小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

黒鐘 黒ぅさんの返信一覧。得点の高い順3ページ目

元記事:世界観構築の共通点について

人気作品は現実に起こる「かもしれない」と思える設定が多い気がします。例えば「リゼロ」や「このすば」あるいは「空の境界」では主人公が交通事故にあっていますよね。そして事故を通して異世界へ行けたり、あるいは能力に目覚めたり。交通事故という誰にでも起こりうる事柄を通す事でキャラへの親近感を高めていると言うか。他にも「SAO」や「禁書目録」も科学が発展すれば「もしかすると自分達にも起こりうるのでは?」と思えますし。
ここで、皆さんのご意見を聞かせてください。
物語の世界観を構築するにあたって、「現実でも起きるかもしれない」という物は必ず必要だと思いますか?

上記の回答(世界観構築の共通点についての返信)

投稿者 黒鐘 黒ぅ : 2 投稿日時:

「現実に起こるかもしれない」という設定が必要とは、一概に言えないですね。
単純な話、「現実味」が必要なだけなんですよ。
ぶっちゃけると、読者側はどんな事も「現実にも起こりそう」とか思ってます。読者が主人公に自己投影してる以上、主人公に起きた事は全て読者の身に起きた事なんです。
ですから、「現実にも起こりそう」というのは正直当てになりません。

では現実味とは何なのか、という事ですが、「現実にもありえる」というより、「現実っぽさ」って事じゃないかと。
SAOとかは良い例ですね。ゲームに囚われたプレイヤー達は、ゲーム攻略を目指したり、店を営んで攻略組を支えたり、恐怖のあまりにはじまりの街に引きこもったり、殺人を犯したり、自殺したり…………。とる行動は人それぞれです。
こういった事には現実らしさがあります。プレイヤー全員が攻略を目指して「頑張るぞー! エイエイオー!」なんて有り得ませんから。
「現実だったらこうなるだろう」という設定の方が、必要なんじゃないかと。

とはいえ、当てにならなくとも、「交通事故に遭って異世界に転生」みたいな展開にも、大きなメリットがあります。
ニシン様の仰るような「自分にも起こるかもしれない事に遭い、非日常へと足を踏み入れる」的な展開を、読者は強く求めています。そういった展開があれば、多少、読んでもらえやすいかと。
もちろん上記の事には個人差がある上、現実味への繋がりも微妙ですが。

「現実にも起こるかも」という展開は否定しませんが、「現実にも有り得る=現実味がある」という訳では無い事を、頭に入れておいたほうがいいかと。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 世界観構築の共通点について

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元記事:冷静な強キャラを怒らせる

私が書こうとしている物語で以下の展開があります。

登場人物
主人公A:男
敵女B:大人の女。悪の組織に所属する冷静な悪女。後々ヒロインになる

展開
1:BはAを確実に抹殺するために、念入りに作戦を立てて追い詰める。
2:しかし、すべてを覆され、逆にAに追い詰められる
3:どんなときも冷静なBが失敗に次ぐ失敗で冷静さを失い激昂する

この3なのですが冷静で大物な大人の女が激昂するというのは自分でどうしても違和感があります。Bには最終的にAに屈服してほしいのですが、Bの強キャラ感を残しつつ、Aに感情剥き出しで敗北させるにはどうしたらいいでしょうか?

どなたか教えてください。
お願いします。

上記の回答(冷静な強キャラを怒らせるの返信)

投稿者 黒鐘 黒ぅ : 2 投稿日時:

設定が足りていないかと思います。
ただ冷静と決めただけでは、激昴する事に違和感があります。

違和感というのは、「文章が下手で生まれる」、「設定の甘さから生まれる」といったように様々な理由がありますが、今回は設定の甘さ故だと思います。逆に言えば、設定さえ工夫すればいいって事です。
例えばBに、「プライドが高いため、今まで冷静さを保ってあらゆる事をこなし、プライドを守ってきた」というような設定があれば、そのプライドを今までに無い程傷つけられる、といった状態での激昴も頷けます。

