ただし欲望の方向は様々
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タイトルの検討を内容と一歩離して考えるのは有り(元記事)
もちろん、タイトルよりも本編の方が重要なのは論をまちません。
ただ。
本編にしても、「エンタメの場合は冒頭のつかみがきわめて重要」という主張があります。それと同じ。
一方で「冒頭だけ良くても中盤~ラストがだめなら意味がない」という意見もあると思いますが、そういう考えは正論に見えて実は俯瞰的な視点が欠けています。
よくいるんですね。作品の冒頭が冗長で退屈だと指摘されると、「この作品にはこういうスローテンポな書き出しが必要で、それでこそ先の展開が生きてくるのだから、変えることはできない」
……そう、言い張る人が。
しかし冒頭がつまらなければ、先の展開がどんなに素晴らしくてもそこまで読んでもらえないので。
エンタメの創作論では「竜頭蛇尾」を目指せとさえ言われます。
これはもちろん極論で「竜頭竜尾」が最も良いに決まっているのですが、「蛇頭竜尾」よりは「竜頭蛇尾」の方がまだましということ。
冒頭だけ良くて後がしょぼければ読者に見捨てられる可能性大ですから「竜頭蛇尾」はやはりダメでしょうが、それ以上に冒頭で見捨てられたら話にならないということを強調するための、まあ、レトリックですね。
タイトルも同じ。最初に読者の目に触れる部分なのですから、ここでまず勝負してみようという作戦はありだと思います。(もちろん、それだけで勝負は終わりではないということを忘れなければという前提ではありますが)
実際の読者がタイトルを目にする時もまだ本編は知らないわけですから、本編を切り離したタイトルのみの印象も軽視できません。
* * *
なので本編のことは考えずに、いくつか提示されたタイトルの印象だけ述べます。
正直、あまり印象に残らないなとは思いました。こういうことは主観も入るので自信満々で言うわけではありませんが、個人的にはどれもあまり良いタイトルだとは感じませんでした。
具体的な問題点についてはやはりサタンさんが丁寧に説明されていますし、私もいくつか私見は書いてきたつもりです。
これ以上説明はできないので、感覚的に。
印象付けるなら、どこかに一つ「棘」がほしい。
欲望充足を狙うなら、動物的な本能を直視してほしい(やりすぎるとポルノになるので、さりげなくね)。
蛇足ながら後者について、やりすぎ上等なら。
『女教師、縄地獄』
もちろんこういう最終兵器なワードは使用せずに隠すのですが、本質は間違いなくこれです。
ただし欲望の方向は様々
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 0
念のため補足。
欲望にはいろいろあります。
バトルが好まれるのは闘争本能や英雄願望だろうし、美少女系でも「兄さん好き好き」ならエロよりどちらかと言うと承認欲求だろうと思います。妹ものが好きな読者はナイーブな人が多いと思われるので、隠し味程度でもその方向の味付けするのは注意が必要かも。
割と見かける「奴隷ハーレム」みたいな言葉が入っているのは、エロ方面を想起させたがっているのだと。
カテゴリー : 流行分析(なろう研究) スレッド: 新、新タイトルの相談