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主人公を苦戦すらさせずに無双させたい! (No: 1)
スレ主 冬空星屑 投稿日時:
タイトル通り、主人公を苦戦すらさせずに無双させたいのです。
しかし、それだと『主人公を活躍させる』にしても戦闘描写が短く終わってしまうし(というか相手を瞬殺)、ただただなぜ主人公が無双しているのかという能力的な話しの設定を説明しても、面白くない。
ラノベは竜頭蛇尾とは言いますが、あまりにもクライマックスが陳腐では、ちょっと。
ということで、主人公を無双させるには、どんな風に描写すれば良いと考えますか。
カテゴリーは、『文章・描写』ですが、ストーリーなどの話しでも可です。
よろしくお願いします❗️
カテゴリー: 文章・描写
この質問に返信する!主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信 (No: 2)
投稿日時:
苦戦させる方法は、いくつかあります。
一つは、ワンパンマンがよくやってる方法ですね。
サブキャラを苦戦させてそれを主体に書き、主人公がやってきて一方的な力で倒して終わり。
ワンパンマンの場合、コンセプトからして「ワンパンで倒す」なので、この手法以外で苦戦を書くとすると「敵が不死身でワンパンでふっ飛ばしても何度も復活する」とか「暴力以外の方法で解決しなければならない問題」といった限られた選択肢しかないため、ほとんどの話でサブキャラの苦戦を主体に書かれています。
同じ主人公最強な話でも同作者のモブサイコの場合は主人公が戦わない選択を貫くために一方的に攻撃を受けたりして苦戦してる「ように見える」書き方で、そうでなくても本当に苦戦してる話もありますが、まあ、作者に実力がなくて一辺倒の展開しかやってないわけではない、という事ですね。
正直同じような主人公最強ってネタでああもレパートリーあふれる展開が出来るのが凄い。
このサブキャラを中心にしたシナリオは、当たり前ですが主人公の視点でそれを書くことが難しいので、必然的に三人称の小説(または視点が動きまくる一人称)になりやすいです。
推理モノなどでは、天才探偵に対して追い込まれる恐怖を演出するため犯人視点で物語が進行するものがあったりします。
その応用で、敵視点から主人公の無双っぷりを書いていく、という手もあるでしょう。
「苦戦する」というのは主観的な問題なので、主人公の無双は敵役からすれば苦戦してるって事ですから。
二つ目は、モブサイコの例でも出したけど「苦戦してるように見える」という書き方。
これは暴力以外の問題、例えば知能犯に振り回されるとか、ペットの捜索など暴力で解決できない問題など、ネタ次第で割と書くことはできます。
ですが、当然のこと「無双モノ・最強モノ」において「その暴力を活かせないシナリオ」となってしまうので、主人公の特徴のアピールは難しいです。
モブサイコの場合は「主人公が戦わないと決めてる」という設定があるので、「敵がどうやって主人公を追い込むか」が主旨の戦闘となり、主人公がキレたときがヤバいという表現でこの「主人公の特徴が書きにくい」というハードルをクリアしています。
「苦戦してるように見える表現」なので、他には例えばストレートに「敵を罠にハメるため劣勢を演じている」とか直接的に「苦戦してそうな展開」を用意してしまえば良く、コンゲームなどではよく見られます。
コンゲーム、つまり騙し騙される頭脳戦な物語では「苦戦してるフリをするという作戦」がそのまま主人公の知能の高さの描写になるので、頭脳戦を主とするギャンブル系の話ではよく使われます。
三つ目は、二つ目と若干かぶるけども「制限を付ける」というもの。
「不殺」などがまさにソレなのでモブサイコの主人公の信念とややカブってるのだけど、よくあるもので、漫画ばっかの例で申し訳ないけども有名所で「るろうに剣心」とか「トライガン」あたりは直球でコレですね。
本当は強いけど本気を出せない制限(信念・トラウマ・仕事の条件)などがあり、苦戦する。
