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面白い、良かった本について教えていただけませんか?(元記事)
いつもお世話になっております。やとうです。
現在長編の構想を進めておりますが、なかなか思うように先に進まずの毎日です。
そこで頭を一度リセットして気晴らしに、
普段読まないジャンルの本を読んでみようと思うのですが、
図書館や書店に行ってもどれに手を出そうか迷うだけで時間が過ぎてしまいます。
また一人で本を選んでいると、どうしてもジャンルが偏ってきてしまいます。
皆様がご存知の本で「これも良い!」というものをぜひ、
ご紹介をお願いいたします。
私が最近読んで面白かったのは、
創作に関わるネタとして見つけたものですが、
『拙者は食えん! ―サムライ洋食事始』 熊田忠雄
幕末の武士が初めて西洋の食事と対面したときのことが、アレコレ書かれています。
酔っ払ってペリー提督に抱きついた侍もいれば、
てんぷらを食べたい福沢諭吉がアメリカでボヤ騒ぎを起こした……などなど、
お堅そうな侍が意外と日記にご飯の愚痴を書いているのが面白いです。
バリバリ攘夷の水戸藩士がフランスに派遣され、
『日本の味が恋しくて眠れない。はやく帰りたい』
と度々上司に嘆いていたりと、旅先の食文化に慣れない毎日は辛かったようです。
『明治宮殿のさんざめき』 米窪明美
坂の上の雲の時代考証をされていた方の本で、他にも『島津家の戦争』もかかれています。
明治天皇を中心とする宮中の生活について、行事などを通して当時の暮らしが見ることができます。
台風が来ると喜んで張り切る明治天皇が、
雷が大嫌いで小さくなる(普段は逆らえない姉さん女房の関係)皇后をからかって喜ぶシーンが印象に残っています。
また、お仕えしている少年たちが大人の隙を見て悪戯騒ぎを仕出かす様や、
それを「面白そうに」聞いている明治天皇、といった様子が賑やかで楽しそうです。
読んで面白かった本(できればライトノベル以外)、または面白そうで読んでみたいと思う本があれば、こちらでタイトル・作者等をご紹介いただければ幸いです。
視野を広げたいので小説以外のジャンルもあれば、ぜひお願いいたします。
(創作の相談とは少々離れた内容ですので、こちらでのご相談は場違いかもしれませんが、他に適当な箇所がわからず、相談の場をお借りしました)
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投稿者 左野冠 投稿日時: : 0
こんにちは、左野冠です。
私の趣味全開ですが、個人的に面白かった本と、最近気になっている本を書かせていただきます。
小説以外の本はジャンル分けとしてどう説明したら良いのかわからなかったので、「この本は小説です」と書かれていなければ、小説でないと思ってください。
「ホモ・サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ
この本は創作のいいネタになります。特にファンタジーとか、SFとか、自分で世界観を作らなきゃならない作品を書かれる方にはおすすめですね。
最近ニュースやらなんやらでやたら取り上げられていた「ホモ・デウス」の作者が書いた本です。私は「ホモ・デウス」のほうは未読なのですが、この本は本当に面白かったです。
長くて内容もなかなか頭の中に入れるのに時間がかかる本ではありますが、ベストセラーになるだけあるいい本だと私は思いました。(ベストセラーだからっていい本とは限りませんがね)
「虚構が文明を作った」とか「人間は小麦に飼いならされた」とか、人間の文明の発展に関することがいろいろ書いてあります。読んだのが半年前で、図書館で借りた本だったので、ことこまかく中身を覚えているわけではないのですが。
作者さんが歴史学者なので、世界史の話が例として出てきますが、世界史の知識がなくても楽しめます。
「文人悪食」嵐山光三郎
近代日本の文豪が好きな方におすすめです。文豪たちの食にまつわる逸話が載っている本です。文豪ごとに章立てされているのですが、目次のページにある章立ての見出しが面白い。
