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三人称一元視点を書くコツと注意点 (No: 1)
スレ主 金木犀 投稿日時:
先日、三人称一元視点についてとある作者様と話していました。
しかし作者様には理解がしがたい説明になってしまったらしく、作者様を混乱させてしまったような気がします。
良い機会なのでみなさんの意見を聞いて、偏っているところがあるなら、自分の認識を改めたいなと思い、スレを立てさせていただきました。
前提としてその作品は、
・作者は三人称一元視点だと思って書いている。
・しかし、読者からは作品は視点ブレが多いと指摘されている。
・少なくとも、シーンが切り替わると、前のキャラとは別のキャラクターに焦点があたり、そのキャラのことを描いてしまっていたりする。結果的に複数の視点から作品を構成してしまっている。
・描写も、三人称よりで、一人称のようではない。
と私は思っています。
で、私が認識している三人称一元視点というのは、
・カメラ位置としては、視点主がハンディカメラを持っているような視点になる。
・少し主人公と離れた位置から三人称を用いて主人公が知りえない状況、知らないことも書けたりする。
・しかし基本的には一人称と同じ表現にする。
というものでした。
相手方の三人称一元視点の主張は、
・地の文に語り部キャラクターの主観が入っていない。(作者の主観は入りうる)
・カメラは視点主のそばにいる。基本的には視点主の立ち位置から撮影し続けて、たまに視点主の内部に潜って心の声を録音し、また離れる……そんなイメージ。
→これは、たぶん「三人称一元視点」をググると最初に出てくるサイトからそのままコピペしてきたやつだと思うんですが、まあ、大体合っているのだと思います。
主観、というのは、思い込みは書けない、ということなのかなと思います。
嘘は書けない、みたいな?
でも、主人公はこう思っている……というのは書けそうな気もしますが。
また、カメラ位置はいわゆるゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじである、ということでしょう。
でも、この考え方って落とし穴がある気がするんですよね。
主人公とは別の存在なので、心情がいわば吾輩は猫であるの猫の視点から主人公を描くみたいな認識になりますよね。
そうすると実質視点主とは別キャラクターの思考が存在することになります。
これは読者からすればとても混乱するような気が、私はしました。
気がするだけで、確信はないので、みなさんに突っ込んでもらおうかなと思った次第です。
例えば、主人公がなにか食べ物を食べたとき、
「まずそうに食べた」という描写は、三人称ならありですが、一人称だとかなり違和感がある表現だと私は思いました。まずそうな表情をしている、という、客観描写ですよね。
「まずいと思った」、もしくは「まずい」と言い切っちゃっていいと私は思ったんですが、たしかに目玉おやじを通して描かれているならその主人公の表情を読みとって「まずそうな表情」と書いても問題ないような気はします。
しかし、それだと三人称一元視点のメリットが薄いし、場合によっては別のキャラクターの視点から描かれる神視点だと読者は勘違いしかねないのではないか、思いました。
そこで質問です。
みなさんは三人称一元視点を書くとき、意識していることはなんでしょうか。
また、どうしたらうまく書けるようになるのか、上達方法などもあれば教えていただければ嬉しいです。
カテゴリー: 文章・描写
この質問に返信する!人気回答!三人称一元視点を書くコツと注意点の返信 (No: 2)
投稿日時:
これって人称の問題とも言い難いし、視点の問題とも言い難く、もう 作者の問題だ と思う。
とりあえず私の認識としては、
一人称視点は、ゲームで言えばFPS。まあファーストパーソン・シューティングだし直訳して一人称だし。
三人称は、極論だけどゲームで言えばシミュレーションゲーム。シムシティとか。その上で「誰に焦点を合わせるか」っていう視点の問題になる。
それで三人称一元視点は、バイオハザードシリーズみたいなショルダーカメラ。初期のバイオみたいなシアターカメラもそうだけど、主人公を中心に画を撮ってる形。
ただ、この考えだと、つまりは「三人称は俯瞰で誰に焦点を合わせるかの視点の問題」と書いたけど、じゃあ一視点は「それが主人公固定になっただけ」なので、三人称と一視点の違いはソコしかないという考えになってしまう。そして私個人はそれで納得している。
だから、スレ主さんが「一人称と同じような表現」と書かれているけど、あくまで私個人としてはそれは 作者の好みでそのようにしている というだけで、手法独特の強味ではないと思う。念のため書くけども、だから一人称と同じような表現をするのは間違いだという話ではない。好みだし個性だから良いと思う。
