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現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さい (No: 1)

スレ主 オミクロン 投稿日時:

 連投すみません。オミクロンです。前回の質問でご指摘いただいた部分は鋭意見直し中です。

 さて、今回は前回よりもう少し踏み込んで、全体のストーリーと主人公の大まかな言動についてまとめました。少々長くなりますが、それに関する批評をお願いいたします。

ジャンル:異世界転移、精神成長もの、チート要素あり

【起】
 日本で高校2年生だった主人公は、落ちこぼれの烙印を押されていた。本人が怠惰なわけではなく、どれほど努力を重ねても結果が大きく実らないというものだった。更に本人の性格が努力至上型だったため、いつの間にか諦念に塗れて塞ぎ込んでいた。そこで突如として異世界に召喚される。

 同級生も十数名召喚されていた。才能が可視化され、身体能力と技能が数値化された世界においてさえ、その世界独自の忌み嫌われる【規格】を保持していたせいで牢獄行きになる。完全に諦め命を捨てようとした瞬間に、もう一人の罪人(元天才錬金術師)から禁忌の技術を手に入れる。

 それは【規格】を持つ者のみが、他者から才能と技能を奪えるものだった。しかし致命的な欠陥があり、双方の同意を得なければ奪えないという残酷なものだった。それでも主人公は自由になるという夢をかなえるため、異世界で出来た二人の師を同意のもとにその手で殺め、異世界の旅を始める。

【承】
 旅の過程で主人公と仲間たちは複数の国を巡っていく。仲間と共にダンジョンに挑み、時には異世界(地球)の技術をフル活用して大儲けする。また、その強さと行動力を称えられ高位の冒険者に認定される。(要は異世界転移モノのなろう小説みたいな内容です)

【転】
しかし、二人目の師を殺めた時点で手放そうと決めたはずの技術は、不幸な事故によって有効に活用されいていく。(技術の行使は作中5回)危機感と恐怖を抱いた主人公は、技術を封印しようとする。だが、高位冒険者になったことを滞在中の国に利用され、いつの間にか片思いしていたヒロインの一人をその技術によって手をかける。

 失意のどん底に陥りながらも、それでも夢を諦められない主人公は2周目(物理的な意味)の旅に出かける。(シナリオ上世界そのものが狭い設定です)その最中で陰謀に巻き込まれそうになった同級生と幼馴染を救ったり、仇のある国(主人公らを召喚した国)への戦争準備に協力したりする。

 2周目の終点間際で、幼馴染がやむにやまれず件のヒロインに致命傷を負わせた事実に気が付き、自身のほんの些細な機転で回避できたことを知り発狂する。自身に完全に失望した主人公は、かつてと同じように塞ぎ込み始める。

【結】
 その危機を救ったのは死んだヒロインであった。ヒロインは主人公を罪悪感の鎖から解き放ち、主人公は再起する。

 それまでに行ってきた仇の国への工作の結果、その世界では初となる人類同士の世界大戦が勃発する。(他の国も仇の国と戦う理由はあります)そこで再起した主人公は英雄的活躍をする。仇の国は周囲を他の国の連合軍によって包囲され、滅亡する。

 その滅亡と同時に黒幕が登場し、今度は全人類対黒幕の戦争が勃発する。(黒幕に関しては序盤から布石や伏線を張っています)黒幕と主人公の一騎打ちの果てに、主人公は望んでいた自由とは何だったのかを理解し、黒幕に完全勝利する。

 二つの迷いを完全に克服した主人公は、望んだ「自由」を手に蘇生したヒロインと共に生きていく。(蘇生に関することも布石を置いてあります)

【承知している問題点】
シナリオ上必要な仲間のサブキャラの犠牲が5人いる事。しかもその殺害描写をしっかりと書いていること。また間隔が短い為、使い捨てにしていること。

物語の構成上【転】の部分でもう1周世界を回るため、必然的に長く(全体の3分の1ほどに)なり、どうしても重苦しくなること。

【主人公に関して】
 主人公の性格として、基本は自己中心的だが、悪意をもって行動することは滅多にない。周囲の事情を鑑みることが出来る。頼まれたら中々断れない。それでいて決断が甘いときがある。人情に入れ込みやすい為、出会った敵以外の人間を見捨てることが出来ない。

 矛盾しているようですが、自らの欲求を叶えると同時に他者の利益も考えるwin-winを重視する人間といった感じです。

 長くなってしまいましたが、ご意見のほどよろしくお願いします。

カテゴリー: ストーリー

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現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 2)

投稿者 サタン : 2 No: 1の返信

投稿日時:

正直、何故「犠牲が5人いる事」や「どうしても重苦しくなること」を問題視しているのか疑問です。
もともとそういうスタンスの話なんじゃ? 少なくとも全体的にそういう雰囲気だし、序盤で師匠を二人殺めてることから、スタート時点で「重い話です」と言ってるようなものでは。
殺人事件の推理小説で「人死にが出るのが問題だ」と言ってるようなものではないかなと。

確かに昨今の流行からすると「重すぎる」のではないかと思います。
でも、それを流行に合わせて改善したら、現状の雰囲気が台無しになるのでは? そしたらこれは改善ではなく改悪になっていまします。
「もともと重い話を書いてる」んだから、重い話になって当たり前でしょう。
すると、何故そこを問題視してるのでしょう?
逆に重くなかったら、想定と違うモノが出来ってことだから、そこれこそ問題では?

>物語の構成上【転】の部分でもう1周世界を回るため
ご存知かどうかわかりませんが、三幕構成という映画脚本の技術があります。
それによると、シナリオには物語の中程で「展開が結末へと収束する転機が必要だ」とあります。これを「ミッドポイント」と言います。
「起」で事が始まり、「承」で物語を広げ、読者が世界観や設定を把握したところで「ミッドポイント」によって物語の落とし所が読者に提示され、「転」で話を収束し、「結」で物語を〆ます。
「転」の部分でもう一周世界を回る、というのはミッドポイントとして話を収束させる切っ掛けとなっており、問題視するどころか上手い展開でしょう。