また、その入念な計画を完膚無きまでに叩きのめす、といった展開が見られますが、それも工夫で補わない限りは違和感しかありません。

ノーゲーム・ノーライフという作品は、主人公とその妹が異世界を征服するというもので、物語中主人公(人類)が強敵(神殺しと呼ばれる種族中最強クラスのほぼチートキャラ)と特殊な「しりとり」で勝負します。
そして主人公は、異世界では認知されていない「科学理論」を用いて強敵を破りました。
これには、「主人公が科学理論について詳しい」、「異世界では科学理論が認知されていない」、「異世界からの訪問者が現れたのは初めてだった」という数多くの設定かあったからこそです。
設定が甘いようでは、主人公がほぼチートの強敵に勝つなんて理解不能です。

上記のように、改善点は「冷静なBが激昴する理由」「入念な計画をAが打ち破れる理由」を、設定を用いてつくる事です。
読んでいる側に違和感を与えるのが駄目なのは、言うまでもありません。
もっと設定量を増やし、違和感を無くすように工夫すべきでしょう。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 冷静な強キャラを怒らせる

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元記事:キャラクターによる殺害描写

バトル物のライトノベルにおいて、メインキャラクターに悪役を殺させるのは、控えた方が良いのでしょうか?
物語において、悪役を退場させるなら死亡退場は鉄板だと思うのですが、さすがにメインキャラクターにやらせるのは避けるべきでしょうか?

上記の回答(キャラクターによる殺害描写の返信)

投稿者 黒鐘 黒ぅ : 2 投稿日時:

殺害のような行為自体は、出しても大丈夫です(あまり頻繁に出てくると嫌になるかも)。
しかし、その殺害をするというキャラの感情は、しっかりと考え、描写せねばなりません。
というのも、殺害をしたキャラの性格によって、そのキャラが「自分が殺人を犯した」という事実をどう受け止めるかは変わってきます。

そのキャラの性格が「正義感が強い」というものなら、殺人したのに平然としてるなんておかしいです。
強い自己嫌悪を感じる、半狂乱になる、塞ぎ込む、自殺してしまう、など、反応は様々。
まぁ、ここまで酷い事になるかは微妙ですが、わかりやすく言うとこんな感じってことです。
殺害したなら、それなりの反応はあるでしょう、と。
逆に闇を抱えていたりすると、無反応というのも有り得るでしょう。

また、殺害する相手がモンスターの場合、ほとんどの作品では誰も気にしていません。相手によっても変わってくるので、こちらも意識してみたほうがよろしいかと。とはいえ、キャラの感情ほど意識する必要もありませんが。

といったように、殺害するならそれらしいの反応を示す、という事を注意しておいたら、それほど問題はありません。

カテゴリー : キャラクター スレッド: キャラクターによる殺害描写

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元記事:キャラクターの動かし方

どのキャラクターに、どういう順番で、どういうセリフを言わせていいのかわかりません(キャラやストーリーの作り方はいろんなサイトに載ってるのでなんとなくわかりましたが)。

たとえば鬼退治が目標で主人公の桃太郎、犬、キジ、猿、敵役の鬼など登場人物が複数いる場合、どうやって会話をさせれば正解かわかりません。セオリーとかあるのでしょうか?狂言回しは誰が担当すればいいのでしょうか?プロはどのように作ってるのでしょうか?あなたの作り方でもいいので教えてください

上記の回答(キャラクターの動かし方の返信)

投稿者 黒鐘 黒ぅ : 2 投稿日時:

やり方は「色々あるよ」って言うのが正解な気がするので、個人的に意識したほうがいい二点について。

まず、設定量。
例で出された桃太郎についてですが、そもそもあのメンバーを決めただけでは、どの順番で喋るかなんてわかる訳ありません。
桃太郎、犬、キジ、猿、鬼、誰一人として「性格」が定まり切っていないのですから。
人間でも、何らかの感情を起こすのは「性格」あってこそ。そこに、「過去」「立場」「目的」「人間関係」「状況」「ルール」「マナー」など、無数の要素が絡み合って、「行動」となるのです。

キャラの「性格」も「過去」も「関係」も「立場」も、物語の「世界観」もちゃんと決めていたら、「この状況だったら、このキャラは当然こうするよね」っていうのがわかります。

そして、物語の本筋。
簡単に言えば、「こういう物語だから、このキャラはこう動くだろう」って事です。
あんまり多用しすぎると「キャラ=操り人形」という感じがして、新人賞で落とされたり、読者を冷めさせたり、カタルシスが生まれなかったり………等々、結構致命的欠点になるのですが。
とはいえ、流石に物語の本筋(目的やその動機)から逸れた事なんて不必要なので、適度に使うと「物語の本筋にそって安定した物語」を作るための基盤になります。