けど、なんらかの条件を満たして本気を出せれば強いので、解決するときは一瞬で解決したりする。
簡易的には、「人質がいるから雑魚な敵に苦戦してる」なんてのが当てはまりますね。
味方がひっそり人質の開放に成功すると一瞬で形勢逆転して敵を圧倒的な力で瞬殺するって展開はよくあると思う。
また、もっとソフトな制限で「敵が所持してるアイテムを無傷で回収したい」とか「スニークミッションだから騒ぎになるような事は避けたい」とか、物語に合った制限を設ければ初期設定に手を加えなくとも簡単に実現可能です。
これらは「苦戦させずに無双させるには」ではなくて「無双もので苦戦のさせかた」なので、望む回答とは違うと思うのですが、無双モノは、極端に言えば単に「主人公の活躍に特化した内容」を書いてるだけなので、別に主人公の強さ自体はあんまり関係ないんじゃないかと思います。
「主人公をどれだけ活躍させるか」という話なので、苦戦はそのためのツールであって、あれば活躍をより深く印象付けられる、というだけに過ぎません。
例えば今アニメ放映してる「転生したらスライムだった件」なんかは苦戦らしい苦戦はせず主人公がいかに活躍するか(活躍してる場面のみ)に終始して、それがウケてます。
しかし、主人公が強すぎてどんな敵でも瞬殺してしまうのだとしたら、ハッキリ言って「主人公と敵の戦闘」は話にならないので、別の「話」を見つけるべきでしょう。
例えばワンパンマンに習って「サブキャラが苦戦し負けそうになる話」とか、「敵の黒幕を見つけ出す過程の話」とか。
「主人公の活躍」をクライマックスに持ってきて、そこへ繋がる「別の話」を考えるのが良いのではないかなと思います。
要するに、「主人公が敵を瞬殺する」というのは物語ではなくて、物語にある問題の「解決方法なだけ」って考え方です。
悪い領主を主人公が倒す話を考えるとすると、「悪い領主と領民」で一つの物語を作って、クライマックスで悪い領主が優勢になって絶体絶命、そこへ主人公が颯爽と現れて瞬殺して解決する。
「物語」は領主と領民で作っているので、話的には問題ないし、そんな都合のいい……と思うかもしれんけど、構造的にこういう話は結構ありますよ。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信の返信 (No: 4)
投稿日時:
ありがとうございます。
私も『転生したらスライムだった件』と『ワンパンマン』は大好きで、それに感化されたのかもしれません。
サブキャラに苦戦させて、最後に主人公が颯爽と。というのは、私の小説の主人公の設定を考えてみると、この上なく嵌まっていて、とても興奮しました。
最高のアイデアを下さったことに、改めて感謝を。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信 (No: 3)
投稿日時:
「転生したらスライムだった件」のように、敵キャラが強いという噂・事前情報がある→(味方キャラが苦戦・束になっても敵わない)→主人公が颯爽と登場して無双、というパターンはどうでしょうか。
転スラは、事前情報で敵を強そうに見せるのがうまいと思います。
そして、いざ主人公が敵と対峙したときは、伏線を回収する形で読者の予想より少し上の強さを示して勝つ、というパターンをとっているように見えます。
そして、クライマックスを盛り上げるために、その敵を追い詰めつつも、心理面では救ってあげるということをしています。
敵を倒すことで、敵が救われる、という状況を作っているので、無双していても後味が悪くなく、むしろスカっとするようになっています。
「転スラ」アニメ化もしてておすすめなので、よかったら読んでor見てみてください!
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信の返信 (No: 5)
投稿日時:
ありがとうございます。
『敵は強い』と聞いて、万全の準備を整えて、いざ出陣!
