実在の宗教団体を元ネタにする際の注意点/新人賞下読みが回答

ドラコンさんの質問 2016/06/12

北斗さんが、宗教ネタの取り扱いについて質問されました。ですので、私からも以下の3点について、公募・ネット公開に際し、宗教関係者や被害者から抗議の恐れや著作権等倫理面につき、直接お伺いします。ジジさんのご見解をいただければ、幸いです。

1、実在の神名の使用

異世界ファンタジーを構想しているが、ヒロインの例えに弁財天や吉祥天の名を、裁判官の例えに閻魔の名を出したり、情景描写に馬頭観音を拝んでいるシーンを入れたりする(なお、これらの神々は作中で信仰されているとの設定)。

2、実在の教団を参考にする場合

悪役として、カルト宗教を構想している。実在の団体名は出さぬが、下記の3例のようなことをすると、倫理上問題は生じないか。

・オウム真理教が、1990年の衆議院選に立候補した際、象のお面をかぶって、「しょーこー、しょーこー」と教祖の名を連呼し、歌い踊っていた。これを模した場面を入れた場合。

・「お金が要らない仲良い楽しい村」と勧誘し、洗脳セミナーを開催。受講者に強烈な洗脳を施し、全財産を差し出させ、無報酬超長時間労働の集団生活を課す。これは、1990年代後半~2000年代初めに児童虐待で問題になった「ヤマギシ会」(同団体は「農事組合法人」で「宗教ではない」と主張。だが、カルト団体に分類されることがある)がヒント。

・霊感商法一般。先祖の因縁を強調して、壺やハンコを買わせたり、「教えについて勉強しなさい」と、教祖の著作を売り付けたりする行為。

3、実在の宗教戒律の使用

例えば、「イスラム教」と名指しはしないが、イスラム教を想定して、「西方地方人は、宗教上の理由で豚肉を食さない」と書く。

お忙しいところ、誠に恐縮ですが、お答えいただければ幸いです。

●下読みジジさんの回答

1、実在の神名の使用

民話や神話に登場する存在は特に問題ないかと思います。
ただ、異世界ファンタジーなのであれば、独自の和風宗教を設定したほうが物語的にはよいかとも思います。

2、実在の教団を参考にする場合

これはお勧めできません。
誰かを傷つける可能性が高く、大きな問題に発展する恐れがありますので。

ただ、

・霊感商法一般。先祖の因縁を強調して、壺やハンコを買わせたり、「教えについて勉強しなさい」と、教祖の著作を売り付けたりする行為。

このように特定の宗派ではなく、「新興宗教」などの大きなくくりで処理できるものなら問題にはならないかと。

3、実在の宗教戒律の使用

創作宗教で「たまたま」そのような類似点があるのは大丈夫でしょう。
できれば「なぜそのような戒律ができたのか」は独自設定を作っておくべきかとは思いますが。

宗教という題材はグレーゾーンが広く、どこからブラックに突入してしまうかわかりません。既存作で許されていたことが、突然大問題になってしまうこともあります。
ですので、作品に応じた新宗教を作ることをお勧めしたいところです。