例えば、
本筋(テーマ)が「勇敢な桃太郎が仲間と共に鬼退治」というものだった場合。
(一般的な桃太郎ですね)
桃太郎は最後まで、「勇敢」という要素にそった人物でいなくてはならず、「鬼退治面倒くせぇ〜」なんて言ってはならない訳です。

では、本筋が「桃太郎が鬼退治に行かされ、仲間と共にやる気の無い冒険」というのだったら。
(ちょっとラノベ感あるバージョンです)
桃太郎は「よし! 鬼を退治して、お爺さん達に恩返しをせねば!」とか言っては駄目です。

というように、「本筋から考えればこうするのが当たり前だよね」という「物語における大前提」を意識するのはかなり重要です。

>プロはどのように作ってるのでしょうか?

プロといっても色々な人がいますので、「プロはこうする」なんて事は一概に言えません。
その中で「絶対に良い方法だろう」って思うのは、「キャラの気持ちを考える」だとか、「プロット段階から決めておく」だとか、その辺りです。
しかし、それはあくまで「プロの考え方」ですので、僕から細かい事は言えません。
やはりプロの方は、経験から自分のやり方を見つけていると思うので、最初は意識し過ぎないのが無難かと。

>あなたの作り方でもいいので教えてください

基本的には、前半で述べた事を意識しています。
あれの何が良いかっていうと、「習慣づけば、キャラがどうするのが最善か、大体わかる」という点です。
あくまで個人的な方法とだけ、お考え下さい。

カテゴリー : キャラクター スレッド: キャラクターの動かし方

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元記事:構成のたてかた

タイトル通りです。

私の脳内である程度構成出来るせいか、何かに書き起こすのが苦手です。
ネタを忘れる事もしばしば。
紙に書き起こすと後で訂正が難しく、アプリ系統だと纏めにくく結局は脳内に留まったまま。

何か良い方法があれば教えてください。

上記の回答(構成のたてかたの返信)

投稿者 黒鐘 黒ぅ : 2 投稿日時:

何かシーンを思いついて、それを誰かに説明するとします。
その場合、方法は以下の二つ。

・そのシーンについてまとめ、説明する。
・そのシーンを実際に書いて見せる。

一般的には、後者のほうが伝わりやすいはず。実物を書いてるんですから、それ以上に伝わりやすい事なんてまずありません。
つまり、自分がネタを覚えておくためのメモも、実際に書くほうがやりやすいんですよ。
「人に説明するのが難しい=説明を書き留めるのが難しい」、「実物を見せれば伝わりやすい=実物を書けばわかりやすい」って事。
実際に書いたシーンに不明な点があっても、ちょっと書き加えるだけでOKなので、かなり楽です。

もちろん、「説明っぽく書いたほうが細かくてわかりやすい」っていう考え方もあるのでしょうが、質問の内容からして、実物書いたほうが質問者様に合ってるんじゃないかと。

まぁ、何と言おうと、結局は試してみるのが一番。
新しい方法見つけたら1回試して、気に入ったらそれを使う、っていうやり方で見つけていくのがいいと思います。

カテゴリー : その他 スレッド: 構成のたてかた

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元記事:恋愛要素の説得について

恋愛小説を書いています。

逆ハーレム要素があって、本命のキャラではないのですが、好きになった理由が薄い気がして悩んでいます。
今のところ、男性側の家が貧乏で、商売のヒントを見せるという感じなのですが、それだけで人間は好きになるのでしょうか?
ヒントではなく、ガッツリ絡んでいった方が説得力が出ますかね?

