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語り手とカメラを意識させるのはまずいの返信の返信の返信

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語り手とカメラを意識させるのはまずいの返信の返信(元記事)

以下はあくまでも私の考え方なので、もちろん異論はあると思います。また、視点・人称はルールではなくテクニックだというお考えには同感です。だからこそ原則論ではなく、それぞれの視点の長所・短所を踏まえた上で最も効果を発揮させるためにはどう書くのがよいかという私なりの方法論から意見を述べています。(なので論理的には矛盾することを言っている場合があるので、この問題は説明するのは難しいんですね。まあ、やってみます)

(1)
>「~は思いもしなかったのだ」という文章、一人称では問題はなく、三人称神視点では没入感が妨げられる。とのことですが、三人称一元視点の場合はどうですか。

三人称一視点と最も相性が悪いと思います。

(2)
>例えば、過去の出来事だったら、一般的に知られている歴史を振り返るのなら大丈夫だが、登場人物の過去はNGなのか、それとも一般的な歴史でもダメなのか。

一般的な歴史はOKでしょう。三人称一視点の記述は、基本的に視点人物(視点を固定する人物)の知識と一致させた方がいいように思います。

(1)について。
「~は思いもしなかったのだ」という文章は、一人称でも問題はあると思います。
こういう書き方の問題点は三つ。

A 時系列の乱れ。過去を振り返る文章なので、叙述の流れを止める、進行中の時間の流れと合わないなどの問題が生じる場合があります。

B 物語全体が回想になってしまう。

 小説の時間には大きく2分して、回想型と現在進行型があるように思います。どちらがよいか一概には言えないでしょうが、緊迫感をつくためには現在進行型の方が有利です。「~は思いもしなかったのだ」と書くことによって読者と物語の距離感が遠くなってしまうリスクがあるんじゃないかと。

C カメラは過去を振り返らない。

 現代的な三人称の視点は比喩的によく言われる「カメラ視点」であり、人格を持たないのが特徴です。
ただ、文学史的にはこの「人格を持たない視点」という手法が確立するまでが大変だったんですよ。「昔々、あるところに~」というのは、語り手が過去の知っている出来事について語っているという体裁をとっていますよね? つまり作者視点・語り手視点が物語の原型なんです。
三人称の地の文から作者を切り離し得たのは、現代小説の大きな方法的成果。なのに、「~は思いもしなかったのだ」という文章を含めて作者の顔が地の文に出てきてしまう書き方は、古典的な語り手視点の世界に引き戻してしまうんです。

で、ですね。
一人称であってもA・Bには絡んできますから、問題がないとは言えません。ただし一人称はCには引っかからないという意味で、先の書き込みでは大丈夫だと書きました。
なぜなら一人称は普通に語り手視点です。ただし、語り手は作者ではなく作中の登場人物のうちの誰かという体裁をとっています。カメラ視点三人称とは別の方法で、地の文から作者を隠しているんです。なので「~は思いもしなかったのだ」と書いても一応違和感は少ないのだと考えられます。

で、三人称一視点。これは最も実践的な視点手法で、簡単に言えば一人称と三人称のいいとこ取りを狙っているんですね。なのでこの手法は、何をやってよくて何がダメなのがという判断が難しいんです。

私見ですが三人称一視点の最大の狙いは「臨場感」だと思うんですね。

一人称にも物語と読者の距離感が近くなるという長所がありますが、語り手キャラの主観が目立ちすぎるため、「場の空気間」を表現するためには必ずしも適していません。三人称一視点は読者を視点人物に寄り添わせつつ、視点人物の心理描写は(軽く入れる人もいますが)淡泊にとどめるので、臨場感を出すためには最適な手法だと思うんですね。

つまり三人称一視点は、説話的物語手法(神視点)から現代的な三人称に進化してきた過程の一つの到達点なのだと考えています。

(2)について。
これまで述べてきたような理由で、三人称一視点では現代的三人称の客観描写を守りつつ、一人称的な効果も取り入れることを目指したいのです。そのために、文章そのものは三人称のルールに従いながら、敢えて一人称の制約を加えてしまうという方法が考えられます。一人称の制約の一つは「視点人物が知らないことは書かない」、ですよね?
なので、そのキャラが知り得ない他人の過去は書いてはいけないし、歴史の知識など誰でも一般的に知っていておかしくない過去は書いてもかまいません。

