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同じ場面を2、3回読ませることの是非についての返信

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同じ場面を2、3回読ませることの是非について(元記事)

 ドラコンです。何度も質問している、鉄道が存在する中華風後宮ファンタジー『寿国演義 銀鈴、牢獄で幽霊と邂逅す』(仮称)の追加質問です。既に半分程度は、書いています。

 作中の重要キーワードである、演劇≪新人女官伝≫(あらすじは、プロットの後に記載)は、数え方にもよりますが、2、3回は、以下のようにまとまって出てきます。

 1、プロット【序】で、牢屋に入れられた銀鈴と侍女2人が、≪新人女官伝≫を話題にする。
 2、プロット【破】で、幽霊皇后(麹香々)に≪新人女官伝≫の内容説明をせがまれて、細かく説明する。
 3、プロット【急】の〈おまけ〉で、幽霊皇后(麹香々)にせがまれて、≪新人女官伝≫の一部場面を上演する。

 同じ場面を、最大3回も読ませて良いのでしょうか? というより、読ませるべきではないでしょうね。私が読んだ小説でも、同一場面を主人公、ヒロイン、副主人公それぞれの視点、つまり3回書いてあるものがありました。正直、ストーリーが進まず、イライラしましたね。

 特に「3」は不要かな? とは思います。若干詳しいとはいえ、内容も、表現も「2」とそれほど変わらないような感じがします。幽霊皇后(麹香々)に見せるための公演は、地の文で「≪新人女官伝≫のうち、〇〇の場面が上演された」とだけ書いて、逃げたほうが良いのでしょうか?
●プロット(最新版)
【序】
 後宮内で、主人公の皇后・銀鈴は、侍女2人とともにコオロギ相撲賭博に興じていた。そこを、皇帝・仁瑜と、仁瑜の側近であり最高裁長官兼検事総長兼法相の忠元に見付かり、侍女共々逮捕される。この時、大規模な賭けコオロギ相撲賭博大会の証拠が発見され、押収される。
 その後、拷問部屋で忠元の部下で、判事見習の少女・芳雲から、芝居がかった取り調べを受ける(拷問はなし)。
 
 牢屋に入れられた銀鈴たちのもとに、女官に変装した仁瑜と皇太后が訪れる。仁瑜が銀鈴に、「大逆罪ならともかく、賭博罪なら計画段階を処罰する法はない」と言う。これで、銀鈴は侍女2人と一緒に、「コオロギ相撲賭博ブームを押さえるための『生贄』にされた」と認識する。
 
 また、皇太后が作った「謎のお守り」も差し入れられる。効果は分からぬが、後宮の牢屋には「幽霊が出る」とのウワサが強いので、「幽霊除け」のお守り、と銀鈴と侍女2人は考えた。
【破】
 銀鈴と侍女2人は、忠元による裁判で「賭博の咎により、当分の間の労役刑」を宣告される。労役の朝、朝食が食べる直前に消えた。銀鈴たちは、「幽霊に朝食を食べられた」と代わりを求めるが、牢番は「既に朝食は出したのだから、規則で代わりはない」と拒否する。
 
 銀鈴たちは、労役の庭掃除中に、空腹に耐えかねて庭木のイチジクを無断で食べる。これが「獄則違反」とされ、懲罰房行きとなる。

 懲罰房で就寝中、急に寒気を感じて目覚めた銀鈴たちの目の前に、囚人の幽霊が現れる。この幽霊こそが、300年前にその懲罰房に収監されていた、悲劇の踊り子皇后・麹香々(きくこうこう)だった。香々は、仁瑜の祖父母の祖母の曾祖父の姉。

 香々は、銀鈴が「当代の皇后」と知り、興味を持った。銀鈴たちがなぜ牢屋に入れられたのか、特に銀鈴が「皇后なのに、牢屋慣れ」している理由を尋ねる。

 銀鈴たちは、この質問に答える。香々は、その答えの中で、「香々が、嫉妬した側室の讒言により投獄され、獄死した事件を基にした演劇≪新人女官伝≫で、銀鈴が主役の≪新人女官≫を演じた」ことに、食らいつく。この≪新人女官伝≫の内容について、詳しい説明を求める。銀鈴たちは、その内容を詳しく説明する。

 香々は、銀鈴が徹底した自己稽古をしたことを知り、同じ舞台人として感ずるところがあり、銀鈴を大いに気に入る。

【急】
 香々は、銀鈴たちが身に着けている「お守り袋」を気にし、「裁縫道具を持ってくるから開けてみよう」と言い出す。開けてみると、中身は「幽霊除け」ではなく、正反対の「幽霊おびき出し」の霊符だった。