また、本命キャラは幼馴染設定で、初めから好き、気になっているという設定で書いているのですが、それだと読者には響きませんか?
何かきっかけがあった方が良いとは思うのですが、過去の話を書くのもなんだか違う気がしていて悩んでいます。

上記の回答(恋愛要素の説得についての返信)

投稿者 サタン : 2

恋愛ものは、まず読者層を絞るのが大事。
女性向けと男性向けじゃ全然話が違うから。

私は男性で女性向けは書いたことがないので、少女漫画やレディースコミックや少女向け小説をある程度読んでるいち読者として回答すると、
女性向けの恋愛モノは共感がなにより大事なので、好きになった理由なんてのを理屈で考えたり設定を組んだりするよりも、「あぁ、うん。わかるー」という「あるある」を組んだほうが効果的です。
なので、
>商売のヒントを見せるという感じなのですが、それだけで人間は好きになるのでしょうか?
その場面の演出次第。
例えば貧乏で忙しくて時間がないだろうに、自分のために時間を作ってくれたんだ、と実感できる演出でもあったら、しかもそんな姿はかっこ悪いと女性側に悟られまいと繕ってるのがバレバレで……ってなったらヒロインもその男を見てちょっとカワイイなコイツって思うんじゃないかな。
そういう演出次第なとこがあって、「商売のヒントを見せるという感じ」って展開はそういう演出を作るための土台作りな面もある。
だから、いい感じの演出が思いつかないのであれば、その展開は変えて別のアプローチで考えてみたほうが良いと思う。

>本命キャラは幼馴染設定で、初めから好き、気になっているという設定で書いているのですが、それだと読者には響きませんか?
恋愛モノにおいて幼馴染というのは設定時点でアドバンテージがあるズルい設定なので、そのズルさをどう利用するかが肝です。
例えば、幼馴染だから雑に扱われる、他の女と並ぶと見劣りする、幼馴染だからこそ自分は相手に見合わないと思ってしまったり。これは幼馴染っていう優位性をマイナス方向で表現して、それを男側にフォローさせることで恋愛っぽい場面にする感じですかね。
例えば、幼馴染でお互い仲良くて以心伝心でまるで一つのようだとずっと思ってるんだけど、ある日男のほうが気さくに彼女が出来たと報告してきて女はショックを受けたりとか。
「幼馴染」って要素を上手く利用しなきゃ、そこは響かない。

もちろんスレ主さんには既に考えられてる物語があるので、これら例は「こうしろ」って事じゃなくてただの一例でしかないのだけど、つまるところ「最初から好き。気になってる」という流れから、「で、何。どうなるの」という話なわけだね。
幼馴染で最初から好き、だから何。という部分が欠けてるように思えるので、そこは一工夫あったほうがよいと思う。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 恋愛要素の説得について

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投稿日時:

元記事:普遍的な人間ドラマやテーマ性のある作品を描くには何を気を付けたらいいのか

yahoo知恵袋にこんなことを言ってる人がいたんですが(全文はこの文章を切り取って検索すれば出てくるはずなので探してみてください)。

> でも、日々の劣等感とか自己嫌悪とか、世の中への恨みつらみとか、そうした鬱屈を、普遍的な人間ドラマやテーマ性といった「高み」へと昇華出来るのが、オトナのクリエイター。それが、世の中のおおぜいの心を打つ。スピルバーグもルーカスも藤子不二雄も、
そういう面が実によく見て取れる。探せばもっといるでしょう。
舞台は子供の世界でも、もっと広い人間社会を見据えた普遍の所を作品に込める、というやり方は十分に出来る。オトナ(←汗)の作風です。
が、未熟な作り手だと、普遍の高みなんざ知るか、ってなやり方で
十分商売が成り立ってしまい、そんなやり方でも「自ら何事か成し
遂げた」感、つまり「自己実現」をした感、が味わえてしまう。
オタ界隈の感性です。
そして重要なのは、「それ」である“身内”相手の、同族が作って
同族が消費する…ってな界隈では、それが全肯定されてしまう。
ヤレモテチートハレムが学園水着温泉…てな、要するに「例のアレ」「いつものアレ」とはつまり、そうやって成立した。

スピルバーグやルーカスや藤子不二雄みたいに舞台は子供の世界でも、もっと広い人間社会を見据えた普遍の所を作品に込めるには何を気をつければいいんでしょうか?
またそういうクリエイターと「普遍の高みなんざ知るか」って考えで作品を作る人の決定的な差ってなんなんでしょうか?
根本的な人間性ですか?だったら山籠りして毎日滝行でもして心と体を鍛え直せばいいんでしょうか?

