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カタルシスの分散の返信の返信

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カタルシスの分散の返信(元記事)

一応話をスレの論点に戻したところでバトンを拾ってくれた人がいたので、後はおまかせしようと思ったのですが(笑
なんか議論が深化しているようなので、もう一度バトンを拾ってみます。当たりガチャ認定してもらったのを喜んでいいのかどうか不明ですが、まあ、褒められたと思っておくことにします。

>幼稚園高学年のころ、今とは違い天才寄りだった俺は、『幽霊』という妖怪(じゃないという説もある)に対して凄い興味を持っていました。まあ要するに、『死ぬとどうなるのか』ですね。

私は小学二年生くらいの頃に、人間は死んだら完全に消滅し、天国も地獄もないんだと思っていました。だから幽霊・妖怪もまったく信じていなくて、現代人なら誰でも普通にそう考えていると何となく思っていたのですが、そうでもないのでしょうか?
私の場合、幼稚園~二年生くらいに祖父と祖母が毎年一人づつ亡くなっていた時期があり、葬式ばかりやっていたので人間が死ぬってどういうことなんだろうと考えたんですね。そんな時期に誰かオトナに聞かされたことに、覚えていませんが何かしら影響されたのかもしれません。そういう刷り込みが、以下、大野さんとも少し世界観が違ってくる原点になっているのかなと思ったりもしますが、まあ、よくわかりません。

で、『物理法則と自由意志のジレンマ』について。この場合の物理法則とは「決定論(広義に言えば因果律)」のことですよね? 一般的な物理法則と自由意志は別に抵触しないと思われますから。

『物理法則と自由意志のジレンマ』。それはおそらく以下のような思考かと思います。
世界は必然性と偶然性と作為性の三つによって成り立っています。しかし、ビッグバン以来すべての因果の連鎖を俯瞰する神の視点から見たら、偶然性も作為性も実は存在せず、すべては必然のはずだという考え方ね。
この考えはしかし、「そうなのかもしれない」としか言いようがなく、そうだと証明する方法はたぶんありません。
算数では「1+1=2」と教わりますがこれも実は絶対の正解ではなく、「+」という加算の計算法を厳密に定義してはじめて成立する「条件付きの正解」でしかないことはお分かりかと思います。

決定論も同じで、そもそも「論理」というやつは、ある条件を仮定した時にこの命題は真か偽かという思考でしかないんですよ。これは人間の脳の限界で、人間は論理的であろうとするかぎり上記のような思考の枠組みを逸脱することができないようにできています。

ちょっと根源的なお話。
人間をとりまく世界なるものの実相について、ショーペンハウアーが私なんかよりずっと上手い言葉で説明してくれている本があるので(『意志と表象としての世界』冒頭)、引用します。

(引用始め)
世界は私の表象である。このことは、生きて認識するあらゆる存在に妥当する真理である。
(中略)
人間が知っているのは太陽や地球そのものではなく、ただ太陽を見る目や地球に触れる手を知っているに過ぎない。
(中略)
すなわち、世界はそれとは別の、世界を表象するもの(世界を見渡している視点人物というような意味です。あまくさ注釈)、すなわち人間との関係性のうちに存在するということである。
(引用終わり)

平たく言えば、私たちの体験は、現実なのか脳の誤作動によって生み出された幻なのか区別がつかないということです。
とは言えデカルトのコギトじゃないですが、世界が幻想であるなら少なくとも幻想は存在していることになりますから、百歩譲ってそれが何であるのかは分からないとしても何かしらは実在していると言えます。

何かが存在している。

これが出発点です。

そして、その「存在する存在物」は我々の360度周囲を取り巻くように存在している。われわれはそう実感しており、それを我々は「世界」または「環境」と呼んでおり、すなわち人間は本質的に「世界内存在」であると言えます。

人間は「世界内存在」であり、動物も「世界内存在」ですが、人間と動物には決定的な違いがあります。それは、動物は主に本能によって世界とつながり、人間は(本能もあるとは言え)主に脳が作用する「思考」によって世界とつながっているということです。

人間は知覚というセンサーによって外界の情報を受け取り、その情報を脳が処理することによって「世界観」を生成しています。このプロセスを通して人間が外界に働きかけるために、「論理」という形式を脳が運用しているんです。
しかし人間の脳も一器官に過ぎませんからその情報処理能力には限界があり、よって人間の世界認識も論理的思考も、その限界を超えることはできないわけです。