森鴎外は饅頭茶漬けだったと思います。潔癖症で甘い物好きだったので、饅頭をわざわざ熱湯で消毒して茶漬けにして食ってた、みたいな話だったはず。
こちらもだいぶ前に図書館で借りて読んだので、内容怪しいですが。
私が読んだのはこちらの「文人悪食」という本だけですが、作者さんは他にも「文人」シリーズを書いていらっしゃるそうで、そちらも面白そうです。
創作のネタになるかは分かりませんが、現実にいそうな変人を書くのにはいいネタになるんじゃないのかなあ、と思います。
「北欧神話と伝説」
最近気になっている北欧神話に関する本です。
創作で神話を知っていると何かと便利だったりするので、前々から読んでみたいと思っています。ギリシア神話はよく知っているんですが、北欧はあまり知らなくてですね。
神話というとエジプト神話、インド神話、日本神話あたりが有名ですかね。アーサー王伝説なんかはヨーロッパ圏の方々はみな知っているそうで、硬派なファンタジーやるなら知っているとさらに雰囲気出せるかな〜って感じです。
「毒の科学 毒と人間のかかわり」船山信次
完全に私の趣味です。
毒についての本です。ありとあらゆる毒の種類について初心者にもわかるように書いてあります。毒について知っていて創作に役立つ機会はあまりないと思うのですが、あったらあったで便利なんじゃないかなあ。そんなことはないか。この本好きなので書いてしまいました。
「症例A」多島斗志之
小説です。精神科医が主人公の小説です。境界例でも統合失調症でもないなんだか妙な患者を診察していて大変です。っていう小説です。さまざまな資料に裏打ちされたお話なのだなということがわかります。私が心理系の読み物が好きなので紹介してしまいました。
ぶっちゃけ小説全体の出来としては、蛇足な話がくっついちゃっていて微妙なんですけれど、心理系に興味があるなら面白い話ですね。
「美徳の不幸」または「新ジュスティーヌ」マルキ・ド・サド
小説です。かの有名なマルキ・ド・サドの書いた小説です。なかなかイカした小説です。
エログロに耐性がない方はやめておいたほうがいいでしょうけれど、なにせ有名な古典なので、興味が湧いたら読んでみてください。
こんなものをおすすめしてしまう私の神経よ……(寓話的なところもあっていい本ですよ)。
「愚神礼賛」エラスムス
最近読んでみたい本です。小説なんだかそうじゃないんだか微妙なところですが。
エラスムスという、ネーデルラント出身のルネサンス人文主義者が書いた本です。
教会を風刺して馬鹿にしまくった本です。
神様に「教会って馬鹿だよねー、権力者って馬鹿だよねー」と言わせた本でして、
風刺がキツすぎて教会から怒られると、エラスムスは「いやいやいや、これはフィクションですから。私は敬虔なキリスト教信者ですから。こんなこと言っちゃう神様って馬鹿ですよねー」と言って、破門を逃れたとかなんとか。
なんにせよルネサンスだから許されているところがあります。中世じゃ無理。ルネサンス以降じゃなきゃ、エラスムス、火炙りだったでしょうね。
エラスムスは「ユートピア」を著したトマスモアの友人です。
まだ読んでいないのですが、ちゃんと中身を読んでおきたい本です。
「カラフル」森絵都
めちゃめちゃ読みやすい面白い児童書小説です。
ええ、児童書、と思われてしまうかもしれませんが、児童書は読みやすく、小説を書くときの参考になると思います。
とくにこの小説は読みやすいです。中身もしっかりしている。児童書のベストセラーです。
生前なにかしらの罪をおかして死んだ少年が、魂の抽選にあたって、現実世界にホームステイをするという話です。
最近読み直してみたのですが、大変面白かったです。文章は児童書のそれなんですが、色々考えさせられるところがあり、そういうところが童話的、寓話的です。
ともかく文章が読みやすく参考になるので、小説を書かれる方にはぜひ一度読んでいただきたい。
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