そもそも三人称というのは、「私」というのが一人称に対して「Aさん」というのが三人称だから、つまり「Aさん」と声をかける「第三者」がいる。だから「三」人称なわけで。
ということは三人称って「第三者による筆記」ということだから、そもそもそれ以外にルールなんて無い。
対して「一人称」は「私」である以上は「私」から外れれば視点がブレてしまうから、「私」を主観とした事以外は書けないというルールが出来てしまう。そういうルールがあるわけじゃなくて、ルールが出来てしまう。
一人称にルールがあることから、三人称にもルールがあると先入観が働いて、それに合わせた三人称一元視点にはこういうルールがあると考えるのではないかなと思う。
だから、私は「三人称は俯瞰で誰かに焦点を合わせる」と「俯瞰」って書いたけど、実際は、
Aは驚いて飛び退いた。落ち着いて見てみるとソレはただの流木だったようだ。
ーー焦ったわぁ、マジ超ビビった。
危うく声が出るところだったが、Aは口の中に溢れた心の声を殺して静かに息を吐き出す。
とか、こんな感じで「主観的な人物の声」もガンガン地の文に書いてます。
ちなみにこれは普通の三人称として私が書くものです。
つまり私にとって「一人称」と「三人称」の違いは「視点主の主観であるか」「第三者による記述であるか」という違いがあるだけで、それ以外のルールや手法なんてものは無いと思ってます。
「一人称は視点主が見聞きしてること以外は書けない」というルールが有名ですが、これは別にルールではなく「そこを外したら視点主の主観ではくなるよね?」というだけなので、結果的にそういうルールがあるように見える、つまりそういうルールが出来てしまう、あるわけではない、と思ってます。
で、問題の「三人称」と「三人称一元視点」の違いはというと、上で既に書いたけど「視点を一人に固定しているかどうか」というだけだと思ってます。
基本は三人称ですし、視点主に寄せてる以上はより一人称っぽい表現に近づけようと試みるのも良い表現だと思います。けど、それは好みだと思います。
私は、寄せるところはいきなり寄せるし離すとこはいきなり離します。
でも「三人称一元視点」と言っても、長期シリーズになると幕間みたいな形で固定した視点主以外に視点が飛んだりする作品もあるし、そういった作品を否定するつもりもないので、やはり「こういうルールがある」というのは無いかなと思ってます。
本編はあくまで主人公のみに視点を固定し、途中の合間合間に、あってもなくても良い外伝か幕間か補足的なエピソードが他視点で少し書いてある、とかだと私も「三人称一元視点だ」と感じますから。
一方で、
そういう長期シリーズを読んで勘違いして「本筋」の中で物語にガッツリ関わるエピソードなのに他視点にしてたりして、それを「三人称一元視点です」と言われたら、そりゃ普通に三人称だろ、とは思います。
「一人称」と「三人称」には明確な違いがあるけど、そっから先は明確なルールはなく、作者の好みによると思います。
「三人称一元視点」についても、基本は「一人の視点主に固定する」だけど、そういうルールがあるわけじゃない。
「三人称一元視点」って言葉を個人的な感性で意訳すると「この物語を主人公を中心に三人称で語りたい」って感じだと思うから、それが表現できているのなら途中で一時的に視点が変わっても「三人称一元視点だ」と思いますし、そこを外してしまってるのなら「これは三人称一元視点には見えない」と思います。
ついでに、私はそんな考えだから、
「三人称」「一視点」「多視点」の違いは何かって質問を受けたりもするけど、基本的には「三人称を書く上で作者がどう表現したいのかって考えの違いしかない」って答えてる。
手法的には「三人称」で、「一視点」と「多視点」は三人称を書く上で視点の扱いの話になるから、そもそも「一視点」や「多視点」で手法的に三人称と何か違いがあるわけではないと思うのよね。
人称の問題と視点の問題は違うから。
だから、それらを混在して「三人称一元視点とは?」と聞かれると、もうそれは作者の考えの問題になる、と思う。
正解はないし、どっちも正しいと思う。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信の返信 (No: 7)
投稿日時:
サタンさんコメントありがとうございます。
まず、自分が見解を理解しているか、まとめさせていただきますね。
・三人称は基本「俯瞰から誰に焦点を当てるか」。
・三人称一視点は「主人公固定」になる。
・一人称に寄せるかは好みの問題であって、ルールではない。
・三人称は「第三者の記述」一人称は「視点主の主観か」の違いがあるだけで、それ以外にルールはない。結果的にできてしまう。
・基本は「一人の視点主に固定する」が、そういうルールがあるわけではない。
・物語の主人公を中心に描かれているなら「三人称一元視点」だと言える。描かれていないようなら「三人称一元視点には見えない」と思う。