という展開を考えてみようと思います。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信の返信の返信 (No: 6)
投稿日時:
万全の準備を整えて、よりは、敵が強くて怯える村人を登場させるとか、敵によって倒された一族を登場させるとか、敵の強さが伝説伝承となって残っているとか、実際にサブキャラが苦戦するとか、敵の強さを描いて、際立たせて、それを一瞬で倒せる主人公つえーってした方が良いような気がします。
準備シーンの割合は短めの方が良いかと。
読者を敵が強過ぎて絶望、、主人公がやられないか不安、心配って状態にしてから、一気に緊張をほどくかのように主人公無双ってした方が盛り上がるかと。
主人公の強さの秘密、伏線は気付かれないようにあっさりとの方が無双するならおすすめです。
準備するってことは、ナルトでいうと修行のシーンに該当してしまうので、苦労して修行してしまうと熱血で泥くさいバトルになってしまう気がします。
それに、これだけ味方にすごい軍備が整っていて、とやってしまうといざ敵と向かい合っても、これだけ味方に強い要素揃ってたら絶対勝つでしょ、と読者がハラハラしてくれないのでは? と思います。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信 (No: 7)
投稿日時:
こ・・・・コメディーにする?
作中に出ているワンパンマンとかは一発ギャグ漫画「2pまんが」からスタートした連載だったはず。
苦戦させない作品か・・・・・個人的には【しょぼんのアクション】のプレイ動画見て笑うの好きだから、いまいち理解できない。
逆にしつもん。無双ものは何が面白いの?
アクション?戦闘?陰謀?ぼうけん?見所やセールスポイントは何になります?
悪口みたいで申し訳ないんですが、ほんとうにわからない。
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無双チートハーレムとか、あれらの良さが理解できなくて軽く気にはなっています。
なろうアニメ化人気作群なんて、軒並み【こんな糞よめねーよ"(-"谷"-)"】と挫折&スルーした私的地雷ばっかりですし。
スライム・・・・あれ、小学生の時に読んでも、私なら「え?え?なにこれ糞じゃねーか?こんなんがいいの?まじで?これ共感しないとクラスで浮くのに!?」と恐怖すら覚えたと思うんだよ・・・・
もともと趣味は悪い方ですが???(+o+)???よ、良さが分からない・・・・。まじで教えてほしいです。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信の返信 (No: 8)
投稿日時:
コメディにするのは、私の小説でやりたいこととは違うのですが、一つの案ではありますね。ありがとうございます。
好みは人それぞれですし、そのことを配慮して書いて頂けたようですので、私は特に気にしませんが、どこが良いの? と言われると、なんとなく気に入ったから、ですし。また、私が書きたい主人公の設定上、どうしても強くする必要があったというだけの話しでもあります。
そうですね。私がかつて読んだ、『カクヨム』で掲載されている、『コピーライター@風倉』さんの、『これがなろう勝利の理由! ~昨今のネット小説新参に向けて古参が、なろうが勝者になった理由と歴史を書きなぐる話~』を読んでみてはいかがでしょうか。
なぜ、主人公最強をにしてハーレムを作らせたのか、ということが歴史を振り返るように書かれています。
私は、ついつい「おおーー!!」と思ってしまいました。
ちなみに私の小説のセールスポイントは、主人公tueee! と、主人公にデレデレのヒロインでしょうか。設定上、なぜ強いのか、なぜ主人公とヒロインはラブラブなのかという点に説得力を持たせるために、二人には暗い過去が有ったりしますが、そこは置いておいて。
あっ、『スカッと』って分かりますか? そんな感じで日々の鬱憤やストレスを解放する、的な。そんな気持ちもありますね。
まとまらなくてすみません。
ですが、私が本当に好きな無双とか主人公最強とかの小説は、『物語の過程』だったり、『登場人物の心情や葛藤』だったり、何かしら心に訴えかけてくるものが多いかな、と思います。そんな作品を読むと、また同じように心にくるものを探して、同じようなジャンルの作品を読んでしまうのです。
最近のお気に入りは、『小説家になろう』で掲載されている『ジェノサイド・オンライン~極悪令嬢のプレイ日記~』ですね。序盤から始まるブッ飛んだ展開が大好きなんです。
無理には言いませんが、試しに23話まで読んでみては?
