のキャラが多いことで相乗効果でより面白く書ける作家さんもいると思うので、これはあくまで私見での話でしかありませんが。

カテゴリー : 流行分析(なろう研究) スレッド: ハーレムものの楽しみ方、楽しませ方とは?

この書き込みに返信する >>

投稿日時:

トップページへ

▼書き込みの検索

▼投稿者の検索

質問、相談をする!
コメントは4500文字以内。
返信通知設定(必要なければ外してください)

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

ページの先頭へ

小説の書き方Q&A:創作相談掲示板の使い方・利用規約(必ずお読みください)。お問い合わせ