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伏線の回収率について (No: 1)
スレ主 大野知人 投稿日時:
先日、あるリアルの友人に作品を読んでもらったときに『回収しきれていない伏線がある』という風に言われました。
事実として俺の作品の伏線回収が悪く、微妙に不時着したみたいな作品になってしまったのですが……。
それはそれとして、『伏線って全部回収する必要があるのかな?』と思ったのです。
僕個人としては、2000年代初頭の西洋ファンタジーなんかが好きで、そういった作品の中にある黒幕の正体とか、魔法の使い方、視点ではない人物の感情の在り方とかの部分に暗喩とか一切なく読者が考える余地がドーン! ってくる作品が好きなのですが、流石にそれは日本じゃ受けないと理解してます。
実際問題、三日四日『なんじゃこりゃ!?』って悩みますし。そこが楽しいと思うのですが。
脱線しました。ともあれ、『読者の考える余地』の範囲について皆さんに問いたいと思います。よろしくお願いします。
カテゴリー: ストーリー
この質問に返信する!人気回答!伏線の回収率についての返信 (No: 2)
投稿日時:
読者に考える余地を残すということは、うまく使いこなせば余韻を残すということにつながるとは思います。必ずしもNGではないと考えますが、匙加減には注意が必要なのかなと。
そもそも、
1)未回収の伏線を残す。
2)明かされない秘密を残す。
3)ラスボスや黒幕など、倒されない大物の適役を残す。
これらは、似て非なるものなんじゃないかと。ご友人の指摘は1~3(または、その他)のどれにあたるとお考えですか。
2と3に関しては、一つのプロットの主筋となる要素にきっちり決着をつけていれば許容される場合もあると個人的には考えています。
しかし1は基本ダメでしょう。
私見ですが、プロット上のテクニックとしての「伏線」にも、大きく分けて二種類あるんじゃないかと。
4)意外性・衝撃性のある展開の前に、唐突感やご都合主義感を緩和するためにそれとなく情報をまいておく。(補強情報であることが後からわかるエピソード)
5)重要な展開・感動的な展開をより効果的にするための下準備。(明暗のはっきりした逆のエピソードなど)
5は例えば主人公の成長を描くストーリーなどの場合に使います。気弱な主人公がいじめっ子に勇敢に立ち向かうラストを効果的にするために、序盤でいじめっ子に脅かされて逆らえないシーンを見せておくなどです。
4と5の場合は、回収しなかったらまったく意味が無いことはお判りですよね?
* * *
もう一つ。
これも私見ですが、作者が意識しないのに伏線が生じてしまうというケースがあるように思います。
例えば、ヒロインや重要キャラの個性や魅力を際立たせるために、何か独特の言動をとらせるということがありますよね? しかしこういうのは読者に「何かの伏線かな?」と思われてしまうことがあるんじゃないかと。
で、伏線というのは4・5のように後半の大きな展開の下準備になっている場合が多いので、読者は期待感をいだきます。読者に期待させておいて肩透かしという感じになってしまうのはまずいんです。
「伏線が回収されていない」と指摘されて「え、そうかな?」と思うときって、けっこうこのケースもあるんじゃないかと。書き手は伏線のつもりではなかったので、意外に感じるんですね。しかし重要なのは作者の意図ではなく読者がどう受け取るかですから、これはけっこう落し穴になりかねないようです。(私にも経験があるし、他の方が同じミスをやっているのを見かけることもあります)
補足 (No: 3)
投稿日時:
最後に書いたのは、伏線の未回収というよりも、「風呂敷を広げすぎて畳み切れなかった」というケースになります。
伏線の回収率についての返信 (No: 4)
投稿日時:
なるほど、ありがとうございます。
友人が指摘してくれたのは『主人公の葛藤』に関する問題です。
風呂敷の広げすぎ、に当たるんでしょうね。『余韻』云々ではなく、バトルシーンその他の都合で『主人公がめっちゃモヤモヤしたまま終わる』作品になっていただけです。
全面的に俺が悪いねん。
ただ、今回の質問の意図としては『主人公がちょっとくらいモヤモヤしたまま終わってもいいんじゃないの?』って話です。
あまくささん、ありがとうございました。
伏線の回収率についての返信の返信 (No: 5)
投稿日時:
>ただ、今回の質問の意図としては『主人公がちょっとくらいモヤモヤしたまま終わってもいいんじゃないの?』って話です。
いいと思いますが、それではただの一般論になってしまいます。御作については何とも言えないという結論しか申し上げられませんが、それでいいのでしょうか?