・三人称と、視点の問題を混在しないようにする。作者の好みがあっていい。
間違っていたら指摘お願いしますね。
簡潔にまとめてくださってありがとうございます。
要は「主人公固定で描かれているか、いないか」を中心に指摘できれば、少しは実のあることを書けたのかもしれませんね。
私自身ごっちゃにしてしまっていたから、相手に負担になっていたのかもしれません。
冷静な指摘ありがとうございます。
やはり、三人称一元視点も、三人称なので「まずそうに食べた」という表現をしてもいいのですね。なんか固定観念があったのかもしれません。
全体の文章が、より一人称気味なら違和感を覚えやすく、三人称よりなら違和感を覚えにくい、それだけの話なのかもしれませんね。
なんか、私なりに整理ができた感覚です。
ありがとうございました。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信の返信の返信 (No: 11)
投稿日時:
>まず、自分が見解を理解しているか、まとめさせていただきますね。
私が言いたかったことはちゃんと伝わってると思います。
ただ再度強調させてもらうと、これはあくまで 私の理解 なので、各々のこだわりとして「こういう条件をクリアしてないと一視点とは認められない」ってのはあると思うし、それは間違いではないと思う。
>やはり、三人称一元視点も、三人称なので「まずそうに食べた」という表現をしてもいいのですね。
アリかナシかで言えばアリになると思うけど、やっぱり個人の好みの問題になるから「自分はダメだと思うけど他の作者にそれを言うのは押しつけになる……でも自分は気になるから 変に感じる と個人的見解で伝えよう」みたいなラインにするしかないんじゃないかなと思います。
例えば、「主人公はまずそうに食べた」は私個人としては一視点として違和感はないです。状況にもよるけども。
けど、同じ構文でも「主人公は痛がった」になると、痛いにしては余裕ありすぎるので、繰り返し、アリかナシかで言えばアリだけど、個人的にはモヤッとするから俯瞰的には書かない。主人公にグッと寄せた書き方にする。
同じ表現なのに片方はOKで片方はNGで、これって一言で説明しにくいニュアンスの話なうえに 私にしか通用しない自分ルール なので共通見解には出来ないし、スレ主さんが最後にまとめているように 一視点も三人称だから三人称としてアリかナシかで言えばアリ という言い方をせざるをえないよねと思います。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信 (No: 3)
投稿日時:
一人称には明確なルールがありますが、三人称一視点(一元視点)にはそれがないんですね。
そもそも視点に関してはルールがないのが三人称。だからどう書いてもいいのですが、初心者が視点に無頓着にとっちらかって書くとかなり読みにくくなるということが経験則で分かっているので、少しは整えた方がよいというところからこの手法はスタートしたのだと思います。
つまり絵画で言えば構図を整えるというようなこと。良い構図と悪い構図というのは間違いなくありますが、それでいて、じゃあどうするのが正解かというのはないでしょう?
正解がなくても良い構図はあるように、一視点には有効性があります。
ざっくりまとめると、
1)描写が安定するため、読者にとっては読みやすくなる。
2)視点をおいたキャラに読者が寄り添うように誘導することができ、読者はそのキャラに近い位置から物語を体感できる。
この二つになるかと。
おわかりのようにこれらは一人称の特徴でもありますが、一人称では強制的にこのような形を作るのに対して、三人称一視点では読者がこの形に乗るかどうかは自由なんですね。なので、最も読者に負担のかからない形式と言えますし、一人称の長所を誘いながら一人称ではないので、必要に応じて一人称的な特徴から離脱することもできます。
繰り返しますが、三人称一視点は一人称と違って明確なルールがありません。
これを作者寄りの角度から考えますと、明確なルールがなければどのようにも書けるので楽そうですが、実はそうでもありません。どう書いてもよいということは、どう書けばよいか分からないということでもあるからです。
それと。
本来三人称に視点の決まりはないのに、あえて視点を制限するのは、その書き方に一定の効果があると期待するからです。だから、どう書いても間違いではないとはいえ、結果的に効果が得られなかったらこの手法を採用する意味がないんですね。
使いこなすには、けっこうセンスと文章力、構想力が問われる手法だと思います。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信の返信 (No: 8)
投稿日時:
あまくささん、コメントありがとうございます。
コツを上げてくださっていますね。
自分があまくささんのコメントを理解しているか、簡潔にまとめさせていただきます。