確かに「重すぎる」ことは事実で、Web小説の読者層から考えるに「鬱展開になりそうだ」と思えば読書を躊躇うことにもなりかねないシナリオだと思います。
でも、元からそういうコンセプトで作られてますよね……?
物語の主旨と、絶対変更できないだろうポイントを考えると、「師匠を殺める」とか「ヒロインを手に掛ける」とか、全部重い部分じゃないかなと思います。
これらを変更したら物語の雰囲気と物語の主旨そのものがガラッと変わって別物になっちゃう。
つまり、最初から「そういう重い話を作ってた」としか思えないです。
結果、想定通りに鬱になるほど重くなって、なのにこれを問題視しているとなると、もし本気で流行と今どきの読者に合うよう改善しようと思えばコンセプトの段階からゼロからやり直しになると思います。だってその時点から方向性が重いんだもの。
それなら新作書いたほうがいいかなと。

結論として、これは「そういう話」なので何も問題ないし、逆にそういう話と思って読めば結構上手く作れてる話じゃないかなと思います。
改善しようとするなら、真逆の方向性のほうが良いでしょう。
つまりはもっと重くすることがこの作品の個性になるかと思います。「重い話」なんだから軽くしたら改悪でしかないでしょう。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 3)

投稿者 ヘキサ : 0 No: 1の返信

投稿日時:

なんとなくオミクロンさんがどこで悩んでるのかがわかってきたかも。「成長もの」というにしては取り返しのつかない過ちを犯しているうえにグダグダの期間が長いし、「悲劇もの」にしては最後のハッピーエンドが納得いかない。

以前例に挙げたエルリック・サーガは「悲劇もの」です。そのため結末は……です。(実際に読むか、wikiで調べてください)
「罪悪感からの救済+成長」といえば「るろうに剣心」が思い浮かびますが、彼は「贖罪」の意識をしっかり背負って生き続ける決意をしている。最後も「とりあえずの休憩」と締められている。

なので、これでハッピーエンドは虫が良すぎるとしか。思っていたよりも主人公に嫌悪感が出そうな気がする(要するにウザいを通り越しました)。最後は、ちゃんと力の封印はできたんでしょうかね?できたとしても奪えた力がそのままなら主人公にとってデメリットないし。大戦争の果てにヒロインだけが復活というのもひたすら虫が良すぎるとしか。
「自由」を手に入れて喜んで終わり、だけで済ませないでほしい。それこそ自己中なだけだから。

個人的には「過去を全部を覚えている」って結構曲者だと思った。ちょっとの視点ぶれも許されないうえに、死んだ人が夢に出てきて睡眠不足になりそうだ。
誰か彼に「忘れる」というスキルをあげてやってくれ……ヒロインの役目かな。
罪ってものは、一生消えない。ただその償いを続けるために、休むために一時的に忘れることは許される。倒れてしまったら償いそのものができないですからね。そのへんをもう少し深刻にとらえてほしい。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 4)

投稿者 高野豆腐 : 0 No: 1の返信

投稿日時:

昨日の時点でツッコミ入れよか、と思っていた事が、概要という形で具体的になった分、より一層浮き彫りになりました

構成や筋書きに関してはサタンさんの言う通りです
根本的に物語の主人格を主人公と言い、その立ち居振る舞いに着目するのが目的
ですから、重苦しいだのヒロインの出番ないとかで悩む時点で、誰の何のための物語なのか見失ってます
ボーイミーツガールなどと言うのは、このような筋書きの前では二の次の「要素」の一つです

それに努力至上の型を「勝手に」掲げて塞ぎこむのだからその分重苦しく(これは深刻という意味ではありません。自業自得の自然という意味で、適切な表現として空気悪いとも言います)なって当然ですし、そういう主人公はもちろんウザいです
努力とは精神論であって、因果関係のある理論ではないですし、性格は当然の事
生涯を通じて変わっていくものです
でも、あくまでそういう物語です
そういう者が、所を移して初めてどういう因果か力を手にして成長するという話です

気になるのは、異世界でみんなに能力が身についても構わない、元はアホな主人公が
同意の下でなら能力奪取が出来ても構わないのですが、世界を巡るから重苦しくなるなどと、作者が勝手に批評してなおかつ表現が誤っている、論旨の誤りが散見される事です
深刻なのは事態の規模やその内容であって、それ故に重苦しいと感じるのです
ただし主人公一人で他を顧みない自己完結なら自業自得の我欲まみれで、アスリートのような真に他を顧みない禁欲(ストイック)とは質が明確に違いますし、繰り返しますがそれは重苦しいとも努力とも言いません
「勝手に言葉を違えた主義を掲げる」のはもちろん「自由」です
努力至上型を自称しようがそういう人間なだけのことです

また経験からとて知る事や得るものはあるし、それを成長と比喩するのではないのでしょうか?
世界を巡る事で得るもの、為すことがあるなら行うのですし、そこに謀を企むものがいるなら黒幕と言うのです
話の筋書きに対して「犠牲が出るのに重苦しい事に異議を唱える」など、自分で
自分の論を覆しておきながら悩みと表現し、部分部分は作者自身の批評で済ませてしまうことに、疑念がつきません

友人からの羨望が本当に筋が通っているのか、主人公の葛藤が自虐風自慢でなく
どうしようもない因果ありきなのか(努力至上主義でいながら、自分の注意如何でヒロインを助けられたことに”発狂”とかいう時点でかなり馬鹿に見えますが)、ヒロインの蘇生の布石だとか黒幕(何に対しての黒幕なのか)とか、かなり気になります

結局のところ現物を見て添削されるかどうか、もしくは作者が推敲するかどうかという話です
話の筋書きではなく、格好だけの、表現ありきの台詞や表現が先行している様に
読める箇所が多いです
参考までに、1頁40文字32行300頁で、38万4000文字です
枠組みの維持の為に道理を違えるなんてことをしようものなら、それこそが不正(チート)行為です
そしてチートの性質はあくまで不正であって、不満の代弁そのものではありません
規格が合わなければ分冊なりなんなり作ればよいのですし、ですのでその手口を牽強付会に「元の規格に不正であること」だけを指して、様々なものをチート要素と俗に呼ぶだけです
あとはもう、実際に必要なだけ書く・それを人が読む以外無いです

大長編は大河ストーリー。プロットで処理するのは無理ではないかと。 (No: 5)

投稿者 あまくさ : 1 No: 1の返信

投稿日時:

大長編ですね。その場合、起承転結はあまり意識しない方がいいかもしれませんよ。
「承」というのは「転」を盛り上げるための準備という役割を担うパートですが、それだけでは退屈になってしまうので色々工夫が必要になります。
しかし、単行本1~2冊の中の「承」なら、その気になれば一気に読み通すこともできる尺ですよね? それを大長編の序盤とクライマックスの間で延々とやってしまったら、ちょっと付いて行けない感じになってしまうんじゃないかと。
先のスレに15万字とか35万字とかいう数字が踊っていましたが、10万字からせいぜい20万字くらいのパートを出し惜しみしないで全力で盛り上げて一段落(起承転結なり三幕構成なりは、この単位に盛り込む)。そのくらいのパートを積み重ねていくような構成の方がいいような気がします。
大河小説という言葉があって、大長編はプロットで処理できるようなものではなく、大河のうねりのごとくです。

それと、重苦しさについては私も他の方の意見に近いです。
最初から重苦しさをウリにしているのに「こんなに重苦しくていいのかな?」と心配されている感じです。
その構想なら、重苦しさを基調としながら鈍重にはしない。思いっきり振り切ることによって明るさや爽快感も作るという感じを目指すほかに無いような気がします。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 6)

投稿者 t : 0 No: 1の返信

投稿日時:

こんばんは、『異世界で出来た二人の師を同意のもとにその手で殺め、異世界の旅を始める。』ここに「おっ面白そう」と思える魅力を感じたのと、熱意あふれる意欲的なストーリーが良かったです。

欠点は全体を通してイベントが豊富ですが、どれもざっくりしたままで終わっています。
例えば【転】で『二人目の師を殺めた時点で手放そうと決めたはずの技術は、』とあります。【転】ではある程度話がまとまっていて、本筋が何も考えなくても頭に入ってくる状態が理想ですが。
「二人目の師を殺めた」は【起】【承】でこの事実を充分に表現できていません。
「手放そうと決めたはず」は、手放そうについて、具体的なシーンやエピソードがどれか分かりません。
【起】【承】に「技術」の記述がないので、「技術」とだけ書かれても分かりません。
このように読んでいて意味が通じない箇所が、この後もたくさんあるのが特徴です。これらの内容を本文で過不足なく書くために数十万字や100万字以上いる(前スレより)という考えについては、少し分かる気がします。

【主人公に関して】は作者しか分からない書き方なのでそれが本文で、どの様な形で表現されているかは、読まないと分からないのですが。物語とバランスを取ろうとした場合、主人公が2回死んで生き返るそして悟りを開くくらいいるかもしれない、個人的にはそう感じました。

お役に立てれば幸いです。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 7)

スレ主 オミクロン : 0 No: 1の返信

投稿日時:

 皆さま、大変貴重なご意見誠にありがとうございます。個別に返信することが難しいので、一括にさせてください。

 まず多数指摘のあった「重苦しい事を標榜しているのに、それを作者自身が疑問視するのはどうなのか」という点です。これに関しては自身の見当違いであると思い知りました。確かに「主人公自身の愚かしさ」によって発生する幾多の害を主題付近に据えているのに、作者が否定しては本末転倒でしたね。

  hexa様の「るろうに剣心」を例に出した「贖罪」については大変参考になりました。若干かの名作と違う点としては、殺害された側は「継承」「譲渡」という形で望んで主人公の手にかかった点です。

その「技術」についても被殺害側は事前に主人公の口から効力を聞いています。(主人公はそれを説明しないといけない義務のようなものがある)そして行使の前に敵対勢力によって全員致命傷を負っていて、主人公が「介錯」したという感じでしょうか。それを後述の理由を含めた結果、主人公が過度に気に病んでしまうということをかきかたっかのです。

そして【結】の1行目の死者との再会で「自分たちは望んで手にかかったのに、それをいつまでも気に病みすぎた」と主人公に諭して、再起させるという流れでした。

 主人公に関する捕捉としては、端的に言えば「ジャンプ型の主人公になりたかったけど、なれない人間」と言えばもう少ししっくりくるでしょうか。それを重々自身が理解していながらも、それでも諦められないという愚かさを持っている感じです。故に望まぬ犠牲を出しながらも進み続けたことによる自業自得の累積は必然で、その許容量が決壊した結果心が壊れかけるという感じです。

 友人との衝突に関しては、その友人は主人公とは真逆であり、まさにジャンプ型主人公そのものに近い人間です。ですが利用されていたせいで、あるべき名声や賞賛、評価がない状態です。なので合流時に、自身を遥かに上回る戦力、特級の富、名声、地位を得ていた主人公を羨望します。しかし当の主人公からすれば、そんなものよりも友人が自前で持っていた力の方が遥かに羨ましかったので衝突といった感じです。

t様の「主人公が2回死んで生き返るそして悟りを開くくらいいる」というのはほぼエンディングを言い当てていました。主人公の前に最後の最後に立ちはだかった問題として、「結局どうすれば(主人公は)自由になれたのか」というものがあります。その問いに対し、諦めずにただ前に進むことしかしなかった主人公が、「ここでよかったのだ」と前向きに諦められるように、矛盾を受け入れられるようになるといった感じになります。要は「青い鳥」みたいなものです。なので悲劇ENDではなくハッピーエンドに近い終わりといった感じです。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信の返信 (No: 10)

投稿者 ヘキサ : 1 No: 7の返信

投稿日時:

>「ジャンプ型の主人公になりたかったけど、なれない人間」
うん、確かに前よりはわかりやすくなったかも。たぶん最初のオミクロンさんは「ジャンプものの成長・挫折に比べてグダグダかどうか」が気になっていたみたいなんですよね。
だからギリギリジャンプ漫画の範疇に入っていたるろうに剣心を挙げてみた(作者いわく『これでも剣心のグダグダが長すぎた』ですからね。私から見ると過不足ない、丁度いいくらいだったんですけど。それだけジャンプのエンタメ基準が高すぎるってことだと思う)

でも、私や他の人からみると「そもそもジャンプものじゃないでしょ、これ」という認識なのでは。なので「自分にとって大切な存在ほど殺すことになってしまう」トラウマものの元祖に位置するエルリック・サーガを最初に挙げたんですよ。

この手の作品で評価されるのは「代償」のバランスのセンスではないかと思っています。
「こうなってほしいという願望とは裏腹に、けっこうな代償が要求される」中には「え、そこまでキツい代償とるの……?」てのもあったり。このへんのジレンマが秀逸なものがいいんですよ。ベルセルクなんかもそんな感じ?あそこまでいくと酷すぎるかもしれないけど、代償の取引ぐあいでいったらそんな感じ。

