自作小説の冒頭シーンについての相談の返信
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自作小説の冒頭シーンについての相談(元記事)
お久しぶりです、半額オソーザイと申します。前回相談を投稿したのが3ヶ月前に1回きりだったので、音沙汰もなかったので影は薄いと思います。
あれから少しずつですが勉強を始めて、小説の書き方も思い出してきたところです(ただ、トレンド研究がまだなので、流行には乗れていないと思いますが……)。まずは”小説家になろう”に投稿して、少しでも手応えのある成果を得ようと思い、そちらに投稿することを前提とした異世界転生モノの作品の執筆を現在行っています。
ただ、小説作品における「冒頭シーン、序盤、第1話でどれだけ読者の気を惹けるか」がイマイチ掴めず、自分ではあまり面白いと感じられるものが書けていないと感じてしまいます。タイトルと同じぐらい冒頭は大切だと聞いたので、読者視点で続きが読みたいと思えるものに仕上げていきたいと感じていますが、どうにも読者視点が自分だけでは分からないので、こちらに相談させていただくことにしました。
【主に意見を頂きたいところ】
・読んでみたいと思えるタイトルかどうか。
・冒頭を読んで、続きが読みたいと思えるものか。
・そもそも異世界転生モノとしてどうなのか。陳腐? ありきたり?
何度も書き直すことは承知のうえで、まずはトライ&エラーと思ってチャレンジしている次第ですので、どんな意見でも構いません(面白くなかった、つまらなかった。の一言でも大丈夫です。どんな意見でも改善の手がかりにはなるので……)。
皆様の忌憚のないご意見、お待ちしております。
↓小説冒頭のURLです↓
https://ncode.syosetu.com/n0838hb/
自作小説の冒頭シーンについての相談の返信
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 3
先の書き込みで次のように書きました。もう一度、繰り返します。
(再掲)
そもそもこの作品、異世界転生モノなのでしょうか? 主人公が「転生者」ではなく、ストーリー的にも転生モノのテンプレを使っていないですよね? そこが、この作品の長所にも短所にもなりうる点だと思います。
(再掲、終わり)
いまいち理解されていないようなので、極論気味に書き直します。
1)本作は「異世界転生もの」ではありません。
2)この作品で「異世界転生もの」が好きな読者にウケる見込みはほぼありません。
3)よって、タイトルに「異世界転生」とつけるのは逆効果。推奨できません。
4)しかし以上のことは、御作の大きな長所になっている可能性があります。
1~3については、読むせんさんが最初の書き込みで端的に指摘されています。失礼して引用します。
(引用)
タイトルうんぬんについては③も兼ねているんですが『小説家になろう』において『異世界転生』は【俺ツエー×ハーレム×ヒャッハー!!!】と同義になりつつあります。
なので、転生した主人公が、某ぷよぷよのごとく現地人やらモンスターやらを爽快な連鎖でぶち倒す爽快ヒャッハーが読みたい人が、ページを開いて一番
―――「どうせ転生者のほうが上に決まっている」最近はそんな言葉をよく耳にする。
あ、反異世界チート物かよ (゚⊿゚)イラネ -
・・・・と逃げると思う。
ーーーーーーーーーーーーーーー
タイトルが【「どうせ転生者のほうが上に決まっている。」】とかなら、主人公は現地人で現地人成り上がりもの、反( アンチ)転生チ―ト物とかを連想し、
【そういう物語】を読みたい読者がページを開くと思います。
(引用、終わり)
この指摘に対してスレ主様は、
>・反異世界チート物
>⇒その自覚はないのですが(というか、アンチ系って叩かれそうで怖いし、自分の好きなものをぶち込む以外は基本できないっす……)、そうなると期待されているのは「主人公が転生者を倒す」ですよね?
と返されています。
違います!
読むせんさんの指摘を誤読……と言うと言いすぎかもしれませんが、理解のポイントがずれています。
ここ、重要なので詳しく説明します。
構想されている作品が、異世界転生ファンにウケるかどうか。
反異世界チートものを意図しているのかどうか。
それ自体は、どちらでもいいのです。
この部分の読むせんさんの意見は単に、
◎タイトル詐欺。
それだけです。
異世界転生というワードをタイトルに入れれば、多少、そういう作品が好きな読者に期待を与えるかもしれません。しかし、本編の1行目でいきなり、その期待を裏切っているかもしれませんよ、ということです。
>どうせ転生者のほうが上に決まっている。
>最近はそんな言葉をよく耳にする。
この冒頭は、「俺TUEEE系異世界転生モノ」に興味のない読者が読めば「お? ちょっと面白くなりそうかも?」と思わせる、けっこう良い書き出しなんですね。
しかしタイトルの「異世界転生」ワードに惹かれて読みに来る読者はほぼ「俺TUEEE系異世界転生モノ」ファンだと思われるので、そういう読者は高い確率で、この冒頭で読む気が失せてしまうと思われます。
その時点で大きな失点なので、
>そうなると期待されているのは「主人公が転生者を倒す」ですよね?