違っていたら、ご指摘ください。
・三人称視点問題は、そもそもルールはない。読みにくいか、読みやすいかの問題になる。
・良い構図と悪い構図がある。構図を整えて書くと読みやすくなる。
・明確なルールはないからこそ、どう書けばいいのかわからなくなりやすい。
・三人称に視点の決まりはないのに、あえて視点の制限をするのは、その書き方に一定の効果があるから。結果的に効果を得られなかったら、その手法を採用する意味はないのではないか。
三人称一元視点のメリット。
・視点が固定されて、描写が安定するため、読者にとっては読みやすい。
・視点をおいたキャラに読者が寄り添うように「誘導する」ことができ、そのキャラに近い位置から物語を体感できる。
こんなところかな、と思いました。
やはりあまくささんも、一キャラクター、主人公固定が基本だと考えられているのでしょうか。私はそう読み取ったのですが、どうでしょうかね。
私も必要ならほかのキャラクターの視点に移行していいと思うんです。
ですが、あまり頻繁にやると、一元視点の意義がなくなっちゃうのかな、と思いました。
あまくささん、コメントありがとうございました。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信 (No: 4)
投稿日時:
ドラコンです。回答というより、スレに乗っからせていただいての質問、という感じになってしまいますが。思うところがあるので、書き込ませていただきます。
2022年8月に、ここの「ノベル道場」に投稿した拙作では、「三人称一次元」で、以下の方針で書きました。なおこのサイトで、今更取り立てて宣伝をするのも、気が引けるので、作品名は伏せます。
・視点者は、場面を問わず「主人公」に限定。
・( )の思考文は、主人公に限る。
・地の文は「客観(背景・情景)」に徹し、主観は会話文・思考文でする。
これについては、第四研究室「ライトノベルは三人称一視点で書くべき?」での泥人形さんのご回答が根底。
https://www.raitonoveru.jp/howto/h5/677a.html
「簡単なことです。
会話文は「」
思考は()
地の文は情景・状況描写のみ。
これを徹底すれば、味のある文章は書けませんが、意味不明の文章を書くこともありません。余程変なことをしない限りは。
繰り返し言いますが、余程の文章力がない限り、味のある文章は絶対に書けません。ストーリーのみの勝負となります。ストーリーに自信があればどうぞ」
・会話文、思考文が先、発言者を示す地の文は後。
地の文で、どこまで作者(天の声)が出て良いのか、言い換えれば地の文で、キャラにツッコミを入れたり、視点人物の心情を書いても良いのかが、よく分からなかったですね。
また、背景事情の説明の仕方やタイミングも迷ったところです。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信の返信 (No: 6)
投稿日時:
まず基本的な例を示します。以下はすべて地の文です。
1)しずかちゃんはかわいいなあ。(一人称・主観型)
2)ボクは、しずかちゃんはかわいいと思っている。(一人称・客観型)
3)のび太は、しずかちゃんはかわいいと思っている。(三人称)
基本はこれだけです。
2と3は文章は同じですが、2は主語が「ボク」なので一人称になります。
で、これから分かること。
一人称には主観型と客観型があるということが、まず一つ。
一方、三人称の場合は基本的に1(主観型)はNGです。(テクニックで三人称に1的な文を入れてしまう作者がプロにもいますが、それは技術があれば基本を逸脱できるということで、別問題。まずは基本を押さえるなら、三人称の地の文に1を入れるのはNGです)
でですね。
3だけなら単に三人称なのですが、ひんぱんに「のび太は~」「スネ夫は~」とやらずにのび太ならのび太だけに決めて書けば、三人称一視点(一元視点)に近づきます。
* * *
>・視点者は、場面を問わず「主人公」に限定。
>・( )の思考文は、主人公に限る。
>・地の文は「客観(背景・情景)」に徹し、主観は会話文・思考文でする。
それで間違っていないと思います。
ただ、地の文をどう書くかも注意が必要なんですね。
上記の例のように、一人称なら地の文を主観的に書かなければいけないというわけではありません。自分を客観視することもできますから、2の「一人称・客観型」も成立するのです。
で。
ここで注意を要する微妙なことが一つ。スレ主様(金木犀さん)の書き込みの方から引用します。
>例えば、主人公がなにか食べ物を食べたとき、
>「まずそうに食べた」という描写は、三人称ならありですが、一人称だとかなり違和感がある表現だと私は思いました。まずそうな表情をしている、という、客観描写ですよね。
これ、半分正しくて、半分間違ってるんです。わかります?