だから死んでしまったヒロインが復活とか、そこがバランス悪く感じた。「不完全復活」ならギリギリなんとか……と思っている。何かしらの条件付きとかなら。「北斗の拳」なんかそんな感じじゃなかったかな。ユリアの寿命がわずかばかり伸びた、それでせめて束の間の幸せを噛みしめろってラオウからの最後の贈り物。
昨今のなろう小説のチートからみると、厳しすぎるかもしれないけど。むしろそのくらい厳しいのを期待している人にとっては、特に最後がちょっとヌルいとしか(すみません、私だけですかね……)。

あとは「完全ではないが、主人公がだいぶ楽になる心の救済」ね。るろうに剣心ではやはり、過去編のヒロインの巴が夢枕に立って「気にしなくていいんですよ」と言っている。実際、彼女は最初から死を覚悟していたし。
オミクロンさんの作品ではヒロインプラス5人ってことですよね。その6人全員に「気にしなくていい」と言われて、どこまで主人公の心が休まるかって話ですよね。……うん、なかなかシュールだな。。。私だったら、言ってくれた人達の気持ちは有り難くいただくけれど、それで自分が許されたとかあんまり思えないかもな。確かに少しは軽くはなるだろうけどね。「なかなか自分にとって都合のいい夢見たなー」とか皮肉ってみたくなるかもな。「どっちにしろ、自分は生き続けなきゃいけない」とは思う。自分の中に彼らが生きているようなもんだろうからね。

エルリック・サーガにも同様の救済がある。ひとつは最後のヒロイン、ザロジニア。彼女もほぼ助かる見込みのない状態で、自ら望んでその刃を受けました。彼女が最後に「どうか気に病まないで」というメッセージが伝わる行為も残している。巴に比べると、ほんの一瞬の心の安らぎでしかないんだけど。あともう一人、やはり自らその行動を起こした親友に近い存在もいる。
どっちにしても「完全払拭」はできないってことに気をつけてもらえれば。そういう描写はありそうなので、そのへんについてはとやかく言わないけど。

あと、主人公のチート能力のデメリットについて。
「力や記憶の継承」のデメリット部分に焦点が当たったものというと、3×3EYES(これまた古い漫画ですみません)のラスボス、鬼眼王かな。えんえんと知識や記憶を継承し続けたおかげで精神が歪まざるを得なかったという。それとは逆に、ヒロインが人格分裂型で長寿による精神の崩壊を防ぐ構造になっていて、記憶が少なく無邪気で子供っぽい人格を作り出すことで自分を保っていた(これも人格が増えすぎると危険、という設定でしたが)。

だから最初に「何もかも忘れられない」という設定を聞いた時点で発狂コースは必至かと思いました……。いいんじゃないでしょうかね、一度くらい発狂するのは。でもだからこそ、それ以降は「一時的な忘却」のオプションをつけてあげたい気がするんですけど。自分がヒロインや死亡者5人の気持ちになったら、「気にしなくていい」の言葉にプラスしてそれを贈ってあげたいかな。少なくとも安眠できる程度の。

私事で何ですが、水子の供養をしていた母親から「忘れないようにって言ってくる人もいたけど、無理矢理にでも忘れなければ前に進めなかった」と聞いたことがあります。最近では水子は母体側の責任ではない論が出まわってますが、だからといってその母親が苦しまないかどうかとは別ですからね……。

設定・構想は秀逸かもしれません (No: 8)

投稿者 あまくさ : 1 No: 1の返信

投稿日時:

>そして【結】の1行目の死者との再会で「自分たちは望んで手にかかったのに、それをいつまでも気に病みすぎた」と主人公に諭して、再起させるという流れでした。

うん。ここがポイントの一つのようですね。(良い意味でです)

この主人公、少し潔癖すぎるところがあるような印象です。自分を責めすぎるために、かえって事態を悪くしてしまうという。そこにどうやって気づかせ、立ち直らせていくかが重要になりそうです。
ジャンプ型の主人公であれば、多少言動がいい加減であっても「主人公補正」によって好結果を獲得していくのではないかと思います。しかし、御作では主人公にそういう免罪符を与えていないのが興味深いです。
言ってみれば、最近うっぴーさんがしきりに強調されている「承認欲求充足型」主人公の真逆です。そういう意味では読者に煮え切らない印象を与えるかもしれませんが、それは庵野秀明さんの主人公が読者を苛立たせることがあるのと本質的に同根と言ったら褒めすぎでしょうか?
でも、少なくとも私はそういう物語の方が読みたいです。

問題の「技術」ですが。

1)他人の力を奪うことができる。
2)その結果、相手の命を奪ってしまうことになる。
3)ただし命を奪って力を得るためには、相手の同意が絶対条件。

この理解で合っているでしょうか?
これ、たいへん秀逸な設定だと思うんですね。
3の設定があることで、相手も何らかの理由から命を差し出しても主人公に助力したいと願っていたことが理解できます。そして、それは主人公が自分では気づいていなくても、どこか「他人に信頼されるいいやつ」であることを示いてもいます。

それでも主人公が悩むのは当然。たとえ正当な目的や相手の同意があったとしても、大切な人々の命をいくつも奪ってしまったことには変わりはないからです。
つまり、ストーリーの初期設定の段階で、主人公に「ジレンマ」が与えられているんですね。「あちらを立てればこちらが立たず」という、解を出すのが難しい残酷な方程式。
そういうのを「キャラクター・プロブレム」というのですが、それがしっかりと押さえられているのではないかと感じました。そして、そのジレンマをいかに克服するかという暗中模索の行動の軌跡そのものが、ストーリーを紡ぎ出すことになります。

ジレンマの提示は序盤に置く。

    ↓

物語の真ん中あたり(サタンさんの仰るミッドポイント)に折り返し地点をつくり、ジレンマ克服のヒントを拾わせる。主人公自身は、それがヒントであることにまだ気づかなくてもよいが、物語は様相を変えて終末に向けて収束していく流れが開始する。

    ↓

しかし、ジレンマは簡単には解決せず、むしろ物語全体を通しての最大の破滅要素に主人公は直面する。

    ↓

最大の破滅を乗り越えて、主人公は克服のヒントを明確に自覚する。ここから物語の最終局面が始まる。物理的な戦いとしてはまだ大きな危機の連続になるが、主人公は精神的には吹っ切れている。
つまり、すでに成長は完了していて、続く困難な戦いは成長の結果を確かめる「卒業試験」のようなもの。