上記の回答(普遍的な人間ドラマやテーマ性のある作品を描くには何を気を付けたらいいのかの返信)

投稿者 大野知人 : 2

 A. 知らん。アポとって自力でプロにインタビューしてきなさい。

 と、切って捨てるのはあんまりなので細かく書きますが。
 凄く大雑把に言うと、『質問の仕方が悪い』と俺は思います。

 俺の思い違いかもしれませんが、スレ主さんの質問はかなり主観的な解釈が含まれているように思います。何が言いたいかと言えば、『そもそも質問の前提が理解できないので、何を疑問に思っているのかわからない』と言う所です。
 という訳で、以下は俺の勝手な解釈と推測を基に書きます。『なんか違うな~』と思ったら、無視していただいて構いません。

 『でも、日々の劣等感とか自己嫌悪とか、世の中への恨みつらみとか、そうした鬱屈を、普遍的な人間ドラマやテーマ性といった「高み」へと昇華出来るのが、オトナのクリエイター。』
 コレ、所謂リアリティって奴じゃないですかね。藤子不二雄やスピルバーグ、或いは富野監督でも良いですが、基本的にあの人たちは『作中における現実性』をちゃんと表現しようとしている人たちです。
 制作後のインタビューとかで、『自分にはこういう主観や思いがあって、それが作品にはこういう形で出た』と言ったり、評論家たちにそう言われることはあるでしょうが、それはあくまで結果論です。

 なんて言うんでしょうか。
『政治家が気に食わねぇから、政治を悪しざまに書く映画を作ってやれ!』
『悪政の中で必死にあがく男たちを描きたいから、対照的に政治家を悪く書こう!』
 って言う二つの違い、分かりますよね? そんな感じです。
 世の中の大勢の心を打つのは、描写力の高さやリアリティへの思い入れの在り方、後世の中の流行+ナニカです。

 成功している人たちを『高み』と思うのは構いませんが、『普遍的な人間ドラマやテーマ性』ってそんなに高尚な物じゃないと思いますよ。
 
 だって、『普遍的な人間ドラマ』なんて、結局『どこにでもいる普通の人間』をどこまで観察するかであって、芸術性ではなく観察・人間心理学・行動分析学と描写力の問題ですし。
 『テーマを決めて文章を書きなさい』なんてのは、そもそも小学校の作文の時点から言われている事でしょう。『エンタメとして安直でない』とか『作品が複雑化してテーマが埋没してしまう』とか言う事に否定的な表現をするとそうなるだけで、大体の物語には『テーマ』は有りますよ。

 『オトナの作風』と言うのも正直意味が分かりません。子供向けの物こそ、教育的な配慮や分かりやすい表現を考えねばならないので、より『オトナ』でないと作品が作りづらいです。
 一方で、大人向けの作品もまた『多彩な人生経験を積んだ色んな大人』が見る事を前提にするので、共感のしやすさとリアリティを兼ね備えねばならず、これもまた難しいでしょう。
 『オトナ』って何ですか?

 その上で、ですけど。
 例えば、『大衆受けする、エンタメ性の強い、安直で流行に乗った作品』なんてものを作るとして、それは簡単だと思いますか?

 言っておくと、オタクってのは基本的にみんな『拗らせた』人間です。生物多様性と同じような個性の多様性の中で、変な方向に偏っちゃった人達です。

 彼らを見つめ、流行を見極めるのは実はとても難しいです。
 なろうのランキングは当てになりません。ランキング上位に居るってことは、需要と供給が成り立っているということです。同じものを供給して、同じ需要が得られるとは限りません。既に信頼性のある供給元がある訳ですからね。

 例えば、もし今俺が起業して、『コカ・コーラ』と言う名前で、アメリカの『コカ・コーラ』と全く同じ商品を売ったとしても、売れるはずがありません。
 商標権的な問題はもちろんありますが、それ以前にアメリカの『コカ・コーラ』が既に存在して、一定以上の信頼を得ている訳ですから、わざわざ新規事業者から買う理由が無いわけです。
 当然ですが、『コカ・コーラ』以外の名前で売っても、色が同じであれば十中八九そこまで売れません。ペプシとかとも競合するハメになりますし、資本があったとしても勝ち目は薄いでしょう。
 流行を真似るって言うのは、既存の物をそのまま作るだけではいかんのです。ちゃんと、見極める必要が有りますし、オリジナリティも必要でしょう。
 簡単ですか?

