実際の事件を小説の元ネタにするのは避けるべき!/新人賞下読みが回答

ドラコンさんの質問 2016/06/12

先の質問「実在の宗教団体を元ネタにする際の注意点」に関連して、「実際の事件から構想を得た場合」の、倫理上の注意点はありますでしょうか。

「実際の事件から構想」と聞くと、私は史実の「赤穂事件」と、創作の『仮名手本忠臣蔵』の関係を思い出します。

『仮名手本忠臣蔵』は、さすがに徳川幕府をはばかって、時代設定を南北朝~室町時代初期の『太平記』のころに移しています。

これにならって、例えば現代日本で起きた事件なら、平安朝風和風ファンタジー世界や、中世ヨーロッパ風ファンタジー世界といった、「架空世界」へ舞台を移すのが、「問題を起こりにくくする一案では?」と考えています。

この長寿社会では、何百年も前の歴史的事件ならともかく、数年前の事件はもちろん、5、60年前の事件でも、関係者が生存している可能性がありますね。極端なことをいえば、100年前の事件でも、「幼いころかわいがってくれたおばあちゃんを、あの事件で亡くした」という人がいるかもしれません。

「表現の自由」とはいえ、誰かを傷つけたくはないですから。

●下読みジジさんの回答

応募作であることを前提にお返事すれば、実在の事件を扱うこと自体をお勧めしません。
先も述べましたが、どこの誰を傷つけるかわからない題材ですし、なによりも応募者が考えたネタではない――応募者の実力外の要素になるからです。

構想を得るのはもちろん問題になりませんが、その展開を実在の事件に沿うのなら、それは「ボクの視点で『ロミオとジュリエット』をオリジナル小説化しました!」と賞へ応募してしまうことと同じです。