小説の書き方講座。初心者が犯しがちなプロローグのミスとは?序盤の2つの鉄則

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物語の冒頭。初心者とプロの違い

物語の冒頭は

✕ 初心者。壮大な物語を予感させる
○ プロ。主人公を好きになってもらう

初心者の小説は、冒頭で視点移動を繰り返して、誰が主人公なのかわからなくなるのが特徴です。

これは小説とは壮大な物語を書いたもので、それを予感させるのが冒頭の役割だと勘違いしているからです。

プロ作家は主人公への共感と、主人公が成功することを予感させます。

これによって、読者に主人公を好きになってもらうのが目的です。

小説とは主人公の活躍を描くのが、本質だからです。

冒頭2つの鉄則

  • 主人公の弱さ、ダメな部分を見せて共感させる
  • 主人公が最強、または天才であることを示して、成功を予感させる

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初心者の小説は主人公が誰であるかわからない

例えば、プロローグと一章と二章で、視点人物を変えていたりすると、誰が主人公であるのかわからなくなります

初心者の小説によく見られる構成で、ほぼ確実に失敗するパターンです。

小説の読者は主人公になりきって物語を楽しみます。

主人公がすぐに登場しなかったり、序盤に章ごとに視点人物を変えていたりすると、誰になりきって物語を楽しんでよいかわからず、即さようならをされる原因になります。

  • 主人公はなるべく早く登場させる
  • 序盤は視点人物を固定する

この2つを守りましょう。

プロの小説は主人公への共感と主人公が成功することを予感させる

シリーズ累計1200万部発行の大ヒット作『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(2013/1 刊行)のプロローグと第一章の構造を分析します。
(ページはp4からが小説本文です)

重要なポイントは、最初に主人公の弱さやダメな部分を見せて、読者にこの主人公は自分と同じ人間なんだと共感させていること。

その後、主人公が天才であり、将来、成功することを予感させることで、これからの長い話に付き合おうと読者に思わせることができます。

ダンまち。プロローグの構造

  1. 主人公のベルは、ダンジョンでモンスターに襲われて逃げ回る(最初の挫折。)(p4)
    主人公の弱さ、ダメな部分を見せて共感させる
  2. 【剣姫】アインズ・ヴァレンシュタインに助けられて、彼女のことが好きになる。(ヒロインの登場)(p7)

ダンまち。第一章の構造

  1. アインズに認められるために強くなることを目指す(主人公の目的を提示)(p20)
  2. ベルのことが大好きで徹底的に応援してくれる家族(妹、母)のような存在、女神ヘスティアの登場(仲間や家族から愛されている。快感ポイント)(ヒロインの登場)(p26)
  3. ベルがユニークスキル【憧憬一途】を持っていることが判明。(主人公が天才であり、成功することを予感させる)(p44)

これで第一章が終了しています。

プロローグから第一章までの間、視点は主人公のベルに固定されています。
これによって、読者は主人公のことをよく知ることができます。

冒頭のエピソードで入れておいた方が良い6つの要素

すべてを入れる必要はありません。

  • 主人公の目的。やりたい事を提示
  • ラブコメ要素があるなら、ヒロインは早めに登場させる
  • 弱い者を助ける。SAVE THE CATの法則(主人公を好きになってもらうためのテクニック)
  • 主人公が天才、または最強であることを示す(成功を予感させる。読者の承認欲求を満たす)
  • 主人公が仲間や家族から愛されている(ラノベの場合。読者の承認欲求を満たす)
  • 最初の挫折。マイナスからスタート。その後のストーリーは勝利と成長を積み重ねる(弱い部分、ダメな部分を最初に見せることで主人公に共感させる)
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