選んだ題材を、物語に必要不可欠な要素にする方法の返信
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選んだ題材を、物語に必要不可欠な要素にする方法(元記事)
自分の書いた小説を、友人や新人賞の下読みの方に読んでもらったところ
「選んだ題材が、他のものとすげ替えても成立してしまう」と言われてしまいました。
仮に題材が「天使(ヒロイン)と悪魔(主人公)」だったとすると、
「天使と人間」や「人間と人間でも」作品は十分成立してしまうそうなんです。
しかしその指摘を受けても、何をどう改善すればいいのかいまいちよく分かりませんでした。
というか捻くれた見方をすれば、どんな作品の題材でも他のもので成立してしまうのではないかと思っている自分もいます。
たとえば猫型ロボットの『ドラえもん』だって、犬型でもいいし、たぬき型だって成立はすると思うんです。
(もちろん、猫型でないと微妙につじつまが合わないこともあるとは思いますが)
なので、どのように人物や物語を書けば、題材を必要不可欠なものにできるのかを教えてもらえればと思います。
できれば、例のようなものを交えて説明してもらえるとたいへん助かります。
厚かましい質問でもうしわけないんですが、よろしくお願いします。
選んだ題材を、物語に必要不可欠な要素にする方法の返信
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 1
>「選んだ題材が、他のものとすげ替えても成立してしまう」と言われてしまいました。
それはアイデアを活かし切っていないという意味だと思います。
>仮に題材が「天使(ヒロイン)と悪魔(主人公)」だったとすると、
>「天使と人間」や「人間と人間でも」作品は十分成立してしまうそうなんです。
>どのように人物や物語を書けば、題材を必要不可欠なものにできるのかを教えてもらえればと思います。
天使と悪魔という組み合わせによって、書き手がどういう効果を狙っているのかが重要です。そこがぼやけているのではないでしょうか? 思い当たる点はありませんか?
天使と悪魔のカップルというのは、ぱっと聞いただけでも面白そうな組み合わせではあります。ですがそれほど珍しい着想というほどでもなく、先例は探せばいくつも見つかるでしょう。なので天使と悪魔の組み合わせだと何が面白いのか、もう少し掘り下げて考えてみるといいんじゃないかと。
まあ常識的なイメージとしては善の担い手と悪の担い手ということになるので、お互いに葛藤が生じそうですよね? 天使の側からは最初は悪魔を拒否したり軽蔑したりするかもしれませんし、神界とか天使界とかそういうところに所属しているとしたら、「悪魔なんかと関わるな」と厳しく咎められることも想像されます。
出会いのエピソードにしても、例えば二人とも最初は人間に姿を変えて行動していて互いの正体に気づかず、後で知って愕然とするとか。いろいろなパターンが考えられます。
主人公とヒロインですから後半は素性の違いを超えて惹かれあうみたいな展開になりそうですが、悪魔の側はヒロインを汚さないために身を引こうとするかもしれません。
コメディであれば相反する二人の組み合わせが引き起こすドタバタ展開、シリアスならば許されざる関係ゆえの悲劇性など、こういう主人公とヒロインに設定したからこその面白さについて、書き手は明確に意識しないといけないんじゃないかと。
* * *
ドラえもんに触れていいらっしゃるので、それについても少し考えてみました。
>たとえば猫型ロボットの『ドラえもん』だって、犬型でもいいし、たぬき型だって成立はすると思うんです。
はい。
その通りでしょうが、そもそもあの作品の中でドラえもんが猫型ロボットであることはそれほど重要ではないのだと思います。
物語に散りばめられたアイデアや設定の中には、ストーリーの根幹を左右する重要なものも、さほど重要ではなく置き換え可能なものも、どちらもあると思うんですね。
ドラえもんの猫型ロボット設定は、どちらかと言うと後者でしょう。しかし、まったく無意味というわけでもなく、よくタヌキと間違えられて「僕は猫型だ!」と怒るとか、耳が無いのは確かネズミにかじられたんだったと思いますが、それで今でもネズミが苦手とか、かるい小ネタとしてはそれなりに活かされている部分もあります。
しかし、主人公とヒロインが悪魔と天使だというのは小ネタとは言えないんじゃないかな? いかにも波乱や葛藤が生じそうな組み合わせですから、読者もそんな展開を期待します。期待をさせておきながら大した波乱が起こらなかったり、起こっても主人公が悪魔であることにあまり関係がなかったりした場合に、読者は「この主人公、べつに悪魔にする必要は無かったんじゃない?」という感想をいだくことになります。
カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 選んだ題材を、物語に必要不可欠な要素にする方法