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信の返信の返信 (No: 9)
投稿日時:
13話でいっぱいいっぱいになった・・・・・orz
普通の話が始まったから13話までするっと読めたけど、別に・・・むしろ主人公のマナーの悪さに普通に不快感を覚えるくらいで、別に楽しくは思えないかなぁ・・・・もし仮にジェノサイド・オンラインのプレイヤーだったとしたら、彼女の加入でガチ引退を考えるだろうな~ってレベル。
ゲーム配給会社の社員だと主人公専用クレーム係ができちゃったり、主人公の様な世紀末ヒャッハー・プレイヤーの後続プレイヤーが続出、現実世界でも犯罪やらかす奴が出て配信停止・・・・まで考えてしまう。
イカみたいにインクのみとかではない分、プログラム的にもやってもいいよう断面とか人型モンスター肉解体用データも用意されているんだろうけれど・・・・えぇ~・・・・ってなっちゃう。
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昔のモバイル・ゲームで、同じプレイヤーに毎回連続キル&アイテム搾取されるスパンができちゃって、そのゲーム自体やらなくなったことは思い出したけど(-ω-;)ウーン某怪盗ロワ●ヤル・・・。
同じようなシュチュエーションなら【クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜】内の金魚鉢の中の鮫と称される『辻斬りカプリッチオ』のが好きかな~(-_-;)不謹慎が極まると、いっそ笑えてくるのは分かるから。
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>>『スカッと』って分かりますか? そんな感じで日々の鬱憤やストレスを解放する、的な。そんな気持ちもありますね。
スカッと「られる」側に感情移入しちゃってモヤる派みたいです。兄弟がいて兄のがイロイロ強いもんだから、すっげーモヤる。正直兄なら面白半分で似た事やりそう・・・みたいな。ある意味チートハーレム主人公って「私」ではなく「私の兄」っぽいから楽しめないのかもしれません。
共感むずかしい。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信の返信の返信の返信 (No: 10)
投稿日時:
いえ、好みでないなら仕方がありません。
しかし、主人公最強=チートハーレム、とかではないし、主人公は確かに強いし、チートじみていてハーレム作るけど、バトルが中心ではないから面白い! って思える作品もあるかも知れません。
バトルが二の次の作品としては、『小説家になろう』の『フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~』や、『カクヨム』の『始まりの魔法使い』がありますね。
前者はコメディ、笑えます。後者は、……泣きます。
私が、ファンタジーというジャンルに魅せられた初めての作品は『獣の奏者』。ラノベですらないんですけど、『闘蛇』や『王獣』という生き物に騎乗して戦うシーンがあります。この獣たちが超強い。このシーンは思い出しますね。
まあ、戦闘シーン以外で好きになった作品が今上げた三作品ですが。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信の返信の返信の返信の返信 (No: 14)
投稿日時:
『フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~』読んでます。ヒロイン達が妙に可愛いからハーレム状態なのが気にならないですよね(笑)あと主人公が暗殺特化型はぐれた仲間が王道主人公型って設定で、バトルが薄いのも納得。
これがありなら【無双さんが別ジャンルに挑戦】系はありになりますね。
いざというときは暴力装置になれるけれど、メインは別でそっちはボチボチとか。
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私的には最強って相対性ありきな気がします。ワンパンマンとかだと、主人公が一撃する前に大量のヒーローたちが命がけで挑み、ゴミのように積み上がるシーンがあって、敵がそれくらい強い事がアピールされる。それが無ければ、どのくらい強いか分からず終わる。
「糞ゲーハンター」内では全米一のチャンピオン・ゲーマーに挑むシーンありますが、お互いがギリギリだからこその綱渡りしながら目隠し剣舞を二人で踊るような、どちらが勝つか、どこで明暗が分かれるかが分からず、トンデモバトルに、はらはらできて楽しかった。
苦戦と言うか同レベルや僅差で戦ってもらうと盛り上がるのは、スポーツでも同じだと思っちゃう。
プレイヤー的には圧勝もいいけれど観客はギリギリのが見ごたえあるかなぁ・・・・?