 オタクに受ける、エンタメ性の強い作品を作るのは未熟な人に出来る事ですか?
 スレ主さんの言う通り、確かに『テンプレ』という物は有ります。ですが、上述の通り、既に存在する供給と全く同じことを後発の事業者が出すのは難しいでしょう。
 オリジナリティを出そうとすれば、設定のみならず展開の独自性なども重要になって来ますから、エンターテインメントの基礎構造やカタルシスの作り方、雰囲気の盛り上げ方、『読者に読ませる』書き方が出来ねば、エンタメとしては弱いでしょう。
 思想的なアレコレ以前に、技術的に高い壁がある訳です。

 で、未熟なクリエイターがなんだって?

 思想的に高みを見るのは良いでしょう。野望や高い理想を持つのも悪くない。
 高い芸術性がある作品を書きたい気持ちも分かります。

 ですが第一に、貴方の言う所の『普遍の高みなんざ知るか』って言うクリエイターたちがどれだけ技術的な努力をしているかを考えるべきですし、それを考えた上で言うのであればたった一言、『それが出来る技術があるなら、やりたいようにやれ』と言うことです。

 やりたいことが出来ないのは、思想でも人間性でもなく、努力と覚悟の問題です。

 やりたいことをするには技術と知識が必要です。どちらを得るにも、並ならない努力や観察、観察を基にした統計と、それをまとめ上げるセンスが必要です。
 『センスなんて才能じゃないか!』と仰るならば、才能がある人間を見つけて、そいつを観察して統計を取ればよろしい。百かそこらのデータを取れば、携行は割り出せます。
 『天才がそうそう身近にいてたまるか!』と仰るならば、例え百キロだろうが走り回ればよろしい。一千万人に一人の天才は、一千万人に話しかければ見つけることが出来ます。
 観察眼や創作の方法を教えてくれる先生もそう。見つからないなら、見つかるまで探せばいい。

 俺は昔ラブコメを書こうと思って、『失恋して川で叫ぶ人』ってガチで居るのかなと川に行った事が有ります。
 海に繋がる河口から山に向かって25キロほど歩いたところで、バードウォッチャーの群れに混ざってさめざめと泣いているニーサンが居ました。たった7時間で見つかります。そんなもん。
 探せば見つかります。見つかるまで探せばいいだけですから、簡単ですよね?

 やりたいことをするには取捨選択が必要です。取捨選択と言うのは、要するに『創作のためにどれだけ切り捨てられるか』ということで、要は覚悟です。
 自炊と作り置きを覚えれば、一か月の食費は結構馬鹿みたいに抑えられます。オンボロアパートで生活すれば、一日5時間しかバイトに入って居なくともかろうじて食つなぐことは出来るでしょう。
 両親を説得する度胸と、相手を納得させられる実績があれば、4~5年くらいなら引きこもって創作に時間を費やすことだってできます。
 そして、『クリエイターとして身を立てる事にオールベットする』だけの度胸があれば、(スレ主が今いくつかは知りませんが)今すぐ貯金を崩して受験勉強し、映像大学なり有名大学文芸部なりに入ることも可能です。

 俺の知る限り、この世界には天才と呼ぶべき連中が居ます。先天的にそういう才能を持っているのか、幼いころに特殊訓練を受けたのか、とても素晴らしい環境で育ったのか。ともあれ、結構そういうヤツはいます。
 ジャンル問わず、大雑把に『天才』と呼ぶだけなら、2~300人に一人くらいはいますし、人生経験長くないですが2~3人は直接の知り合いとして知っています。

 昔、クソみたいに数学の出来る天才に『どうやってやっているのか』聞きました。
 俺も理解に手間取ったので、すごく大雑把な骨子だけで説明しますが、要するに教科書の公式を超えるレベルで、メタ的に『問題の在り方と、それに対する答え』を把握しているヤツでした。『公式をガン無視して、問題に対応した特殊な数式を8000種類くらい脳内に用意して、それを暗記している』と言っても良いかも知れません。
 事実として言うと、そいつに頼んで数学の勉強を教わった俺は、ポイントを絞って対応したので、その時だけ80点を超える点数を出し、(当の天才が、凡ミスで96点を取るような意地悪問題でした)無事に留年を回避しました。赤点常連組だったんですけどね。
 天才は確かに天才ですが、粘り強く観察し、話を聞き、持っている感覚を理解出来れば疑似的に真似る事は可能です。

