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「ざまあ要素」は重要かなとの返信の返信の返信(元記事)

>そうか、なろう系ってラノベという括りではないんですね。
>僕としては、ラノベの延長線上にあるものだと思っていました。

これは、想定読者層の問題かなと。
従来型ラノベの読者層は中高生とされていましたが、なろうの中心読者層の実態は「30代オタク」という説があるんですね。
また、WEB小説の特性上、投稿スケジュールや1回分の尺はどのくらいが適当かなどが話題になっているのをよく見かけます。(個人的にはPVを気にしすぎるとアフィリエイトと同じ崩壊過程を辿るんじゃないかと危惧しますけどね)
ぶっちゃけ、プロを目指すとしたら従来型ラノベなら新人賞コースになりますよね。よって、最初の読者は下読み・編集者・選考委員です。しかし、なろうは最初の読者はサイトのユーザー。

ここまで言うと、世知辛い話、創作とは無関係な「傾向と対策」論だと思うかもしれません。まあ、あえて極論気味に述べたのですが、上のような要素を軽視しすぎると独りよがりに陥る危険大です。

>あと、中間小説って、具体的なものってあるんですか?

今は死語かもしれませんね。この言葉が生きていた時代の作家で今でも知られているのは、例えば松本清張・筒井康隆・司馬遼太郎とかかな。元々それほど明確な定義はないのですが、エンタメをベースにして社会性や主張性を強めに盛り込んだ作風を表す適当な言葉が見当たらなかったので。
ちなみに今の作家なら、私的には池井戸潤をあげたいです。

>いわゆる純文学というものは、昔の小説を指すんでしょうか。

昭和なら事実上、「私小説」のこと。
今はくくりが難しくなっていますが、雑誌『文學界』に載るような小説と考えるのが早いです。

>たとえば夏目漱石とかって、当時ではたぶんめっちゃ軽い部類の作品ですよね? それでも今では純文学という括りになるのかな。

夏目漱石・芥川龍之介は中間小説でしょうね。
強いて言えば太宰治あたりは純文学になると思う。この世界は作品も作者自身も自己欺瞞をいっさい認めないという超小乗仏教的思考に凝り固まるので、突き詰めすぎるとみんな自殺します(笑
芥川も自殺しましたが、頭脳派だから自己欺瞞の完全排除なんて不可能なのを見極めて作品はエンタメを意識し、そのくせ本人は懐疑主義の罠みたいなところにはまってしまったのだと思われます。

>村上とかは純文学?

龍は純文学、春樹は中間小説だと個人的には思っています。

まあ、文学史的に巨匠とされている昔の作家が純文学作家というわけではないのは間違いありません。
デュマの『モンテクリスト伯爵』とかユーゴーの『レ・ミゼラブル』とかはエンタメ要素が豊かです。ドストエフスキー『罪と罰』やジッド『狭き門』はもう少し深刻ですが、ちゃんとストーリー性があって物語としてもけっこう面白いです。
日本の近代文学は、明治のころは見よう見まねで西洋文学を移植しようとしていたのですが、なぜか大正~昭和前半に「文学にはいっさい嘘が入ってはいけない」という不可解な思い込みがガラパゴス的に蔓延し、日本独特の「純文学・私小説」の世界を形成しました。
今はそういうのとも違いますが、やたらプライドが高く、前衛っぽさで煙幕をはってみたり、「嘘があってはならない」的な遺伝子が見え隠れしたり。めんどくさいです。

>芥川とかめっちゃ自省してるし、太宰さんとかもそうですよね。生活めちゃくちゃだけど、ああいう人が書く小説って偽りない本心を書こうとしている感はあります。今作もそのつもりでしたが、なにかと自分に都合が良いと言えばそうかもしれません。

繰り返しますが、その二人共自殺していることをお忘れなく。自分と他人の生活をめちゃくちゃにし、自らを死に追いやる「文学」を真摯と賞賛することにためらいを感じます。
適度に「自分に都合が良い」姿勢を私はむしろ推奨したいんです。

>本作は文芸よりに書くことを意識しました。

そうお見受けしました。
なので、「ざまあ論」を持ち出されたら迷惑なのかもしれないと思い、いったん「提案したわけではない」と後退したんです。
しかし「ざまあ」は人間の核心的な性だと思いますよ。文芸寄りの作品を書くにしても、そこを冷静に見極めて上手く取り入れる方が奥行きが広がると思います。

追記

投稿者 あまくさ 投稿日時: : 1

ラノベ文芸というには、おっしゃるとおり、キャラクターの造形が甘いし、売りも見えないですよね。

キャラクターの造形については方向性と役割は割とはっきりしているので、基本は押さえられているということではないかと思います。ただ、作為的に見えるという批評を気にしていらっしゃったから、そこにポイントを合わせて考えを述べてみました。

売りについては、読者に見える見えないより先に、作者が何を売りにしたいとお考えなのかが先です。金木犀さんご自身には、そこが見えていますか?
仮に作者にそれが見えているなら、診断と対処はシンプルです。同じことが読者に伝わっていれば成功、伝わっていなければ失敗です。
で、伝わっていないならば、じゃあどうすればそこが伝わるかと考えを進めれば、解決策が見えてくるはずです。

>心理描写の癖(自身の偏見)に関してはなかなかどうしてセンスというものが必要な気がしますね。

センスではなく、自分自身をどこまで客観視できているかでしょう。
ただ、誰でも(もちろん私も)自分自身への客観視は口で言うほど簡単ではないでしょうから、まずは主人公から距離を置いてみるというのが現実的な処方箋かなと思いました。

この主人公は、

1)他人から誤解される傾向があり、そのことを冷静に受け止めていると言いながら、実は全力で「俺のことを分かってくれ!」と叫んでいるように見えます。

2)他人に対して、上から目線が目立ちます。

3)実は彼の方も、他人に対して誤解しているかもしれません。他人に対してすべて分かっているような思い込みに、疑問をもった方がいいかもしれません。

などについて検討してみることを推奨します。

カテゴリー : 小説の批評依頼 スレッド: テーマに飲まれていると感じさせないための技術

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