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【獣の奏者】は読みそこなったままだから分からない(´・ω・`)地元に図書館ないから買わないと読めないねん。
ライトノベル作法研究所管理人うっぴー /運営スタッフ:小説家・瀬川コウ:大手出版社編集者Y - エンタメノベルラボ - DMM オンラインサロン
プロ作家、編集者にアドバイスしてもらえる!勉強会で腕を高めあえる!小説で飯を食べていきたい人のための創作コミュニティ。学生には交通費1000円を支給。
剣豪ものとか、コナン君とか、幼女戦記とか (No: 11)
投稿日時:
前の質問に対し主人公無双には注意が必要という意味の考えを書きましたが、今回の他の方への返信を拝見すると、
>設定上、なぜ強いのか、なぜ主人公とヒロインはラブラブなのかという点に説得力を持たせるために、二人には暗い過去が有ったりしますが、
とのこと。
そうであれば基本、問題ないと思いますよ。
俺TUEEEEの魅力そのものは理解できます。主人公に苦戦させるのはストーリーを盛り上げる有効な方法の一つですが、苦戦するシーンが長すぎたり重すぎたりすると逆に読むのが苦痛になってしまう場合もありますからね。
で、ですね。
主人公の苦戦が盛り上げのテクニックだとすれば、逆に言えば他に作品のセールスポイントがあれば苦戦は別に必須ではないということになります。なので強さの理由付けと作品のウリ、この二つを考えればよいと言えます。
パターンはいろいろありますが、時代劇ドラマによく見られる古典的なものとして、
◎主人公が事件の当事者ではない。
というやつがあります。主人公はどこからかフラッとやってきて、事件を解決して、またフラッと去っていくんです。この形なら主人公をメチャクチャ強いヤツにできます。分かりやすい例としては水戸黄門ですが、あれの原型は剣豪もの。主人公は風来坊の謎の素浪人みたいなキャラで、立ち寄った宿場町とかで代官やら豪商やら悪いヤツに苦しめられている無力な善人を助けます。最後に十数人の敵をカッコいい殺陣でバタバタ斬り伏せてしまうのが定番の見せ場ですが、特徴は主人公がドラマの本筋にあまり絡んでいないことです。
主人公がストーリーの本筋にからまない。言うとちょっと変な感じがしますよね? でも、この場合は主人公の強烈なキャラ性と無双の強さそのものに鮮烈な「主人公補正」が効いていることが条件で、それさえあれば立派に主人公なんです。ちなみにこの場合のシナリオ論的な意味でのストーリーは、悪いヤツにいじめられている善良な弱者が担います。
このパターンの原型は剣豪もの。水戸黄門はその筋立ての基本形はそのままで、無双の剣技を印籠に置き換えただけなんですね。黄門様の長いTVシリーズの中で一度だけ印籠を出さない回を作ったらファンの抗議が殺到したとか。それとシリーズを重ねるうちにだんだん印籠の前に部下が大暴れするシーンを入れるようになったけど、あれは余計なんじゃないかと思うんですね。どうせ印籠でカタがつくんなら無益な殺生をさせるなよ、みたいな。でも部下は部下で楽しそうに暴れていたから、何のことはない『オーバーロード』のアインズ軍団と大して変わらない気さえしてしまいます。
「そろそろアレを出しなさい」。弱い者いじめだよねえ(笑
……それはそれとして。
剣豪キャラのままストーリーを凝ったものにしたのが、黒澤明監督の『用心棒』『椿三十郎』。また、考えようによっては『名探偵コナン』『美味しんぼ』など、実はこのパターンなんじゃないかと思ってるんですね。コナン君は武闘ではなく頭脳の俺TUEEEE、山岡士郎は料理技術の俺TUEEEE。二人ともシリーズ通しての最終目的はあるものの、一話ごとの話では事件の当事者ではないことが多いですよね?
