なろう小説とは「冒険小説の皮を被った日常系」
絶対に主人公が負けない、という安心感が重要です。
なので物語の冒頭で、神様から「君は史上最強の大魔王になれるよ」と太鼓判を押される。主人公はやがて後世の人々から英雄と呼ばれるようになる。などのモノローグが入ります。
冒頭で成功を約束するのです。
なろう系でウケるストレスフリーの技法のひとつです。
児童小説でも読者にストレスを与えないことが大事
文芸小説のプロ作家さんに教えていただきました。
例えば、おばあちゃんが小さな子どもに自分の見聞きしたことを語っているなどの伝聞形式、回想形式にするのが良いそうです。
主人公がリアルタイムで危険に晒されている怖さが減ります。
昔の冒険小説などでは、主人公が過去を思い出す回想形式の欠点として、主人公が生き残っていることが最初にわかってしまう。緊張感が失われるので、行うべきではないとされていました。
ところが現代(2020年現在)では、主人公が実は生き残っていることが最初にわかるので、読者のストレスを緩和することに役立つそうです。
あるいは、伝聞形式として、おばあちゃんが怖い話を子供に聞かせているという枠を作中で作ります。すると、読者の子供は、友達と一緒に話を聞いている気分になり、ストレスなく怖い話を読むことができます。
要するに、児童小説でも「主人公が絶対に負けない」という安心感。ストレスフリーが重要になってくるのですね。
「絶対安全の中での大冒険」が、現代ではウケるということです。
このために、なろう系では冒頭で主人公が成功することを約束する。
主人公が最強であることを繰り返し示すなどの手法が有効になってきます。
注意点として、緊張感を出したい場合。読者をハラハラ・ドキドキさせるのが目的であれば、回想形式、伝聞形式、冒頭で成功を約束するといった手法は逆効果になるので、使わない方が良いです。