論理なんて、たかだかその程度のものです。

で、やっと「因果律論」「決定論」にもどります。
それらは限界があり不完全な人間の論理思考による机上の空論にすぎず、真実でも何でもありません。
人間は動物と違って主に本能より思考によって世界にアプローチすると述べましたが、本能だって無いわけじゃありません。いわゆる「勘の良い人」の行動や判断が秀才の論理を凌駕することがあるのは、それが理由です。

なので、非論理的な「素朴な直感」を信頼してもいいんですよ。

決定論に対抗する「素朴な直感」としては、私はよく「暴漢に襲われたときの行動」を例にとっています。
暴漢に襲われて命の危険を感じたときの反応は、「逃げる」「抵抗する」「立ちすくんで殺される」その他ですよね。それらのどれを選択するのもビッグバン以来の決定事項。そう考えて抵抗せずに殺されるのも自由ですが、いみじくもここで「自由」という言葉が出現しています。選択は必然的決定事項と考えることもできますが、まったく真逆に決定事項と考えて成り行きに身を任せるのも一つの選択とも考えられます。決定事項と思ったことが自由選択とも捉えられ、自由選択と思ったことが決定事項とも捉えられます。
要するにね。どっちも人間の脳が考えていることに過ぎないじゃないですか。
暴漢が襲ってきた。殺されるのも怪我するのもいやだ。いやだから逃げるか、自信があるなら反撃する。そういう反応が素朴に自然で普通でしょ?

それは素朴に「自由意志」だと私は思います。

カタルシスの分散の返信の返信

スレ主 大野知人 投稿日時: : 0

 ああ、当時俺が思ってたこととしては『死んだら消滅する』じゃあ詰まらないから、他のパティーンで何か理屈が成り立つことはないかなぁ→そもそも幽霊ってガチで実在しないのか? 辺りの、半分思考実験のような者でございました。

 ええ、俺が言いたいのは因果律であってます。
 より厳密には、俺が『物理法則』と呼んでいるのは、人間が観測したブツの事ではなく、『世界の仕組み』という非常に雑なイメージ、というか『ラプラスの悪魔』が知っているであろう『真実の物理法則』を指します。
 要するに、『人間の観測が正しいかは知らんが、観測前の確かに実在するナニカ』です。
 
 うーんと、そうですね。当時の俺は些か極端な考え方をしていたのですが……。
 まず第一に、『人間なんぞ大したもんじゃないし、人間の観測が正しいと思っていない』というのが当時の俺の状態でした。よって、あまくささんの仰る『人間の観測が間違ってるんじゃないの?』というのはある意味的外れであり、当時すでに理解はしていました。
 その上で一種思考実験的に、上述の『人間の観測と無関係に「正しい」因果律』が存在する前提でこの話をしていたわけです。
 当然、『もしかすると、この世に必然性という物は存在しないのかも知れない』という事も考えました。
 以下、問答法的に俺が『あれ、自由意志って存在しなくね?』と思った理由を書きます。(当時)

Q『世界における必然性の割合は次のうち、どれ? ①世界のあらゆる物事は全て必然。②世界のあらゆることは全て偶然。③偶然にも必然も両方存在する』
 ①あまくささんや読むせんさんに話したヤツ。『俺の考えすら最初から決まってたなら、考える意味なくね?』
 ②メタ的に『必然』と『偶然』を区別している何らかの規則性が存在するため、『上位概念としての『必然性と偶然性』に対する必然』が発生するため、①に帰結する。
 ③世界は須らくカオスである。もはや思考することが無意味だ。

A アレ俺いらなくね?

 というのが、当時の俺の発想でした。

 でまぁ、結論としてはあまくささんの言っていることと近い所です。
 あまくささんの言っていることと言うのは『要は全部人間の観測や思い込みじゃない、どっちにしてもその時々どう思うかが大事でしょ?』っていう感じだと思うんですが。
 俺の感じた結論としては『依然として、(人間に理解できるかはともかく)「世界を成り立たせている理屈」は存在すると思うが、それはそれとして観測できないから無視しよう』って感じです。

 どちらにしても、大前提には「世界に対して身勝手な人間の観測・思考」というのがあって、その上でどこにレールを敷くか、位の感じだと思います。
 ですからまあ、これが自由意志でしょうね。このスレッドを書き込んでる「コレ」が。
 メタ的視点に飛び過ぎて、『自分が認識できるか』って問題を置き去りにしていたわけですね、当時は。

 まあ、こじんまりとまとめてしまえば、『自分』を意識するのに遠回りしまくった、というだけの話なのです。
 なんだか細かいすり合わせに付き合わせてしまったようですみません。

カテゴリー : ストーリー スレッド: カタルシスの分散

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