掌編小説を書くための5つのコツ
- オチを最初に決めて、そこに落とし込むようにストーリーを考える(掌編はオチが重要)
- 描写は必要最低限に
- 登場人物の数は多くても3人。(2人で十分)
- お題を決める
- タイマーを使って40分以内に書き上げる、などと時間制限を作る。
最大のコツは、お題を決めることです。
ばくぜんと、なにか書きたいことを書いてください、と言われてもアイディアは出てきません。
しかし、例えば「海」「少女」という2つのキーワードを入れて掌編小説を書いてください。とお題を与えられれば、海を舞台にしたラブコメや、海を舞台にしたホラー小説が頭に浮かぶと思います。
さらに、タイマーアプリを使って、とにかく40分以内に書き上げると決めると、最初の一行が書けます。
(500~800文字くらいのショートストーリーが最初は良いです。普通の人が40分で書けるのはこの範囲)
小説は最初の一行を書くのがとにかく大変です。良い物を書こうとするあまり、永遠に書けなくなる罠にはまります。
しかし、最初の一行を書いてさえしまえば、次の一行も書けて、物語が頭から出てくるようになります。
そうやって40分以内に書き上げた小説が気に入らなかったら、改稿しましょう。
小説は改稿を加えるたびに品質がアップします。最初から完璧なものをアウトプットする必要はないのです。
プロ作家の場合、長編小説を平均5回は改稿するそうです。
500万部以上を売り上げた人気作『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(2008/8 刊行)の第1話は、十回以上修正が加えられたそうです(2話と3話も同じくらい修正したそうです)。
とりあえず、てきとうでも良いので書いてみて、あとから改善する。
これがベストな小説の書き方です。
掌編、短編小説のお題は、『即興小説トレーニング』『三題噺スイッチ改訂版』というサイトを使えば出してもらえます。試してみてください。
物語の基本テンプレ
どうしても掌編小説のストーリーが思いつかない! という方のために物語の基本テンプレを紹介します。
主人公が何か達成したい願望、目的を持っており、これを妨害する状況や敵と戦って、目的を達成するのが物語の基本テンプレです。
物語を思いつかない場合は、以下の2点を決めれば、自然と話が作れます。
- 主人公に何か達成したい願望、目的を持たせる。
- これを妨害する状況や敵を作る。
小説をあまり読んだことがなくても大丈夫! あなたが子供の頃に読んだ童話や絵本が参考になります。
例えば、アンデルセン童話の『人魚姫』では、
主人公の人魚姫は人間の王子に恋をするが、種族が違うので恋人になれない。
(目的とこれを妨害する状況)
人魚姫は、魔女に人間に変身させてもらうが、代償として声が出せなくなる。
(目的達成のために行動するが、目的をはばむ新たな問題が発生)
さらに、隣国の姫と王子の縁談が持ち上がるなど、次々に問題が降りかかります。
恋愛物語なら、好きな相手がいるが何らかの理由で結ばれることができず、これをクリアするために主人公が行動するのが基本テンプレになります。
人魚姫の物語の骨組みを応用して、現代を舞台にした物語を試しに作ってみましょう。
(目的とこれを妨害する状況)
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太っている原因は父親がパティシエで新作ケーキの味見をさせられるからだ。父と喧嘩し、必死にダイエットして半年で50キロ痩せる。痩せたら意外と美人だったようで、周囲の男性からの人気が急上昇する。
(目的を達成するべく行動する)
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自信を持って告白したら、実は彼は太った女性が好みで、半年前のキミが理想の女性だったと言われる。
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主人公は彼と付き合いながら、今度は太る努力をする。今までがまんして食べられなかった大好きなケーキを頬張って終わる。
(オチ)
主人公の恋愛を妨害する状況を変えたり、その状況をどうやって解決するかで、千差万別の物語を作ることが可能です。ぜひ、試してみてください!