>例えば、主人公がなにか食べ物を食べたとき、
>「まずそうに食べた」という描写は、三人称ならありですが、一人称だとかなり違和感がある表現だと私は思いました。
これは同意。しかし、
>まずそうな表情をしている、という、客観描写ですよね。
これは間違いと言ったら言い過ぎかもしれませんが、注意が必要。
「まずそう」というのは傍から見ている誰かの印象です。つまりこの文章は、食べている人物とは別の誰かの主観が入り込んでいるんです。
◎一人称の地の文は、客観描写なら入れられます。
◎上記の例文に違和感があるのは、客観描写だからではなく、うっかり「他者の主観」をまぎれこませてしまっているからです。
一人称や三人称一視点の文章に「視点がブレている」というツッコミが入るのは、こういう部分です。
>地の文で、どこまで作者(天の声)が出て良いのか、言い換えれば地の文で、キャラにツッコミを入れたり、視点人物の心情を書いても良いのかが、よく分からなかったですね。
回答。
基本、三人称なので、どう書いてもかまいません。ただし、三人称一視点には「三人称でありながら一人称的な効果をもたせたい」という狙いがあるので、ある程度一人称的に書かなければこの手法を採用する意味がありません。
そこから考えると、「地の文に作者(天の声)が出る」「キャラにツッコミを入れる」をやると、一人称的な印象が著しく阻害されるので、やめた方がよいです。
◎三人称一視点にするなら、地の文は客観描写であっても、主人公(視点人物)の性格・思考・世界観を反映させる方が効果的です。
>視点人物の心情を書いても良いのか
これは、真逆の問題。上の◎以下で説明した理由で、視点人物の心情はむしろ入れる方がよいです(作者や他のキャラの心情は入れない)。ただし、三人称の地の文でそれをやると、ある程度の文章力がないとグチャグチャになりかねません。なので筆力のある作者ならやってもいいのですが、そこに自信がないなら、( )でくくるという方法をとるのが無難です。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信の返信の返信 (No: 10)
投稿日時:
眉をひそめ、飲み込んだ。なら、客観ですかね。
確かにまずそうは、誰かがまずそうだと思わないと書けない表現ですね。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信の返信の返信の返信 (No: 13)
投稿日時:
1)眉をひそめ、飲み込んだ。 → 客観
眉をひそめたことと飲み込んだことは事実だから。
2)まずいなあ。 → 主観
3)ボクは、その食べものをまずいと感じた。 → 客観
その食べ物が本当にまずいのかどうかは分かりませんが、まずいと感じたことは事実だから。
4)ボクは、まずそうに食べた。 → 「ボク」が主語の場合はおかしい。
「まずそう」という言葉自体は食べている人物の様子を表現していて、実際にまずいのかどうかは分かりません。しかし、この場合問題なのはそういうことではなく、「まずそうに食べているなあ」と感じたのはボク以外の誰かであるはず、という点です。「ボク」の視点と、「ボク以外の誰か」の視点が混在してしまっていることになります。
5)彼は、まずそうに食べた。
これなら、まったく問題なし。
6)ボクは、彼の食べている様子をまずそうだと感じた。
これは、3の「ボクは、その食べものをまずいと感じた」と同じ構造で、自分の主観について客観的に言及しています。
すなわち、4がおかしいのは主観・客観の問題ではなく、「ボク」視点のはずなのに「ボク以外の誰か」の視点が入り込んでしまっているのがまずいのです。
ただし。
7)そのときボクは虫の居所がわるかったので、わざとまずそうに食べてやった。
これなら成立します。この場合の「まずそう」は他人から見た印象ではなく、他人からそう見えるであろうという印象を想定し、意図的に演じているということだからです。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信の返信 (No: 9)
投稿日時:
ドラコンさんありがとうございます。
コメントいただいた内容で、ドラコンさんの作品の文体の特徴がわかりやすくまとめられていましたので、興味深く感じました。
私は感想は書きますが、基本的にこういった場でアドバイスはしません。
難しいからです。
自分の実力的な問題がまず一番。
人になにか助言できるような力は私にはありません。
アドバイス自体もそうだし、その人それぞれに合わせた回答が必要なわけで、基本的にはあまり有用な助言はできないと思ってます。
ただ、率直な感想は書けるので、私はそれくらいしか能のない人間だと思います。