作劇術としては、こういう感じの流れが一つの有力な形だろうと考えています。
これに照らして、

>そして【結】の1行目の死者との再会で「自分たちは望んで手にかかったのに、それをいつまでも気に病みすぎた」と主人公に諭して、再起させるという流れでした。

このイベントが、いいところに置かれていると思うんですね。
ジレンマ克服のストーリーは、肝心の克服パートを読者が納得できるかどうかに成否がかかっています。
御作の構想を拝見するかぎり、そのあたりについてはスレ主様はよく考えていらっしゃると思える設定が散見されます。

巧いと感じる点は他にもあり、例えば、

>主人公に関する捕捉としては、端的に言えば「ジャンプ型の主人公になりたかったけど、なれない人間」と言えばもう少ししっくりくるでしょうか。

>友人との衝突に関しては、その友人は主人公とは真逆であり、まさにジャンプ型主人公そのものに近い人間です。

こういう対比によって主人公のキャラを際立たせそうです。

それから、後半に置かれた2周目についは、主人公の成長を描く過程の中でどういう位置づけを考えていらっしゃるのか気になるところです。ここは1周目とは何かしら違った意味合いが求められるところだろうと思います。

重く切実な要素の多い主人公やストーリー展開ですが、ラストはハッピーエンドに辿り着く構想は、個人的には必ずしも「虫が良い」とは思いません。読者が十分に納得するように細部をつめて描き切るのはかなりの力技になるとは思いますが、物語の骨格は間違っていないのではないかと感じました(私ごときが偉そうに言って、申し訳ありません)。

補足 (No: 11)

投稿者 あまくさ : 0 No: 8の返信

投稿日時:

他の方のご意見を拝見して少し心配になったので、補足します。

「気に病みすぎ」と諭されて立ち直るという流れを称賛しましたが、言わずもがな、そう言われただけで簡単に気が済んでしまうのが良いということではありません。主人公がそういう心境に至るまでの心の移り変わりを、ストーリー全体で描き切らなければならないと思います。
しかしこのスレで示された概要はそういうディテールにまで踏み込んだものではなく、個人的にはそこまでの説明は求めません。
大筋としてはきちんとポイントを押さえられているようだと感じたので、良いんじゃないかと書きました。方向は間違ってないんじゃないかなと。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 9)

投稿者 かにさん : 0 No: 1の返信

投稿日時:

こんにちは。プロットを拝読いたしましたので、感想を書きます。

このシナリオの一番大きな問題は、「主人公の『心の成長』のプロセスが曖昧なところ」だと感じました。プロットを読む限り、主人子は「今までの価値観と新しい価値観の間で葛藤している」というより、ただ苦しんでるだけのイメージなんですよね。成り行きで上手くいったり苦労したりしている主人公が偶然救われるような印象です。私としては、やはり「主人公の主体的行動/主体的決断の結果、主人公が変化を果たす」というシナリオがよいのではないかと思います。未記載の部分にその辺りの因果関係の構想があるのかもしれませんが、書かれていないためないものとして考えてしまいます。

もう一点気になるところは、同級生も一緒に異世界転移している点。
同級生が数十人召喚されていたということは、現実世界の人間関係を異世界に持ち込むことなので、本作の世界観は『異世界転移=リセット』の構図ではないと主張することになります。この構図が読者に対してどのような価値を提供するのか、よく分かりませんでした。ポジティブで社交性の高い主人公なら、その友人達との関係や協力を用いて、異世界の問題をクリアしていくのだと想像できるのですが。自尊心低めな主人公だと、むしろ劣等感を刺激する存在になりかねないので、むしろ読者にストレスを与えってしまうのではないかと想像します。こう、新しい場所に来たのに自分よりすごい同級生がいたらなんのためのフィクションなんだーと感じる感じでしょうか。

おそらく主人公の変化のための犠牲者として使用するのだと思うのですが、これは異世界で仲間になった人間でもよいのではないかと思います。ちなみに私なら全員可愛い女の子を使います。「落ち込む主人公→ヒロインとの出会い→ヒロインとの仲を深める→主人公の成長→ヒロインを殺す→落ち込む主人公→……」のループを繰り返して、主人公の成長を描いていくのも面白いかなと。

ついでに細かい点ですが、

>他者から才能と技能を奪えるものだった。しかし致命的な欠陥があり、双方の同意を得なければ奪えない

同意があったら『奪う』にならないような?

辞書で見る限り、『奪う』とは「他人の所有するものを無理に取り上げて自分のものにする。」「(相手の意志にさからって)取り上げる。特に、盗む。」なので。まあ、書きたいことはなんとなく分かるので、問題はないのかなと思います。

逆に下記問題点はそこまで大きな問題ではないような気がします。

>シナリオ上必要な仲間のサブキャラの犠牲が5人いる事。しかもその殺害描写をしっかりと書いていること。また間隔が短い為、使い捨てにしていること。

犠牲があることより、その犠牲に意味が感じられるかどうかが重要だと思います。

>物語の構成上【転】の部分でもう1周世界を回るため、必然的に長く(全体の3分の1ほどに)なり、どうしても重苦しくなること。

その「もう1周」がストーリー上必ず必要なものであるという説得をいかにうまくするかが大事だと思います。2週目は1週目のときとの対比として使えるので、上手くすればむしろ面白くなるような?

以上です。参考になれば幸いです。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 12)

投稿者 読むせん : 0 No: 1の返信

投稿日時:

 はい先生、めっちゃ申し訳ないですが私は絶対読まないっす。
 
私の好きななろう作品は一本もアニメ化してないからあれですし、「趣味悪すぎ市ね!!」とか言われる方ですが(-_-;)・・・・・バシバシ突っ込ませていただきます。

嫌な予感がするOR不快なら男のロマンが分からんのです。とか、流してください・・・マジでふるダークになると思う
=========================
◆本人が怠惰なわけではなく、どれほど努力を重ねても結果が大きく実らない。
↑なぜ? 
 努力至上型は、努力の方向音痴が多いから設定的にOKだと思います。
野球をしたいはずの奴が、なぜか競技登山部に入部して違うアルプス行く羽目になったやつクラスにいたし……。ただ、やっぱり身につくものはあるので意外と奇妙な形で結果でるかと。
 で、『努力が大きく実らない』なら『そもそも楽な努力しかしていない』か『求めるレベルが高すぎる』などの可能性があります。前者なら元々主人公は無自覚怠け者(内的要因)ですし、後者の場合、身近に天才がいる可能性(外的要因)があります。
作者的には理由をどれにしたい設定ですか?環境?優秀すぎるライバル?性格?