これはもう手遅れです。
お分かりでしょうか?
要するに、狙いとアピールポイントが一致していないことが問題なのであって、狙いそのものは「俺TUEEE転生者推し」でも「反俺TUEEE転生者」でも、どちらでもいいんです。
スレ主様の理解がずれていると思ったのは、私や読むせんさんの意見に対して、「反俺TUEEE転生者」の方向に振り切れというアドバイスだと受け取られたご様子だからです。しかし、そういうことは別にお勧めしていません。なので、
>今後の展開で協力関係や、友情を育むとかはマズいのでしょうか?
ぜんぜんマズくありません。良い構想だと思います。
ただ現状では、タイトル、冒頭の文章、その後の展開。この三つが読者に与える印象がチグハグになってしまう可能性があるので、そこを調整してください、という話です。
* * *
で、ですね。
(再再掲)
そこが、この作品の長所にも短所にもなりうる点だと思います。
4)しかし以上のことは、御作の大きな長所になっている可能性があります。
(再再掲、終わり)
言いたいのは、こっちです。
>どうせ転生者のほうが上に決まっている。
>最近はそんな言葉をよく耳にする。
この書き出しそのものは、けっこう良いと思います。今は「俺TUEEE異世界転生モノ」が氾濫しすぎているので、そういうのに食傷している読者には良いアピールになる可能性があるからです。
まず、これが言いたかったんですよ。どういう読者に向けて作品を書くのかを、意識しましょう。それを意識していれば、安易に「タイトルに異世界転生って入れればいいよね?」なんて発想が浮かぶはずもありません。異世界転生を入れるなら、かと言って俺TUEEE転生推しではないということを匂わせる工夫が必要です。
ラノベ、転生モノではありませんが、海外SFの有名作にP・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』というのがあります。「アンドロイドにも心があるのか?」が作品のテーマで、さらには普通に自分は人間だと信じていた主人公が後半、「実は、俺もアンドロイドなんじゃないか?」と迷いはじめるストーリーです。
内容とテーマを巧みに暗示した洒落たタイトルだと思います。参考になるかもしれません。
タイトルに関しては、ここまで。
次、私がお伝えしたいことの最終局面に移ります。
* * *
御作の方向性は、俺TUEEE系異世界転生モノではありません。
しかし、「異世界転生者」という要素が、重要なセントラルクエスチョンと位置づけられています。
そう思った理由は三つ。
1)テンプレ的異世界転生モノに食傷気味の読者を狙った冒頭が選択されている。
2)主人公のコンプレックスの原因となる過去の経験に、転生者が強く係わっている。
3)妹が転生者であり、にもかかわらず力が発揮できず、むしろ劣等者になってしまっている。
これだけ揃っていて、転生がストーリーの中心軸にならなかったらへんです。
加えて3は大きな謎をはらんでいます。そこから、
4)この世界における転生という現象に、大きな秘密が隠されているのではないか?
5)妹の現在の不遇はその秘密に係わっているのではないか?
読者は嫌でも4・5を想像し、期待します。そういう雰囲気を醸し出していることが、「妹のシーンは良い」という意見が集まった理由だと考えます。
なので、
>これからの展開を言うと、
(中略)
>そこで妹が覚醒し
妹の覚醒はプロット的に必然で、そうならなかったらウソという序盤のセットアップになっています。
結論。
示していただいた序盤の文章と、このスレのやりとりに書かれた構想は、大筋としては妥当。このまま先に進めることをお勧めしたいです。
注意点。
想定読者はストレートな「俺TUEEE系異世界転生モノ」ファンではなく、そういう作品に食傷気味の人。転生モノをよく読んではいて(そういう人でないと、転生をひねった世界観がピンとこない)、その上で目新しいものを求めている人、になります。
そして、ストーリーの方向性は。
転生という現象に、この作品独自の大きな秘密を用意すること。
それが妹とからんで後半~終盤に明かされ、一気に世界が広がるような流れを作るのが望ましい。
と、考えます。
これは「妹との平和な生活を望む」、「転生者は悪人ばかりではなく、最終的には主人公と転生者との新たな絆が生まれる」という構想と、問題なく両立すると思います。
以上です。
カテゴリー : 小説の批評依頼 スレッド: 自作小説の冒頭シーンについての相談