>『主人公の葛藤』に関する問題
>バトルシーンその他の都合で『主人公がめっちゃモヤモヤしたまま終わる』作品になっていた
ということでしたら、ご友人の指摘する「モヤモヤ」の意味は「読者が納得できる結末になっておらず、消化不良」ということかと考えられます。そうであればダメに決まっていると言うしかありませんが、御作も拝読していませんし、ご友人の意見も正確に伺っていませんから、何とも言えないということになります。
伏線の回収率についての返信 (No: 6)
投稿日時:
伏線は全て回収すべきですが、これはおそらくその「回収のしかた」の問題ではないかなと思います。
例えば、何らかの事件の黒幕があったとします。
「黒幕はAだ!」と明示するのが一番わかりやすい回収のしかた。
一方、「あのときAはこういう発言をしていた」「Aの仄暗い過去が垣間見える資料が見つかる」「黒幕と思われる人物と同じ身体的特徴があった」と、Aが黒幕であることを示唆するのみで明示しない、というのが読者に投げかける回収のしかた。
後者の場合はもちろん程度があって、「黒幕と思われる人物と同じ身体的特徴があった」なんてのは考えるまでもなくAと黒幕を繋げる要素なので、ミスリードにも使われるけど難易度は低い方。つまり読者としても頭をあまり使わなくて済む。
まあ、要するに伏線に対し「答え」を書くか「ヒント」を書くかの違いで、後者の「ヒント」の場合は「わかりやすいヒント」というヒントの程度もあるし、一個で答えが出るわけではないので多くのヒントを書くことになる。その数の多さ少なさも関係してくる。
で、基本的に伏線は全て回収すべきものなので……
……えーっと、それについても少し書くと、回収しない伏線はそもそも出す必要がないので、例えば序盤で「銃」について印象づけてるのに殺人現場には銃がなくて結局犯行に使われた凶器も銃ではない、となると、じゃあ最初の銃エピソード必要あった? ってことになる。
これはキャラの性格描写や過去エピソードの紹介なんかも同じで、そもそも回収しないなら出す必要がない、すなわち回収しないなら出した事それ自体が作者のミスってことだと思う。
だから、基本的に全て回収する必要がある。
でも回収してない作品もけっこうあるじゃん、って事は前述した通り、それは「ヒント」という仕方で回収してて「答え」という形で明示してないだけ。
だから「考える余地がある」わけで、これは伏線回収してないわけではないし、意図的に回収放棄して読者の思考にお任せしますってわけでもない。
裁判や刑事ドラマで「直接証拠」と「状況証拠」って言葉聞いたこと無いでしょうか。
直接証拠は「Aが被害者を殺害した映像」とか直接的な証拠。
状況証拠は「Aが被害者を殺害する可能性がある証拠」例えば「現場に指紋がある」とか「犯人と同じパーカーを所持している」とか「Aは被害者を憎んでいた」とか。そういう状況証拠が積み重なると、直接的な証拠がなくとも「Aが犯人である」と断定できる。
この裁判の事例を創作に当てはめると、つまりは「状況証拠の積み重ね」が「読者の考える余地」に繋がる。
「Aが犯人である」と断定できるほどのヒントが作中で書かれていないのに作品が終わってしまえばモヤモヤしか残らない。
断定できる(仮説を立てられる)だけのヒントがあって、はじめて読者は考えることができる。
なので、私としてはソレが『読者の考える余地』の範囲と答えるけど、これってまあ結構作者それぞれの感性によって違いますし、それとは別に、作品が持ってる事情が関係してきたりもしますからね。
伏線の回収率についての返信 (No: 7)
投稿日時:
あまくささん、再度の意見ありがとうございます。
サタンさんも意見ありがとうございます。
どうも聞いていると、僕が『伏線』と呼んでいるナニカは広義に過ぎたようです。
いろいろ意見をもらっておいて申し訳ないのですが、まずそこから咀嚼して考え直してみます。
サタンさんが言うところの『答え』と『ヒント』の両方を『伏線』として処理していたために今回のような問題が起こったと思っています。友人とも一度何を『伏線』としているのか意見交換してみます。
まとめ方を理解していなかったのは僕の落ち度ではありますが、恐らくサタンさんの言うところが僕の考えに近いでしょう。
『はっきりとわかるほどではないがそうっぽい?』というあいまいなヒントを解決せずに、読者の思考の余地として残す作品が現代日本で受けるのか?というのが僕の質問であり、『やりすぎるのでなければ大丈夫だろう』というのが答えだと考えるのですが、概ねあっているでしょうか?