逆に言えば、人を傷つけやすい人間ですね。
ここでアドバイスをもらった方が、ダメージは少ないと思うんです。作品を通さないから、直接的なダメージは少ないはずですから。
なので、根本的に傷つきやすい人と私は相性が悪い……困ったものです。
それを前提にして、ドラコンさんに回答いたしますと、
ドラコンさんの作品を読んで、「文章が固すぎてよみにくいな。説明が多いな」とは思うものの、「文章が破綻している」と感じることはありませんでした。
文章力の問題というよりは、読みやすさの問題かな、と私は感じます。
文章力は確かにあると、思います。
地の文で、作者が出ていいのか、となると、メタ的な視点になって読者の好みがわかれるところではありますね。結局は書き方の問題なので、あれですが、三人称一元視点なら視点者の心情を描いても問題はないと思います。で、心情を描くなら、突っ込みはその視点者のものと思わせた方がいいのではないでしょうか。
背景事情の説明の仕方やタイミングも……本当に作品次第なんですが、
できるなら説明不要な事態を起こして、読者に察知してもらったほうがいいのかなと思います。
カレーに毒が盛られている事件が起きるとして、
伏線としてそのカレーを食べた被害者が苦しみ倒れる場面が要所要所で挿入されていれば、
なんでそんなことになったんだろう、と考える必要があるので、実は毒が盛られていたという説明を挟む必要があるのではないでしょうか。
必要な説明か、不必要な説明か、というのは伏線になるかならないか、そういうところで判断するのかなと、私は思いました。
……うーん。でも、場合によるので、一概には言えないことですね。
文章ってほんと難しいです……。
考えると頭が痛くなる。
書いているときは、感覚で書くので、それを言語化するってなかなか大変ですよね……。
サタンさんとかあまくささんとかほんとすごい。
投稿室の質問に答えている人みんなすごい。
ドラコンさん、コメントをお寄せになっていただきありがとうございました。
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信の返信 (No: 12)
投稿日時:
>あまくささん
>金木犀さん
ご返信ありがとうございます。ドラコンです。
味気ないかもしれませんが、概ね私のやり方で問題がなさそうで安堵しました。
>客観描写だからではなく、うっかり「他者の主観」をまぎれこませてしまっているからです。(あまくささん)
この点は、確かに注意が必要ですね。
誤字訂正 (No: 5)
投稿日時:
誤字訂正です。失礼しました。
【誤】「「三人称一次元」で」
【正】「「三人称一元視点」で」
三人称一元視点を書くコツと注意点の返信 (No: 14)
投稿日時:
極論すると、三人称には視点はありません。あるいは、視点はあってもなくてもどちらでもいい、と言った方が正確かも。
1)AとBは、レストランで向かい合って食事した。(視点なしに事実だけを書いている)
2)AとBは、レストランで向かい合って食事している。(視点を特定のキャラにおかず、空間のどこかに「カメラ」をおいている)
3)Aは、レストランでBと向かい合って食事している。(特定のキャラに視点をおいている)
要はこれだけのことです。
1と2は結果としてほぼ同じ文章になります。1は書き手が視点を意識せず、淡々と事実だけを書き連ねているということです。
3を採用する場合の主な目的は臨場感。
ストーリー的には、二人が会話しているということと会話の内容に意味があるわけですが、どうせならAの視点からBの表情を見て思惑を想像したり、店内の様子や空気感を見渡したり、会話の途中でドアが開いて別のキャラが入ってくるのが見えたりとか、そんなふうに書く方が読者は情景をイメージしやすいのではないか? ということです。
で、おわかりのように、こういう書き方をしたいならば普通は一人称を採用します。
しかし、この一場面だけのために一人称にしてしまうと、他の場面も一人称の制約を受けることになり、すこぶる窮屈です。他の場面の大半は三人称向きということもあるでしょう。
なので、ベースを三人称にしておいて、必要なときだけ3の書き方をするという手法があるわけです。繰り返しますが、三人称は視点を入れても入れなくてもいいのです。
* * *
というわけなので、個人的にはベースは普通の三人称、必要なパートだけ一視点という書き方がいいんじゃないかと思います。
ただ、三人称一視点は読み味が一人称っぽくなるので、ルールもどきを逸脱すると違和感が生じるということはあるかもしれません。
そこは作者の感覚で匙加減すればよいと思いますが、すべてをセンスでコントロールするのは大変でしょうから、一視点でいくなら一視点で通した方が簡単、ということはあるかもしれません。