 これで、銀鈴は同じ「生贄」でも「コオロギ相撲賭博ブームを押さえる」ではなく、「幽霊おびき出し」の生贄にされたと悟り、ブチギレる。理由は生贄にされたこともあるが、それ以上に「食い物の恨み」。ほぼ1日、断食を強制された。香々が朝食盗み食いのお詫びとして、牢番の夜食を盗んできたが、朝食は食べそこない、昼食は規則(懲罰房の食事は朝夕2回)で出されず、夕食も規則で重湯同然の薄い粥とお情けの漬物。
 
 夜が明け、朝食が届けられた際、香々が懲罰房を出て、牢番を脅して、懲罰房の扉を開けさせる。銀鈴が、牢番を詰問する。牢番の答えは、銀鈴の推測通り、銀鈴たちの懲罰房送りは「幽霊退治のための忠元の策」。

 銀鈴は、自身の住まいである皇后宮に忠元と仁瑜を呼び出す。忠元は「全て銀鈴の推測通り」と認め謝罪する。怒りが収まらぬ銀鈴は忠元を、雷符で攻撃する。が、不発に終わり、気絶する。そこに、仁瑜が遅れてやってくる。

 仁瑜に介抱され、目を覚ました銀鈴は、「幽霊退治をしたかったら、初めからそう頼みなさい! 囚人役ならやってあげたのに」と、怒りが収まらない。香々から、「銀鈴が『本物の囚人』だったから、出てきたのよ」と言われて、銀鈴は怒りを収める。

 幽霊騒ぎ収束のため、霊廟において、祭祀を行い、香々を大々的にお披露目する。

〈おまけ〉
 香々のお披露目祭祀の後で、香々に見せるため、≪新人女官伝≫の一部が上演される。
 香々が、「都から故郷まで列車で35時間で行ける」「故郷で取れた新鮮な果物が都で簡単に手に入る」ことで、鉄道に興味を持った。香々に鉄道を見せることを兼ねて、事件解決のご褒美で、離宮へ日帰りの温泉旅行をする。

●≪新人女官伝≫(仮称)の配役とあらすじ

・配役

 ≪新人女官≫と公主 銀鈴
 悪妃と公主付侍女 皇太后 
悪妃付侍女(≪新人女官≫の先輩) ≪侍女A≫≪侍女B≫
公主付侍女頭 香々(幽霊皇后)のそっくりさん

・あらすじ
 
 嫉妬から、讒言で幽霊皇后の投獄に成功し、幽霊皇后を死に追いやった悪妃は、そのたたりで毎夜悪夢にうなされていた。
 そのストレスのはけ口に、≪新人女官≫を虐待していた。ある朝、≪新人女官≫は悪妃に洗面用の水をぶっかけてしまい、それが「不敬罪」とされ、投獄される。
 ≪新人女官≫は、公開で百叩きの上、無期限の重労役の刑に処される。そして、労役として、悪妃宮中庭の石畳磨きを命じられる。
 連日の重労働と虐待、空腹に耐える≪新人女官≫は、夢の中で公主(姫)に転生し、同時に悪妃も公主付侍女に転生。そして侍女頭と共に、公主付侍女(悪妃)を「馬」にして、「お馬さんごっこ」をする。
 悪妃は連夜の夢の中での「馬」扱いの心労で、死亡。悪妃の讒言を聞き入れた≪悪帝≫も、長年の不摂生がたたって死亡。
 ≪悪帝≫のまた従弟の王子が新帝として即位。≪新人女官≫も釈放され、新帝付の侍女となる。その後、≪新人女官≫は新帝に見初められ皇后となった。

・補足

 銀鈴が初主演(≪新人女官≫役)を務めた後宮劇団の演目。香々を獄死させた玉雉の後日譚。舞台の王朝「寿国」とは、別の「架空王朝」での出来事との体裁を取っている。

●関連スレッド

「寿国演義 銀鈴、牢獄で幽霊と邂逅す」(プロット)
 https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/plot/novels/thread/628

「作中で演劇が話題になる場合の、その演劇のあらすじの扱いは?」
 https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/13104

「出オチは是か? 非か?」
 https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/13112

「真犯人の居ない(事件自体が起きていない)冤罪事件の立証方法は?」
 https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/13078

「中華ファンタジーの過去ネタ焼き直しについて」
 https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/13039

同じ場面を2、3回読ませることの是非についての返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 1

結論から先に申し上げると、具体的に≪新人女官伝≫の内容を語るのは、〈おまけ〉の上演の一度で充分ではないかとなります。それ以上はくどいでしょう。

1.御作では≪新人女官伝≫の内容は最後の種明かしに向きそう

お示しの最新プロットでは、各章の直接のつながりは薄そうで、それだけに各章それぞれで、いわばその場のノリ重視のテンポのよい、見栄えするシーンで目を引くものにできそうです。自分なりに話の流れをまとめなおしてみますと、以下の感じでしょうか。