伏線の回収率についての返信の返信 (No: 9)
投稿日時:
>『やりすぎるのでなければ大丈夫だろう』というのが答えだと考えるのですが
私の意見はちょっと違うかな。
中途半端なのが一番よくないから、やるなら突き抜けたほうが、つまり「やりすぎたほうが」良いと思う。
例えば『新世紀エヴァンゲリオン』なんてわけわかんないですよね。
黒幕ゼーレやその子分っぽかったのに反旗を翻したっぽい碇ゲンドウは結局何したかったん、というのも私が言うところの「答え」は描かれていない。
まあ、そういう「読者に考察させたい」タイプのお悩み相談なら、正直「やめとけ」って止めるとこだけど、私が止める理由の一つが前の返信でお答えした内容に関わってきて、
要するに、そういうタイプの人は伏線を張るだけでヒントを出さず「さあ考察しろ」って態度だから、確実に失敗するし、そういう考察する作品は別に伏線を回収してないわけではないぞ、という警鐘のような回答でした。
そんで、まあ、「答え」を書くのは正直楽なんですよ。正解をまんま書けばいいだけなんで、極論設定を書いてしまえばそれでOK。
でも、「ヒント」ってのはそれなりに難しくて、これはあまくささんの回答と少しカブるのだけど、「ヒント」が弱いと、そもそも読者が「それをヒントと思ってくれない」って問題があったり、作者の癖やちょっとした性格描写が「これはヒントだ」と思われてしまったり、正直、書き慣れてないと匙加減が難しい。
だから、そういう作品を書きたいのであれば、作家性を考えたほうがいいと思う。
つまり、「この作家はこういうの書く人だ」と認識してもらったほうが手っ取り早く読者に伝えられる。
例えば「まどかマギカ」や「PSYCHO-PASS」の虚淵玄は、上げて落とす展開が好きな人なので、サブキャラがピンチを切り抜けてギリギリ助かりましたって展開だと、だいたいそのキャラはそのあとすぐに死ぬんだよね。
虚淵玄の芸風(あえて作風とは言わない)はソレなので、そこが魅力でみんな読んでる。
そんな感じで、「この作家は思わせぶりな事書いてたら、それはヒントだ」と思ってもらうのが一番だと思う。
「伏線」と「回収」ってのは、例えば「問題」と「解答」の関係と同じようなもので、「問題」が投げかけられてるのにヒントも解答もないんじゃ、それはまさしく「お話にならない」と思う。
でも、解答がなくとも「ヒント」さえあって、解答を導き出せる状態なのであれば、それは「読者の中では解答が得られてる(得られる可能性がある)」ので、問題ないと思う。
この状態を作れているのであれば、答えを書かず「ヒント」だけで物語を終わらせるのは、ぜんぜんアリ。
現代日本でも問題なく受け入れられると思う。
まあ、でも確かにWebだと頭空っぽにして読むのがウケやすいから、考えなきゃならない「ヒント」のやりかたはWebではウケにくいかなとは思う。
新人賞や本になってるラノベであれば最後まで読む率がWebより高いので、Webより書籍のほうが向いてるんじゃないかな。
私の意見をもっとわかりやすく端的に言えば、
>『はっきりとわかるほどではないがそうっぽい?』
このヒントの出し方次第。
「そうっぽい?」というだけでは解答を読者に丸投げしてるだけ。
「この中に一人だけ嘘をついてる人がいます」ってクイズあったりするじゃん? そのクイズに書いてあることが情報不足で答えが出なかったら、そんなクイズ面白くないでしょ。って感じ。
だから、ちゃんと出来てるなら現代日本でウケないことはないし、むしろ考察好きは多いから人気出るんじゃないかな。
でも、難しいから「ちゃんと出来てるなら」って前提を満足にクリアできる人がプロ・アマ問わずほとんどいない。
というかおそらく難しいうえに面倒くさいしリスキーすぎてやる人が極端に少ないんだと思う。
書き手の中で、そういうのやりたいって思ってる人は結構多いと思うし、エヴァの例があるように受け入れられる土壌は今なおあると思う。
伏線の回収率についての返信の返信の返信 (No: 10)
投稿日時:
完全に分かった、と言えるほどの理解力がない僕ではありますが、かみ砕いて考えて努力したいと思います。
ありがとうございました。
伏線の回収率についての返信 (No: 8)
投稿日時:
あ、すみません。追記。聞いているのは一般論です。
ちなみに全部『嘘』だ! (No: 11)
投稿日時:
お前、天才か? 今度やってみよう。
でも、そういうのは素人が昨日、今日考えたネタを丸パクリするから出来るテクニックだと思うんだよね。
こう、基礎が全く出来てない素人が逃げる感じでさ!
他人の餌を横取りしてこそ、『プロ』ってもんに成るんだよね!