(補足)
ここまで三人称一視点(一元視点、単一視点)を推奨するような書き方をしてきましたが、一方で「現代的神視点」みたいな手法もありなんじゃないかと個人的には考えています。
ハリウッドなどで物語の面白さの基本は神話に見出せるのではないかと研究されていることからも分かるように、神視点的な手法は波乱万丈で内容の豊富なストーリーを書くにはおそらく適しているのだと思います。
ここまで神視点の欠点をいくつか書いてきましたが、逆に言えば従来の神視点的書き方からそういう欠点を取り除けばいいということでもあります。単に多視点の弊害ならば、 f-logさんも仰っているように読者が混乱しないように書けばすむだけの話です。しかし神視点には hexaが指摘されたように、地の文に「作者」が不用意に顔を出すことによる没入感の妨げという別の弊害もあると思うんですよ。このもう一つの弊害は、一見、視点・人称とは無関係に見えるからこそ、気付かれにくいんじゃないかと。
しかしこれは神視点を無頓着に採用することによって発生しやすい弊害なので、やはり視点・人称の問題の一つであるし、読むに堪える優れた神視点小説を書くためにも強調しておきたいところです。

語り手とカメラを意識させるのはまずいの返信の返信の返信

投稿者 t-log 投稿日時: : 1

詳細な回答と解説、ありがとうございます。大変参考になります。

(1)について。
Aの問題点については、私も認識してました。最初に例として出した際に「ダサいかどうかはともかく」と書いたのも、こういう部分が単に視点の問題だけではないからです。例として最適ではないと思いつつ、他に思い当たらなかったので、注釈付きで挙げました。
A・Bの問題は人称視点とは関係ないので置いておくとして、Cの部分で一元視点は引っかかるということなんですね。
一元視点のチェックに、一人称に変換するという方法がありますが、この件については通用しないようですね。

質問しておいてなんですが、私の感覚として、三人称の地の文に人格が垣間見えることが、そこまでリーダビルティーに影響するんだろうかと疑問があります。
先の例では、それ以外の問題点の方が大きいのではないかと。好例が思いつかないので、間違ってるかもしれませんが。

回顧型の小説
歴史小説によくみられるタイプかなと思います。そもそも過去の出来事であることが、前提ですからね。
人物を描くのなら、感情移入もしやすく、臨場感もある「現在進行型」が向いてますが、歴史の転換期にスポットを当てたものや、その時代になにが起こったのか、客観的に描く作品なら「回顧型」が向いているんじゃないでしょうか。

>三人称一視点の最大の狙いは「臨場感」

私の考えでは最大のメリットは「客観性」だと思っています。
一人称の場合は、すべて視点者の言葉で語られるので、それが作者の主張と同一視されがちです。ですが、かならずしもそうではありません。三人称にすることによって、視点者と距離を置くことができ、作者の意図が別にあることを示せることが、大きいのではないかと考えます。

(2)について。
>基本的に視点人物(視点を固定する人物)の知識と一致させた方がいいように思います。

ということは視点者が知りようのない「特殊な物理法則」などもダメということですね。
私は、三人称の地の文には、客観的事実でないと書けない。逆にいえば、客観的事実であれば、何を書いてもかまわない。と考えており、視点とと結び付けてはいませんでした。
今回、皆さんの指摘を受け手元にある小説をチェックしたところ、視点者の知識から逸脱した内容には触れていないとこに気づきました。
また、サタンさんの「作者の解説文」の見解を読んで、確かに視点者の知識から逸脱した内容については、最初か途中で挿入するかの違いはあれど、物語の進行とは切り離して記述してあるなと、思い当たりました。
とうことで、質問させていただいたのですが、やはりそうなんですね。
この件について、「三人称なんだから、客観的事実は書いても問題ないでしょう」という考えの人はいないんでしょうか。いれば、意見を伺いたいです。
子供が視点者で、地の文に大人でないとわからないような記述がある、というのは例外なんでしょうね。

「現代的神視点」
当てはまっているかどうかは、わかりませんが、ファンタジーで吟遊詩人が語るという、体裁をとった作品を読んだ覚えがあります。
三人称の変わり種としては、金田一耕助シリーズは、実在する金田一探偵の冒険譚を、友人である作家の横溝正史が記録に残す、という形になってました。
横溝氏が登場する作品もありました。
当初から想定していたとは思えないので、シリーズを続ける際に何らかの必要性があったのでしょう。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 神視点での小説の成功例

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