◆努力至上型だったため、いつの間にか諦念に塗れて塞ぎ込んでいた。
↑おかしくね?
 主人公が努力至上型で、努力しないで結果を出せるライバルがいるというシチュを仮定して、主人公そんな簡単に諦めきれるの?
 私ならまず恐怖を覚える。発狂する。だって信じていた神様が偽物だったようなものじゃないですか。
主人公の性格はおそらく悪いでしょう。
「お前が努力しなかったから悪いんだろう?」とかナチュラルに言って相手をフルボッコにするのが努力家よりだって重い【努力至上主義者】ですから。
 人に主義を押し付けず、自分には厳しい【努力至上主義者】でも、やっぱりクラスメイトを内心馬鹿にしていると思う。「勉強できないのも、デブなのも努力が足りないからだろww」みたいな。
 なので第一段階として
「努力は報われないといけないんだ(強迫観念てきに固執する)」とか
「あいつは俺の見えないところで死ぬほど努力しているはずだ、そうじゃないとおかしい(相手が同じ努力至上者だと投影する)」とか
「あいつ、不正をしたんだそうに違いない(相手をおとしめることで自分の正当性を守る)」とかの思考パターンが先になると思う。
 壊れるのも諦めるのも、まずそこからだ。

身体能力と技能が数値化された世界に自分の努力が数字的にコミット(笑)する!!と息巻くも結果は規格外。で主人公の性格の悪さに、クラスメイトは地味にキレていて、投獄の際は異世界トリップ仲間とかに
「なら努力して規格から脱出しろよ」とか
「努力しろ努力しろって人の努力を見下しといて、あんた努力以前のレベルじゃん」
「お前には努力する才能がなかったってわけか、納得」
とか言われて絶望する方が流れてきにそれっぽくないかな?

◆完全に諦め命を捨てようとした瞬間に、もう一人の罪人(元天才錬金術師)から禁忌の技術を手に入れる。

技術めぐんでもらった程度で中止するような軽い衝動でじさつしようとしてんのか主人公・・・・女子かよ。

 ここは掘るべきだと思う。ここで主人公は『努力至上主義を諦める』気持ちになり、それによって【才能至上主義】か【努力放棄型】とかになり、他者から才能と技能を奪える気持ちを抱けるようになる(奪えるって言われても、自分の立場なら、そんな倫理感0で人から能力を気軽に奪える?)。

◆異世界で出来た二人の師を同意のもとにその手で殺め
 これの対処は簡単。二人がどうあっても助からないレベルの致命傷を敵から受ければいい。
 処刑されそうになった主人公を無理矢理助けに来てくれて、死にかけの師匠たちから笑って「持っていけ、馬鹿弟子「これやるから、俺の分まで笑って生きろよ」とかもありだし、
 化物の群れに召喚先の城が襲われ、囚人を置き去りにして(囮?)にして撤退。踊り食われが確定した主人公のもとへ師匠二人が命がけで助けに来てくれるとかもいいと思う。
 とくに後者なら意識がある死にかけた兵隊さん達とかから恵んでもらえる可能性が高い。主人公の好感度がものを言うけど。

========================
◆重苦しくなること
承か転から始めたらいいと思う。
ヒロインとかがダンジョンでピンチ、主人公が助ける(この時点で主人公は恵んでもらいまくったスキルで無敵状態)クラスメイトと一緒にいるなら、彼らにはスキル隠してみんなの荷物持ちとかアシスタントしとけ。

それならクラスメイトに師匠のスキルを見られる
「おまえスキル使えないはずじゃん!?」
「ってかそのスキル・・・うちらの師匠の」
「やっぱり!!みんな気を付けて!!主人公は強奪スキル持ちだ!!」

、主人公が強奪スキルに目覚めたこと、そのスキルで師匠を殺し奪った事実(のみ)がヒロインと読者に開示される。
主人公とクラスメイト、ヒロインのチームが完全に解散になる。
クラスメイトの何人かはガチ敵対し、主人公をめぐる悲劇のトリガーになる。

承→転→起(過去の回想)→転の中、ヒロインの死)→結

これでめくるめくダークてんか~い(笑)

◆主人公の矛盾している性格
 長らく『努力至上主義』だったから、頑張る人に報われて欲しい気持ちが大きい。
召喚当時、努力至上主義という中二病をこじらせまくり真っ盛りで、クラスメイトの事情にクチバシ突っ込みまくり見下しまくりだったのを恥じていて周囲の事情を鑑みる癖がついた。
 他でもない師匠たちに人情をかけてもらい努力を認めてもらったり、あまつさえ命とスキルまで与えられた自身に負い目があり、強迫レベルに人情に入れ込みやすい

とかかなぁ

・・・・・・ここまでくると原作完全ブレイク設定ですね!!すいません!!

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 13)

投稿者 t : 0 No: 1の返信

投稿日時:

t様の「主人公が2回死んで生き返るそして悟りを開くくらいいる」というのはほぼエンディングを言い当てていました。
そんなことになっていたとは……よし、この調子でサマージャンボ宝くじの6等を当てるしかない。あのユーチューバーの彼は1000万円ぶん買うんだろうか……ヒ〇ル。

批評依頼だったので大変だし余計なことはいいかなと思って書かなかったのですが。どれだけ暗い内容だったとしても面白ければオールオッケー。面白ければ、超つまらないストーリーでも、文章力が最悪でも、一部の読者に酷評されても、それだけその作品には魅力があるということなので別にいいです。(と言い切るのは問題があるかもしれない)
ただ私達には準備する時間が与えられているので、プロットはリスクを減らすために作ります。

このプロットは【結】で、『その世界では初となる人類同士の世界大戦が勃発する。』その後で、『その滅亡と同時に黒幕が登場し、今度は全人類対黒幕の戦争が勃発する。(黒幕に関しては序盤から布石や伏線を張っています)』とあります。