 またもう一つ重要なことは、『センスは技術で補える』ということです。
 知り合いにちょっと特殊な記憶能力をしてる奴が居て、多分脳内のラベル分けがすごく上手いからだと思うんだけど、『人と話した事』をどんなに下らない雑談でもしっかり覚えてるんですよ。ちなみに俺に惚れてた、とかいうオチではなく他の人相手でも似た様なものでした。
 本人が『そう』であることに無自覚だったので、二人でワイワイ言いながら色々調べたんですが、どうも『相手の喋り方の癖』や『話の内容と手や首の動きの対応』を無意識に暗記しているらしく、それをベースにして、『相手が昔したのと似た様な話をすると、反射的に昔聞いた話を思い出すことが出来る』体質だったみたいです。
 でもこれ、パブロフの犬の亜種みたいなもので、話の内容を『内容』以外の部分と並行して覚える事で、意識外の部分である程度記憶することが出来るようにしている訳で、レベルの高い『デジャヴ』のようなものな訳です。
 訓練次第で出来なくもない技術ですし、アイコンタクトとか『事故があって咄嗟に手ぶりをしたが、付き合いの長い友人には何故か言いたいことが通じた』とかと同じことなので、検証としてもほぼ間違いはないと思います。

 まあこれは少々特殊例ですが。
 天才以上に努力して、天才をしっかり観察すれば、追いつけますよ。
 クソみたいな努力量と、時間が必要なので、何らかの覚悟は必要ですけど。

カテゴリー : その他 スレッド: 普遍的な人間ドラマやテーマ性のある作品を描くには何を気を付けたらいいのか

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元記事:方向性の決め方について

方向性の決め方ってどういう風にしたら良いのでしょうか?
なお、方向性を決めたあとから物語を作るのか物語を決めてから方向性を決めるかならどちらがやり易いでしょうか
皆様の意見をお聞かせいただければ幸いです

上記の回答(方向性の決め方についての返信)

投稿者 サタン : 6 人気回答!

これは、「方向性」という具体的な何かが存在するわけではないので、作者それぞれな部分が大きいかと思います。
というのも、そもそも「方向性」についてどういう認識で言ってるのか、という時点で議論がすれ違うことも多いからですね。

ここでは大雑把な「どういう話なのか?」という、その物語の目標、目的、そういうのを指して「方向性」と答えてみたいと思います。
まず、基本的には「方向性」はどんなタイミングで決めても問題なく、やりやすさで言っても、やはり人それぞれとしか言いようがないでしょう。
ただ、ここでは「どういう話なのか?」を指して「方向性」と答えますから、物語が決まってりゃ、つまり「どういう話なのか」が決まってりゃ自動的に方向性は定まってるハズです。
逆に、方向性を決めてから、と言っても「どういう話なのか?」を決めてからと言ってるも同然なので、これも方向性を決めたと同時に自動的に物語はできてるハズです。

でも、何に悩んでるのかはなんとなくわかります。
たぶん、「方向性」を「次の作品は学園でドタバタするコメディを書こう!」とか、ものすごい漠然と考えてるんじゃないかなと思います。
こう考えると、確かに方向性を決めただけで物語ができるわけはないでしょう。
でも、もっと具体的な方向性を考えたらどうか?
例えば、「主人公が誤解からヒロインに追い掛け回される話を書こう!」という方向性を決めたなら、もうこの時点で物語の概要ができてますよね。
主人公の誤解がキーになるなら、この誤解で物語をころがして、ヒロインに追い掛け回され、誤解が解けたところで話は終わり。

で、
「主人公が誤解からヒロインに追い掛け回される話」という一文を、「方向性」と言えば「方向性から考える」と答えるし、この一文は「物語だ」と言えば「物語から考える」と答えます。
どういう方法にしろ、私の場合は、一番最初にこういう「物語を凝縮した一行の文」を作ることから始まります。
その一文が作れるなら、方向性から頭を捻って「学園コメディだから主人公とヒロインが何かする話がいいな、どんな風にしよう?」と考えることもあるし、物語性から「追われる話がいいか、協力する話がいいか、どうしようかな?」と考えることもあります。

カテゴリー : その他 スレッド: 方向性の決め方について

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