1:主人公 銀鈴はコオロギ賭博の罪で投獄、ただし隠れた原因忠元の思惑は別(幽霊退治)。
 ↓
2:主人公 銀鈴は刑務所の処遇に耐え兼ねて行った違反で懲罰房へ、ただし隠れた原因は幽霊皇后の盗み食い。
 ↓
3:主人公 銀鈴は懲罰房で幽霊皇后と遭遇して意気投合(幽霊皇后題材の演劇の主役だから)。
 ↓
4:主人公 銀鈴は幽霊皇后を外の世界に連れ出し、もてなす。

3から4前半はおそらく御作のクライマックスになりえます。テーマを「友達」としてみますと、銀鈴に友達(幽霊皇后=香々)ができ、その友達のために尽くすパートになりますので。

幽霊皇后が銀鈴に親和的になり、釈放に力を貸すのは、銀鈴が≪新人女官伝≫で幽霊皇后の恨みを晴らす役を演じることにありそうです。となると、最後に〈おまけ〉で≪新人女官伝≫が上演されるのは、その種明かしに使えます。

牢内で演劇の話を、内容を読者に伏せて、銀鈴から幽霊皇后にし、途端に幽霊皇后が態度変化したとします。読者には理由が分かりません。しかしとりあえずは投獄という状況の脱出です(及び関係者への仕返し)。

釈放後に幽霊皇后が忠元に怒るも幽霊皇后が宥めるのは、本物の囚人という理由ですね。ただし、それは公式にはそうされたということで、理由が別にある投獄であったのはプロットから明らかです。幽霊皇后が銀鈴に同情したくなる事情であるはずです。

その2つ(銀鈴と香々が友達になれた理由)を最後(〈おまけ〉)の演劇上演で明らかにするとすれば、内容を詳しくは語らないほうが劇的にしやすいように思います。途中までで読者に明かすのは「無実の罪で獄死した皇后の芝居」くらいでしょうか。

2.別プロットなら、≪新人女官伝≫を繰り返し説明することもあり得る

お示しのと別のプロットならば、≪新人女官伝≫を何度か説明しても自然な運びも可能でしょう。例えば、物語中盤までで示される≪新人女官伝≫(旧)と最後に上演される≪新人女官伝≫(新)が別のプロットになるように持っていくドラマにしてみる。以下のようなものが思いつきます。

・≪新人女官伝≫(旧):幽霊皇后 香々は妃を陥れて皇帝に取り入り、その罪がバレて獄死するも、なおも祟った悪人・怨霊で、最後に新人女官に祓われる。
・≪新人女官伝≫(新):幽霊皇后 香々は前妃(悪妃)に陥れいれられて獄死するも、新人女官により恨みと濡れ衣が晴らされる。

1:銀鈴はコオロギ賭博の罪で投獄、ただし隠れた原因忠元の思惑は別(幽霊退治)。
 ↓
2:銀鈴は刑務所の処遇に耐えかねて行った違反で懲罰房へ、ただし隠れた原因は幽霊皇后の盗み食い。
 ↓
3:銀鈴は懲罰房で幽霊皇后と遭遇、幽霊皇后からの祟りとして1~2が起こったことを知る。
  →理由は幽霊皇后が銀鈴を悪妃だと思い込んだから(幽霊皇后は、死んだ時点で時が止まっている)。
 ↓
4:銀鈴は主演する≪新人女官伝≫(旧)を根拠に、幽霊皇后こそ悪人と詰る。
 ↓
5:幽霊皇后 は≪新人女官伝≫(旧)の筋を銀鈴から聞き、事実無根と憤る。銀鈴も誤解を解いて同情。
 
6:対立から一転して意気投合した銀鈴と香々は協力して獄を出て、皇帝らに香々に起こった事実を訴え、追跡調査で証言が確認される。
 ↓
7:香々の名誉回復のため、≪新人女官伝≫(旧)は≪新人女官伝≫(新)に書き直され、銀鈴主演で上演される。
 ↓
8:それを見届けた香々は満足して昇天する(ないしは宮中に居つく)。

こうしておくと、≪新人女官伝≫の筋立てが香々と銀鈴に深く関わりますので、作中できちんと語る必然性が出ます。

ドラマ理解のため、読者にその内容のポイントを覚えてもらう必要が生じるということでもありますんで、セオリーとしても手を変え品を変えて繰り返すべきとなります。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 同じ場面を2、3回読ませることの是非について

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