例えば、どうして人類同士の世界大戦が勃発するのか。
いきなり世界大戦というキーワードがでてきた印象があります。
その理由は【起】【承】【転】を読んでも、世界大戦を匂わせるような構成になっていないからです。
『その世界では初となる人類同士の世界大戦が勃発する。』これが主人公の活躍だけであっさり終わってしまうと、読者からすると肩透かしですよね。世界大戦とは何だったのか、ただ作者がやりたかっただけなどと、読者はいちいちこんな感想を残してくれませんが、そう思われます。そこをどう上手く書くかが作者の腕の見せ所なのですが、これはちゃんと用意していないと難しい問題です。
ですがもしかすると、私が今言っていることは間違っているかもしれません。

ではもっとシンプルに、世界大戦がちゃんと盛り上がって読者に熱が伝わるためには、何が必要かと考えてみます。
世界大戦と聞いただけで読者が想像できるように、事前の段階から、それらの背景が分かっていないと本当の意味で楽しめません。この背景を丁寧に書こうと思ったら、『その世界では初となる人類同士の世界大戦が勃発する。』このたった一行の内容に対して長編1作書けてしまいます。

『今度は全人類対黒幕の戦争が勃発する。(黒幕に関しては序盤から布石や伏線を張っています)』も同じです、ただ主人公が活躍してカッコイイ台詞を言って問題が解決するだけなら、戦争とは一体何だったのか駆け足で通り過ぎていったな、ということになってしまいます。
私はオミクロン様を責めているわけではありません。もう少しお付き合いください。

例えば【転】は、『しかし、二人目の師を殺めた時点で手放そうと決めたはずの技術は、』から始まっていますが。私は前に二人目の師を殺めたの、表現が足りないと書いたつもりです。
この【承】の書き方でいえば、【転】で『二人目の師を殺めた』を読んだ読者は「あ、そんなことあったな。二人目の師って誰だっけ?」程度しか思い出してくれません。ここでは、『二人目の師を殺めた』という事実はそんな軽い感じでいいのかという問題が残ります。

そもそも【承】が面白く書けていればいるほど、読者というのはそれ以前に書かれた文章を忘れていくものです。しかし作者としては『二人目の師を殺めた』事実を読者に覚えていて欲しいわけです。
直前になっていきなり想起させるシーンやエピソードを入れるのは少し苦しいので、例えばですが【承】で、
「二人目の師の弟子もしくは、あれが原因で組織から命を狙われている」
「二人目の師の妹のことを好きになった、または告白された」
「二人目の師の呪いを解くために旅が必要だった」
「二人目の師が作ったダンジョンや、異世界(地球)の技術を改良した」
とかとか、二人目の師の痕跡を「キャラ」で、
物語に反映させて狙いをはっきりさせていきます。(よくある手法です)

まとめます。私がこんなことを書く理由は、「説明と描写の違い」は結局のところこういった部分にあるからです、そのことに気付いてほしかっただけです。
「主人公が2回死んで生き返るそして悟りを開くくらいいる」ようは成長要素を入れることはもちろん大切なのですが、これだけではどうしても文章の質で躓きます。

小説は面白ければオールオッケーなので、『その世界では初となる人類同士の世界大戦が勃発する。』これ自体はもちろんいいのですが、こういったキーワードが何の前触れもなくポンとでてくるということは私の経験上、小説本文を読んでいても、これは読者が冷めるだろうなと思ってしまう文章がちょこちょこでてきます。

この台詞は読者に意味が伝わるか。
この表現で読者がちゃんと分かるだろうか。

プロットはこれらのリスクを減らすために書きます。私はいつもプロットをこんな感じで考えていくのですが、でもまぁスタンスの違いかもしれませんね。
オミクロン様があわないと思えば捨ててください。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 14)

投稿者 とある書籍化作家 : 0 No: 1の返信

投稿日時:

はじめまして。

まずこの作品は、公募に出されるのですか?
それともなろうで文字数に制約なく連載されるのですか?

極めて重要ですが、何文字で書くつもりなのかが明示されていないとプロットの良し悪しは判断できません。
いわゆる映画の脚本は2時間前後が前提としてあります。小説は大体一冊10万字前後です。

つまりこの枠におさまらない作品は、最初から破綻しています。
思うに、ここにある要素全てを一冊の本にまとめたら破綻は避けられないでしょう。

それほど長く、登場人物が多いためです。
多分、数十ページごとに重要と思われるサブキャラが死ぬことになります。
このペースだと読者の共感や感動を引き起こすのは難しいでしょう。

本の長さにあった物語を構築するのも、創作の大切な点です。
ご留意ください。

100万字くらいでしょうか (No: 15)

投稿者 あまくさ : 0 No: 14の返信

投稿日時:

横からすみません。
このスレ主様の一つ前のスレ(書いている小説の問題点について、意見を下さい。)に、序盤15万字、中盤35万字と書かれていましたよ。
その後も色々展開があるようなので、70万~100万字くらいの構想のようです。

現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さいの返信 (No: 16)

スレ主 オミクロン : 0 No: 1の返信

投稿日時:

 皆さま貴重なご意見重ねてありがとうございます。再び一括とさせてください。

 まず投稿形式ですが、なろうのような小説投稿サイトに字数制限なしで投稿する予定です。最終的な字数として、100万字を少し超える程度を想定しています。また、主人公が「技術」でその手にかけるのは、全て召喚された世界の人間です。

  御茶ノ宮悠里様のご指摘にはなるほど。と感じました。確かに指摘されると成長のプロセスが曖昧であるというのは否めない内容です。決定的な成長の機会(瞬間)は物語の終盤も終盤、ラスボスとの死闘の最中に発生します。

 ざっくりと概要を書けば、ラスボスは主人公と同類であった。しかし主人公が「自由」を渇望していたのに対し、ラスボスは「承認」を渇望していた。互いに究極値を望む以上、衝突は必然であった。しかし主人公は渇望の純度の低さによってラスボスに一度敗北。その敗北から、「どうすればよかったのか」とそれまでを振り返った結果、自身が治さなければならない場所を決定的に自覚する。といった感じです。この自覚の部分で成長するという風に作っています。

 つまるところその「自覚」までの全ては、「自覚」による成長の為の論拠の積み重ねに近い感じです。

 このような疑問を抱かせてしまった理由を考え、振り返ってみました。すると、どうやらNo1で書いた事に、筆者自身すら言われるまで気づかなかった事実があると判明しました。それは「物語全体の展開(主人公の心理状態を除く)」と「主人公の心理状態」の起承転結のタイミングが一致しない部分があるという事です。具体的に記載します。