ここまで書いたのは、どちらかと言うと古典的な俺TUEEEEストーリー。主人公と物語が分離しているのが大きな特徴で、分離しているからこそ無双できるんです。そして分離していても成立するのは、キャラの魅力を徹底して前面に出しているからだと考えられます。
しかし、他にもパターンはあります。
先の書き込みに、現代日本の学園ものは異世界ファンタジーより主人公無双は難しいと書きました。
戦場ものや、生死にかかわる状況が普通という設定の異世界ものでは、主人公は強くなければむしろダメです。弱かったらすぐに死んじゃいますから。
その手の物語が俺TUEEEEと相性がいいのは、まずは単純にそういう理由だと思います。
くわえて異世界転移ものでは、「強くてニューゲーム」という手法が使えるのが大きいと思うんですね。特にゲーム空間型なら分かりやすくて『オーバーロード』が典型。主人公が隔絶して強いのはゲームの世界に入れ込んでスキルをアップしたためで、「課金アイテムにボーナスをつぎ込んだことがある」とかね(笑)。そもそもチートというのもゲーム用語だし。
そういうのでなくても前世での知識を利用できることをアドバンテージにしている例は多いと思います。
このジャンルで興味深いのが『幼女戦記』です。
主人公が悪役ともちょっと違うけれど、モラルとは無縁の性格。それと転生の理由が神様(存在X)の嫌がらせみたいな感じなのがユニークなんですね。打算的な主人公が、悪意のようにしつこく絡んでくる超越存在にだけは依怙地になって反抗するのがいい感じ。そういう屈折した設定とキャラクターが主人公無双に説得力を与えているという面白い例です。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信 (No: 12)
投稿日時:
ストーリーについてはサタンさんの回答が参考になると思います。
それとは別にあくまでも個人的な意見として、主人公の強さを描くには敵もまた強くなくてはならないと思います。例えばドラゴンを一撃で倒したとして、主人公を最強とするにはドラゴンが強いものだという描写が必要です。敵の強さをト書きに「一個師団に勝る」と書くだけでは不十分でしょう。悪党を描くなら実際に悪事を働いているところを、強者を描くなら強者の強者たる描写(悪のカリスマ)が必要になってきます。
主人公の無双描写にしても敵を弱くしすぎると爽快感よりも作業感のほうが強くなる恐れがあります。手下の雑魚を蹴散らすときはともかくボス級の敵まで同じように描いてしまうのはよろしくないでしょう。
主人公を苦戦すらさせずに無双させたい!の返信 (No: 13)
投稿日時:
真剣に無敵主人公を苦戦もなく無双させるのって難しいですよね。
シリアスにやればただの弱い者いじめ。米国が初手で核ミサイルみたいなものです。むしろ笑えない系の冗談にしかならない気すらします。
なろう系にあるような、シリアスから逃げた作風ならいくらでもいけそうですが。スマホのスリップなんかはその典型です。逆に言えば、コメディ色を強めれば楽にできるということでしょう。
もし冬空星屑さんがシリアスな苦戦もしない無双物やりたいのなら、それはイメージよりは大変でしょう。なんせ主人公は核兵器みたいなもので、出番があれば即戦闘終了みたいな扱いに困る存在になりますから。さらにそれで面白いものに仕上げるとなると至難でしょう。古来悪名高き「デウス・エクス・マキナ」ですから。
苦戦もしない無双物で近年の人気作といえば、「オーバーロード」や「転スラ」などですが、これらの作品も別に戦闘シーンで評価されてるわけではないですからね。無双物なのにバトルは添え物というところが、ひとつポイントになるでしょう。
序盤は主人公の見せ場がない、むしろあってはいけない作品になりますから、正直主人公に向いてません。序盤から動ける工夫、もしくは動かしやすい別キャラを主人公にする必要があると思います。