1・2章:全体「起」 主人公心理「起」
3~5章:全体「承」 主人公心理「承」
6章  :全体「承」 主人公心理「転」
7章  :全体「転」 主人公心理「結(最大の問題は残ったまま)」
8・9章:全体「結」 主人公心理「結(最終的な解決)」

このような形になっていました。全体展開では【承】であるにも関わらず、主人公の心理展開では【転】の領域に入っていたのです。これを自覚せぬまま概要を書いた結果、t様の「この展開は急すぎない?」というご指摘に繋がったと思います。

 引き続き 御茶ノ宮悠里様の感想への返答になりますが、「落ち込む主人公→ヒロインとの出会い→ヒロインとの仲を深める→主人公の成長→ヒロインを殺す→落ち込む主人公→……」のループを繰り返し というのは3~5章そのものの内容です。ただしそこから、【主人公の成長】の項目を除いています。

 もちろん理由があり、先述の主人公が治さなければならない場所(成長すべき場所)を厄介な部分にしてあるからです。端的にすれば、「程度さえ間違えなければ欠点どころか最大の長所」として機能しています。ただ主人公はその度が行き過ぎている為、弊害が山ほど出てくるという風にしています。

 最後に、t様の「説明と描写の違い」に気づいてほしいというお言葉は染み入りました。確かに執筆しているとその説明と描写の線引きが非常に曖昧になっているのではないかと自覚しました。

 理由として現在執筆中なのは6章の半ばなのですが、5章までとは違い基本的な視点が主人公の一人称から、筆者目線(神の視点に近い三人称)になっていたからです。結果、このような文章が無数に登場することになりました。

 【登場人物】は、主人公の言動を非難した。【登場人物】は主人公の発言の中に含まれたもう一つ真意を読み取れてしまった。そしてその真意は、【登場人物】にとって極端に受け入れがたいものであったのだ。

 物語の全てを知る視点での記述の結果、筆者自身の中でもかなりの混乱が出てしまっているのだと感じました。一度それを見直してみようと思います。ありがとうございました。

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タイトル:現在書いている物語の概要と主人公についての批評を下さい 投稿者: オミクロン

 連投すみません。オミクロンです。前回の質問でご指摘いただいた部分は鋭意見直し中です。

 さて、今回は前回よりもう少し踏み込んで、全体のストーリーと主人公の大まかな言動についてまとめました。少々長くなりますが、それに関する批評をお願いいたします。

ジャンル:異世界転移、精神成長もの、チート要素あり

【起】
 日本で高校2年生だった主人公は、落ちこぼれの烙印を押されていた。本人が怠惰なわけではなく、どれほど努力を重ねても結果が大きく実らないというものだった。更に本人の性格が努力至上型だったため、いつの間にか諦念に塗れて塞ぎ込んでいた。そこで突如として異世界に召喚される。

 同級生も十数名召喚されていた。才能が可視化され、身体能力と技能が数値化された世界においてさえ、その世界独自の忌み嫌われる【規格】を保持していたせいで牢獄行きになる。完全に諦め命を捨てようとした瞬間に、もう一人の罪人(元天才錬金術師)から禁忌の技術を手に入れる。

 それは【規格】を持つ者のみが、他者から才能と技能を奪えるものだった。しかし致命的な欠陥があり、双方の同意を得なければ奪えないという残酷なものだった。それでも主人公は自由になるという夢をかなえるため、異世界で出来た二人の師を同意のもとにその手で殺め、異世界の旅を始める。

【承】
 旅の過程で主人公と仲間たちは複数の国を巡っていく。仲間と共にダンジョンに挑み、時には異世界(地球)の技術をフル活用して大儲けする。また、その強さと行動力を称えられ高位の冒険者に認定される。(要は異世界転移モノのなろう小説みたいな内容です)

【転】
しかし、二人目の師を殺めた時点で手放そうと決めたはずの技術は、不幸な事故によって有効に活用されいていく。(技術の行使は作中5回)危機感と恐怖を抱いた主人公は、技術を封印しようとする。だが、高位冒険者になったことを滞在中の国に利用され、いつの間にか片思いしていたヒロインの一人をその技術によって手をかける。

 失意のどん底に陥りながらも、それでも夢を諦められない主人公は2周目(物理的な意味)の旅に出かける。(シナリオ上世界そのものが狭い設定です)その最中で陰謀に巻き込まれそうになった同級生と幼馴染を救ったり、仇のある国(主人公らを召喚した国)への戦争準備に協力したりする。

 2周目の終点間際で、幼馴染がやむにやまれず件のヒロインに致命傷を負わせた事実に気が付き、自身のほんの些細な機転で回避できたことを知り発狂する。自身に完全に失望した主人公は、かつてと同じように塞ぎ込み始める。

【結】
 その危機を救ったのは死んだヒロインであった。ヒロインは主人公を罪悪感の鎖から解き放ち、主人公は再起する。

 それまでに行ってきた仇の国への工作の結果、その世界では初となる人類同士の世界大戦が勃発する。(他の国も仇の国と戦う理由はあります)そこで再起した主人公は英雄的活躍をする。仇の国は周囲を他の国の連合軍によって包囲され、滅亡する。

 その滅亡と同時に黒幕が登場し、今度は全人類対黒幕の戦争が勃発する。(黒幕に関しては序盤から布石や伏線を張っています)黒幕と主人公の一騎打ちの果てに、主人公は望んでいた自由とは何だったのかを理解し、黒幕に完全勝利する。

 二つの迷いを完全に克服した主人公は、望んだ「自由」を手に蘇生したヒロインと共に生きていく。(蘇生に関することも布石を置いてあります)

【承知している問題点】
シナリオ上必要な仲間のサブキャラの犠牲が5人いる事。しかもその殺害描写をしっかりと書いていること。また間隔が短い為、使い捨てにしていること。

物語の構成上【転】の部分でもう1周世界を回るため、必然的に長く(全体の3分の1ほどに)なり、どうしても重苦しくなること。

【主人公に関して】
 主人公の性格として、基本は自己中心的だが、悪意をもって行動することは滅多にない。周囲の事情を鑑みることが出来る。頼まれたら中々断れない。それでいて決断が甘いときがある。人情に入れ込みやすい為、出会った敵以外の人間を見捨てることが出来ない。

 矛盾しているようですが、自らの欲求を叶えると同時に他者の利益も考えるwin-winを重視する人間といった感じです。

 長くなってしまいましたが、ご意見のほどよろしくお願いします。

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